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マキタの充電式インパクトレンチ TW302DとTW300Dの違いについて解説します

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皆さんは、マキタの充電式インパクトレンチTW302DとTW300Dの違いについてご存知でしょうか。

2023年8月にマキタより新たな充電式インパクトレンチシリーズとして「TW302D」が販売開始となっています。

そこで気になるのが、TW300Dとの違い。

同シリーズ内ではよく似ているスペックの「TW300D」があり、どちらを購入したらいいか迷われる方も多いハズです。

ということで今回は、マキタの充電式インパクトレンチTW302DとTW300Dの違いについて解説していきたいと思います。

これからマキタのインパクトレンチの購入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

TW302Dの特徴

TW302Dの特徴は、下記の4つです。

  • コンパクトボディに275N・m
  • sq9.5mmソケット仕様
  • 正逆転オートストップモード
  • ソケット抜け落ち防止 Cスプリング

TW302Dは全長138mmと、コンパクトで取り回しやすいモデルとなっています。しかしそのコンパクトボディに似合わず、275N・mというパワフルなトルクを実現。

まさに高性能インパクトレンチを欲している方におすすめなスペックと言えるでしょう。

一番の特徴はsq9.5mmソケット仕様になっている点。実はこのサイズ、マキタ初の角ドライブ採用です。自動車整備作業に最適なサイズとなっています。

搭載されている正逆転オートストップモードは、まさに自動車整備時の作業性を向上するモードです。

正転時は打撃開始直後、すぐに回転をストップさせたり、0.5もしくは1秒で停止させたりと緻密な制御が可能。

逆転時は打撃終了後に、即座停止と約0.2秒後に停止、もしくは停止せずゆっくり回転させるモードと種類が選べます。

連続仮締め、ナット脱落防止に最適な機能が標準で備わっているので効率的です。

また角ドライブ先端を見てみると、C型のスプリングがついています。このスプリングによりソケットを保持し、抜け落ちに強い使い勝手を実現しました。

何度も作業しているとソケットが抜け落ち、若干のストレスを受ける方も多かったはずです。そういった細かい点にも配慮がなされています。

TW300Dの特徴

TW300Dは、2020年3月に発売となったインパクトレンチです。基本的なスペックはTW302Dと同じですが、以下2点に違いが見られます。

  • 最大トルク
  • 角ドライブ形状
  • 振動3軸合成値

最大トルクはややTW302Dよりも大きい300N・mとなっています。基本的にDIY作業なら150〜180N・m、プロ用なら200N・mあれば十分です。

TW300Dはすでにプロ用水準を大きく上回るトルクを持っているため、どんな作業でもパワー不足を感じないでしょう。

角ドライブ形状も、幅広く扱いやすい12.7mmを採用。TW302Dの場合は8分の3インチである9.5mmなので、大きさに違いが見られます。

基本的に差し込み角の違いは耐久性・締め付け力の高さに直結するため、TW300Dはより幅広いシーンで活躍できる製品です。

またマキタでは、「振動3軸合成値」をスペック表に載せています。この値は振動工具で目安となる振動値です。

TW300Dは12.5m/s2を実現。TW302Dは15.4 m/s2と差があります。

TW302DとTW300Dのスペックの違い

ではTW302DとTW300Dのスペックは、どういった違いが見られるでしょうか。詳細を下記シートにまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 

TW300D

TW302D

角ドライブsq (mm)

12.7

9.5

締付け能力(mm)

普通ボルト:M10~M20

高力ボルト:M10~M16

普通ボルト:M10~M20

高力ボルト:M10~M16

最大締付けトルク(N・m)

300

275

回転数(min-1)[回転/分]

最速 0~3,200

強 0~2,600

中 0~1,800

弱 0~1,000

最速 0~3,200

強 0~2,600

中 0~1,800

弱 0~1,000

打撃数(min-1)[回/分]

最速 0~4,000

強 0~3,400

中 0~2,600

弱 0~1,800

最速 0~4,000

強 0~3,400

中 0~2,600

弱 0~1,800

振動3軸合成値(m/s2)

12.5

15.4

本機寸法(mm)

長さ144×幅81×高さ246

長さ138×幅81×高さ246

重量(kg)

1.8(バッテリー含む)

1.7(バッテリー含む)

発売日

2020年3月

2023年8月

標準小売価格(税別)

¥86,700

本体のみ¥27,900

本体のみ¥31,900

それぞれのスペックを照らし合わせてみると、あまりスペック面で大きな違いが見られません。

トルクがTW302Dはやや小さくなっているものの、回転数も打撃数も同一。機体寸法もほぼ一緒で、ほとんど同じスペックを有していると見て良いでしょう。

ただよりコンパクトでトルクがあり、細かい使い回しができる作業に特化したのがTW302Dといった見方になりそうです。

TW300Dはフルセットの購入が可能になっているものの、TW302Dは本体のみという展開も注意しておきましょう。

TW302DとTW300Dの機能の違い

機能面での違いも見ていきましょう。搭載されている機能は下記のとおりです。

 

TW300D

TW302D

正逆転オートストップモード

スイッチ全速モード

打撃力4段切替

ソケット抜け落ち防止Cスプリング

防滴・防じん「アプト」

機能面での違いは、ほぼ無いと見て良いでしょう。搭載されている機能に独自性のあるものはなく、共通しているものばかりといった印象です。

おそらくTW302Dの原型モデルは特注で卸していたものと見られ、一般市場向けにチューニングしたのではないかという見込みがあります。

特定の工場に特注仕様として卸していたが、車両関連ユーザーからの希望が多かったため今回一般にも開放した…という流れかもしれません。

そう考えると機能面での違いが見られず、需要面から価格が少し高めに設定されているのも頷けます。

TW302DとTW300Dの大きな違い

TW302DとTW300Dの大きな違いは、使用されている角ドライブの大きさです。

TW300Dに使われている角ドライブ12.7mmは一般的で、幅広い用途に向いていると言えるでしょう。

対してTW302Dに使われている9.5mmの場合、やや使われている作業、ひいては職種が絞られます。

角ドライブの形状が違えば用途も異なり、TW300DよりもTW302Dのほうが用途は狭くなるはずです。

具体的には角ドライブsq9.5mmだと車両整備に向いており、搭載されている機能も車両整備に適したものとなっています。

上記の理由から角ドライブの形状が大きな違いとなりつつ、適した職種を絞った特注モデルが原型ではないかと予測できるでしょう。

TW302DとTW300Dの機能面で見られる違い

TW302DとTW300Dの機能面で見られる違いは、ほとんどありません。ほぼ同じ機能を有しています。

なぜ機能面で差をつけなかったのか?というと、おそらく元々は角ドライブを変更した特注モデルがあったと予測できるからです。

当初はマキタもTW300Dのみ(角ドライブ12.7mm)での展開だったものの、一部の工場から9.5mmの要望もあったと見られます。

とはいえ一般開放するほどの需要が見込めず、特定の工場向けに角ドライブを変更した特注モデルが卸されていたかもしれません。

徐々にユーザーからの要望が見られたため、改めて一般向けに調整。機能面で違いを付けてユーザー離れを起こすリスクより、元々の要望どおり展開した。という流れです。

また基本的な機能はすでにTW300Dで完成されていたので、あえて追加の機能をつける理由はなかった。という見方もできます。

原型モデルが角ドライブを核とした特注モデルであるなら、自ずと機能面での違いが見られない展開になったという予測です。

TW302DとTW300Dのその他の違い

TW302DとTW300Dに見られるその他の違いとして、トルクと価格、本体サイズの違いが挙げられます。

トルクはTW302Dのほうが小さく、TW300Dの300N・mに対して275 N・mのトルク値です。

そもそもトルクはプロ用なら200 N・m以上あれば十分と言われており、実用使いではとくに大きな違いが見られないでしょう。

※おそらく角ドライブの大きさに合わせた調整かと思われます。

価格も角ドライブが小さくなったTW302Dのほうが高い設定です。

sq9.5mmのほうが安そうな印象はあるものの、普及サイズであるTW300D(12.7mm)のほうが需要面から価格が抑えられます。

また幅と高さが全くの同一で、長さのみTW302Dのほうが小さいです。こちらも使われている角ドライブの違いが大きいものと見られます。

TW302DとTW300D、どちらを購入するべき?

実際にTW302DとTW300D、どちらを購入するべきか迷われている方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの項目では、両機種の向いている作業とメリット・デメリットをまとめました。

TW302Dの向いている作業とメリット、デメリット

TW302Dは使われている差し込み角が9.5mmなので、用途がある程度限定されます。具体的には下記のとおりです。

  • 二輪車や軽量自動車のタイヤ脱着作業
  • エンジン分解、組立作業
  • フェンダーやバンパーの分解組み立て
  • 内装作業の組み立て

ほとんど車両整備に使われているサイズで、車両整備に使うならとても扱いやすいものと言えるでしょう。

角ドライブの大きさはそのまま強度に直結するため、より大きな力を必要とする分野では角ドライブも大きなものを使用しなくてはなりません。

その点では車両整備に特化しているものの、その作業以外にはやや向かない点がデメリットです。

TW300Dの向いている作業とメリット、デメリット

TW300Dは角ドライブがTW302Dよりも大きな12.7mmとなっており、足回りやタイヤ交換といったより大掛かりな作業に向いています。

また適合ボルトが変わってくるため、どんなボルトを締めたいかでも選ぶ必要があるでしょう。

※12.7mmならM6~M22のボルトが最適。9.5mmはM5~M14。

建築業界だとほぼ12.7mmが標準と言われるほど。より幅広い用途、大きなボルトの緩め・締め付けにはTW300Dを選んだほうが良いです。

また一般的なインパクトレンチは、ほとんど12.7mmの採用が基本となっています。

あえて9.5mmを選ぶ理由はないため、特別な事情がない限りはTW300Dを利用したほうが良いかもしれません。

まとめ

今回は、マキタの充電式インパクトレンチTW302DとTW300Dの違いについて解説していきました。

この他にも電動工具やDIYなどにまつわる知っておきたい知識は、まだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。