溶接用語やヒュームとスパッタの違いについて解説します
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IT系企業やベンチャー企業に限らず、建築や溶接を扱う現場でも仕事にまつわる専門的な言葉で会話する機会があると思います。
そして、それは溶接作業をおこなう仕事に携わる方も同じです。
ヒュームやスパッタ、スラグにオーバーラップ。
どれも溶接作業をおこなうためには知っておく必要がある専門用語のひとつです。
ということで今回は、溶接にまつわる専門用語の解説をしていきたいと思います。これから溶接作業を控えている方は、ぜひ参考にされてみてください。
溶接作業をまつわる専門用語
溶接作業をおこなう上では欠かせない、最低限の専門用語や知識について解説していきます。
アーク溶接
アーク溶接は電気の力を利用して溶接をおこなっていく溶接方法です。アーク溶接にはいくつか種類が存在し、その種類によっても使用するシールドガスが違ったり、注意事項などが異なります。
アーク溶接は大きく分けると「非溶極式溶接」と「溶極式溶接」の2種類に分けられます。
非溶極式溶接は、アークを発生させるために必要な「電極」という部分がほとんど溶けないような仕組みになっているタイプの溶接方法です。
非溶極式溶接の代表例としては「TIG溶接」「プラズマ溶接」の2種類が挙げられます。
一方、溶極式溶接はアークを発生させるために必要が電極が溶加材(溶接素材をくっつけるために使用する素材)としての役割も担いますので、消耗するような仕組みになっているタイプの溶接方法です。
溶極式溶接の代表例としては「CO2溶接」「MAG溶接」「MIG溶接」の3種類が挙げられます。
ヒュームについて
アーク溶接をおこなう上で知っておきたい知識の一つに「ヒューム」の存在が挙げられます。
ヒュームとは、アーク溶接をおこなった際に発生する特定化学物質のひとつで、法律でも規制されるほど有害な物質になります。
ヒュームはアークの熱で溶かされた金属などが蒸気へと変化し、空気中で排出される過程で微粒子サイズの個体へと変化したものです。
そのため、何も対策を施さないと作業中にヒュームを吸い込む恐れがあり、また、一度体内に入ってしまうと排出されることが無いため、重大な健康被害へとつながると危険視されています。
スパッタについて
スパッタはアーク溶接やガス溶接などをおこなった際に周囲に飛び散る、小さな金属の粒(金属くず)や小さな非金属の粒のことです。
スパッタは、目視できる程度の溶けた金属の粒で、溶接棒や溶接ワイヤーに含まれる物質の一部が溶接作業中に酸化することで発生すると言われています。
ヒュームとスパッタの違い
ヒュームとスパッタの大きな違いは粒の大きさです。
ヒュームは溶接時に発生する蒸気や空気中に浮遊するほど細かくなった小さな金属の粒であるのに対し、スパッタは目視で飛び散っている様子や作業後に確認できるほどの大きさの金属粒になります。
スラグについて
スラグは、溶接時に周囲へ飛び散る非金属製の粒などの総称のことです。
溶接時に金属から分離して残ったクズや残りカスのことをスラグと呼びます。
スパッタとスラグの違いについて
スパッタとスラグの違いとしては、以下のとおり。
- スパッタ:フラグを含めた総称
- スラグ:スパッタの中に含まれる非金属製の粒などの総称
スパッタはスラグを含めた溶接時に発生する粒のことを指している用語であるのに対し、スラグはスパッタの中に含まれている金属から分離して残った非金属製のクズや残りカスのことを指します。
オーバーラップについて
オーバーラップとは、溶接時に溶接母材の表面に溶加材が溢れ出してしまい、母材を溶かさずに固まってしまう状態のことを指します。
溶接作業者の力量不足(電流が低すぎる、溶接スピードが遅い)が原因で発生すると言われている、初心者に多い失敗です。
アンダーカットについて
アンダーカットはオーバーラップとは逆の状態のことで、溶接時の溶接ビードの側面が、溶接母材の表面よりもへこんでいる(削れてしまっている)状態のことを指します。
こちらも溶接作業者の力量不足が原因で発生すると言われている、初心者に多い失敗です。
シールドガスについて
シールドガスは溶接中に使用するガスのことで、「MIG溶接」だったり「MAG溶接」などで利用されています。
シールドガスは、空気中に含まれている物質と溶接で使用する金属の意図しない化学反応を防ぐ目的で利用されます。
まとめ
今回は、溶接にまつわる専門用語や知識を中心に解説してきました。
これらの専門用語や知識は、これから溶接作業をおこなう方には、絶対に知っておいてほしい大切な知識です。
溶接の現場では今回ご紹介した専門用途や知識以外にも重要なものがたくさんありますので、これを機にぜひ、調べてみてください。
きっと、これからの溶接ライフに役立つはずです。
また、溶接以外にも覚えておきたい知識や専門用語もたくさんありますので、ぜひその他の関連記事も参考にされてみてください。
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