ツーバイフォー工法のメリットやデメリットは?在来工法との違いについて解説
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これからマイホームの購入を検討されている方の中には、「2x4工法(ツーバイフォー)」という言葉を見聞きしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このツーバイフォー工法は、家を建てる際の工事の方法の一つで、日本に古くから伝わっている従来型の工法とは明確に区別をされています。
しかし、建築知識がない場合は、特徴などを把握できておらず、その良し悪しの判断をつけることが難しいです。
ということで今回は、ツーバイフォー工法のメリットやデメリット、在来工法との違いなどを中心に解説していきたいと思います。
ぜひ、これから一軒家の購入を控えている方は、どんな方法でご自宅を建てていくかも参考にされてみてください。
2×4工法(ツーバイフォー)とは?
2×4(ツーバイフォー)工法とは、住宅工法の1つです。なぜ2×4(ツーバイフォー)というのか、少し分からない部分もあるでしょう。
この工法の名称になっている2×4(ツーバイフォー)は、2×4(ツーバイフォー)工法でよく使われる「木材の規格」を表しています。
2インチ×4インチの木材を多く使うため、2×4(ツーバイフォー)工法と言われるようになりました。
※実は2インチ×4インチだと5.08cm×横10.16cmですが、加工の乾燥製材として38mm×89mmが規格になっています。
2×4(ツーバイフォー)工法は、面で住宅構造を考えていく工法です。1枚ずつパネルを貼り合わせて1室を作り、窓や扉用に穴をくり抜いていく…といったイメージですね。
このパネルを作る際に、2×4(ツーバイフォー)材をたくさん使用します。2×4(ツーバイフォー)材で枠組みを作り、両面を合板で塞ぎ、パネルを作るものです。
1枚のパネルを作るためには、最低でも2×4(ツーバイフォー)材を5本。合板を2枚使用するので、2×4(ツーバイフォー)材を多く使用するのがわかるでしょう。
そういった面からも、2×4(ツーバイフォー)材を多く使用する木造枠組壁工法…という意味で、2×4(ツーバイフォー)工法と言われています。
よく耳にする2×4(ツーバイフォー)と何が違うのか?
よく耳にするツーバイフォーと2×4(ツーバイフォー)工法はほとんど意味が同じですが、使用者や状況によって工法のことを指しているのか、2×4(ツーバイフォー)材を指しているのかが異なります。
ツーバイフォー自体は2×4で、ほとんどの場合2インチ×4インチを指すはずです。
単に工法を指している場合、木造枠組壁工法という方式を採用すると覚えておけば間違いがありません。
木材のことを指す場合なら、2インチ×4インチの規格材を使用すると思っておくと良いです。
ただしツーバイフォーといっても、ツーバイエイト材やツーバイテン材を総称して指す場合もあります。
状況によってワンバイ材も指すことがあり、汎用性は幅広いでしょう。
規格としては最初の文字が38mm(2インチ)か19mm(1インチ)を表すため、同じ厚みのままサイズが大きくなっていくイメージです。
意味合いとしてはツーバイフォーも2×4も意味が変わらず、一定の規格を指していると予測されます。
どういった状況でその言葉が使われたかによって、工法なのか規格材を表すのかが変わるでしょう。
2×4工法と在来工法との違い
よく聞く2×4(ツーバイフォー)工法と在来工法は、一体何が違うのでしょうか。
ここではそれぞれの違いについて書き出し、両者の違いをまとめました。
2×4(ツーバイフォー)工法の特徴
2×4(ツーバイフォー)工法は、木造建築にて面から構造を考えていく工法です。
基本的には壁を4枚で構成し、天井と床2枚のパネルを使います。合計6枚のパネルで1室を作るため、スッキリとした空間になるのが特徴。
最初は1階の床から作り、次に壁を作っていく手順となっています。こうして1階を作り終えたら、2階を作っていく…といった流れです。
イメージもしやすく、専門技術も必要ありません。シンプルかつ建築しやすい利点があり、雨量が少ない北アメリカで広がった工法です。
ツーバイフォーだけではなく、ツーバイエイトやツーバイテンもあります。バリエーションがあるため、用途やレイアウトで変更できる点も魅力と言えるでしょう。
在来工法の特徴
在来工法は日本に古くから伝わっている工法で、「木造軸組工法」と呼ばれています。
2×4(ツーバイフォー)工法と比較し、建造物を面ではなく線で捉えるのが特徴です。つまり柱と梁を使い、建物を支える構造。
この工法ではコンクリートの基礎に柱を立て、柱に梁を組み合わせて骨組みを作るところから始まっていきます。
よく新築物件が立つところでは、家の骨組みがこのような形で作られているのを見かけることがあるでしょう。
1階から作っていく2×4(ツーバイフォー)工法と違い、大まかな形と屋根から出来上がる部分で見た目にも違いが表れます。
とくに雨量の多い日本では、資材を雨から守る意味でも適している工法です。
柱と梁が基本となっており、間取りやレイアウトも自由に設計できます。
両工法の違いについて
2×4(ツーバイフォー)工法と在来工法の違いは、そのまま正反対のように作られているのが特徴です。
具体的には下記の表へまとめましたので、参考にしてください。
2×4(ツーバイフォー)工法は規格化されている材料を使うため、制限があるもののシンプルな工法です。
反対に在来工法は技術が必要で、職人さんのレベルによって建物の出来が変動してしまいます。
とはいえ在来工法であれば自由度が高く、リフォームもしやすいのが特徴。一方で工期は長くなり、間取りを決める打ち合わせ時間が必要です。
2×4工法のメリットとデメリット
2×4(ツーバイフォー)工法は在来工法と比較されるほど、メリットもあればデメリットもある工法です。
その特徴を踏まえて選択すれば、非常に良い点を享受できるでしょう。
この項目では、2×4(ツーバイフォー)工法のメリットとデメリットについてまとめました。
2×4(ツーバイフォー)工法のメリット
2×4(ツーバイフォー)工法のメリットは、下記のようなものがあります。
- 耐震性・耐久性が高い
- 気密性と断熱性が高い
- 工期が在来工法よりも短い
- 家屋の出来が職人に左右されない
2×4(ツーバイフォー)工法は面で建物を支えるため、線で建物を支える在来工法よりも強度が高いです。
強風であっても耐久力があり、耐震性といったあらゆる障害に強い工法といえるでしょう。
また面構造をつなぎ合わせるので、気密性が高くなります。最近流行の気密性が高い住宅も作れて、冷暖房の効率もアップ。
断熱性も高く、少ないエネルギーで最適な室温に調整できます。
構造的にシンプルで規格化された材料を使う都合上、工期が短いのもポイント。打ち合わせにかかる時間も最小限です。
在来工法であれば職人の腕次第な部分が多いものの、2×4(ツーバイフォー)工法ならシステム化されているので品質が安定しています。
2×4(ツーバイフォー)工法のデメリット
2×4(ツーバイフォー)工法のデメリットは、下記のようなものがあります。
- 間取りやレイアウトは自由度が低め
- 大規模なリフォームは難しい
- 強度が下がるので開口部は大きく作れない
規格化された2×4(ツーバイフォー)工法のメリットは、逆に自由度が下がるデメリットも生みます。
とくに規格で作られるパネルを組み立てるため、一定の間取り・レイアウトになってしまうことは避けられません。
また線ではなく面で考える都合上、大規模なリフォームもしにくくなっています。壁で建物を支えているので、壁を抜くこと自体が難しいのです。
つまり強度が下がるため、同時に開口部も大きく作ることができません。広い窓や吹き抜けを作りたい方は、在来工法のほうが合っています。
その他の工法と特徴について
日本では木造建築といえば、在来工法か2×4(ツーバイフォー)工法が主流です。
しかしほかにもいくつか工法があり、それぞれ特徴があります。この項目では、それぞれの工法についてまとめました。
軽量鉄骨造
軽量鉄骨造は、名称にある通り「軽量鉄骨」を使う工法です。ただし構造としては在来工法と同じで、線で建物を支えます。
6mm未満の鉄柱や梁を中心としており、強度に優れているのがポイント。軽量鉄骨といえば、耐震性に優れているイメージが定着しています。
また使われる材料も、工業製品として大量生産が得意です。職人の腕に左右されず、強度のある素材が手に入るでしょう。
木材と違って強度もあるため、より大きな窓や空間が作れます。ただし大量生産された素材を使う都合上、設計時にやや自由度が低くなるのは難点。
鉄骨自体が熱伝導しやすいのもあって、室内の温度が外へ伝わりやすい点も押さえておくべきでしょう。
比較すると防音性も低く、鉄骨自体が錆びやすいのもデメリットです。
重量鉄骨造
重量鉄骨造は、6mm以上の鉄骨を使う工法です。軽量鉄骨造と比較して、より強度が高い建築物を作れます。
よくオフィスビルや、中高層のマンションにも使われることが多いです。強度が高いのでより大きな間口を作れますし、設計の自由度も高め。
屋上を有効利用したい要望にも、重量鉄骨造なら強度があるので十分に支えられます。
ただしデメリットは軽量鉄骨造と同じく、熱伝導しやすい点です。室温がすぐ外部へ逃げ、結露の発生が懸念されるでしょう。
また重量鉄骨を採用する都合上、基礎を強くしなければなりません。コストがかさんでしまうのはデメリットになります。
鉄筋コンクリート(RC)造
鉄筋コンクリート(RC)造は、鉄筋の骨組みをコンクリートで包み込む工法です。
高層ビルにも対応し、一戸建てにも使える用途の広さが特徴的。設計の自由度も、型枠ができていれば幅広く対応しています。
鉄筋とコンクリートのメリットを合わせ持っている工法で、耐震性が非常に高いです。
例えば鉄筋造だけであれば、鉄骨と同じく錆びに弱い特性があるでしょう。しかしコンクリートが外気や湿度から鉄筋を守り、錆びにくくなる状態を保ちます。
またコンクリートは火災にも強く、あらゆる点でメリットが多いものです。
ただしコンクリートが熱を通しやすい上に、熱を内側に溜め込んでしまう性質が難点。
冬は寒く、夏は熱い状態となるでしょう。断熱に関しては外も視野にいれなくてはなりません。
木質系プレハブ工法
木質系プレハブ工法は、基本的には面で支える2×4(ツーバイフォー)工法と似ています。
しかし扱う素材は工場で大量生産された、木質パネルを使う点に違いがあるでしょう。
木質パネルにはすでに断熱材や下地材が入っており、性能としては十分有利なパネルが揃います。
そしてすでにパネルが用意されているため、工期が圧倒的に短いのもポイント。職人さんの力量に左右されず、高い品質の住宅が手に入ります。
面で支える構造なので2×4(ツーバイフォー)工法と同じく、耐震性や遮音性、断熱性に優れている工法です。
修理やリフォームもしやすく、メリットが多い工法といえるでしょう。
コンクリート系プレハブ工法
コンクリート系プレハブ工法は、木質系プレハブ工法のコンクリート仕様です。
工場で鉄筋を含むコンクリートパネルを大量生産し、現地で組み合わせていく工法となっています。
鉄筋コンクリート造と違って、現場でのコンクリート流し込みがありません。悪天候によるコンクリートの品質劣化も、心配なく組み立ててもらえます。
耐震性や耐火性にも優れており、工期も短いのがポイント。ただし鉄筋コンクリート造と同じく、熱を通しやすい上に内部へ熱を溜め込む性質があります。
ユニット系プレハブ工法
ユニット系プレハブ工法は、部屋(ユニット)を工場で作ってしまう工法です。
現地での組み立てが最小限となるため、人的コストや工期が圧倒的に短くなります。また品質も安定しており、高品質な建物が手に入るでしょう。
ユニットはほとんど鉄骨で構成されることが多く、なんと工場内でキッチンやトイレと言った内部の設備まで作ることも。
鉄骨構造なので耐震性や耐火性に優れており、耐久力も問題ありません。
ただしユニットを運ぶスペースが必要なため、狭い住宅地では行えない場合もあります。
十分な広さを持つ土地と作業スペース、道路の確保が課題となるでしょう。
ログハウス
ログハウスは山荘にあるような家屋をイメージするかもしれませんが、近年では都市型ログハウスも見かけるようになりました。
日本だけではなく世界中で古くからある工法となっており、今でも採用されるのは相応のメリットがあるからだと推察されます。
ログハウスといっても、下記のように工法がいくつかある点に注目です。
- 丸太組工法
- ポストアンドビーム工法
- ピース・エン・ピース工法
丸太組工法は、従来からある丸太を組み上げていく工法です。
ポストアンドビーム工法は在来工法と似ており、柱と梁を丸太に変えたような工法となっています。
ピース・エン・ピース工法は、柱と柱の間に短く加工したログを使うもの。材料調達が容易というメリットがあります。
どの工法であっても、断熱性と調湿性に優れているのが特徴です。冬も夏も快適に過ごせるでしょう。
ただしメンテナンスが必要な点や、防火地域では建築が行えない点だけはデメリットとなります。
まとめ
今回はツーバイフォー工法のメリットやデメリット、在来工法との違いなどを中心に解説してきました。
ご自宅を建てる前に知っておきたい建築知識は、まだまだたくさんあります。
ぜひ、その他の記事も読んで参考にされてみて下さい。
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