除雪機の家庭用モデルの選び方や業務用モデルとの違いについて解説します
目次
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除雪機の導入を検討してメーカーサイトを確認すると、様々な種類の製品が掲載されているため、どれを選んだら良いのか判断に迷うと思います。
具体的にはローダー式やロータリー式の違いだったり、電動式やエンジン式などの動力源の違いなどです。
ということで今回は、主に家庭用モデルの除雪機の選び方について解説していきたいと思います。
業務用モデルとの違いや除雪機の品名に記載してある英数字の意味になどについても解説していきたいと思いますので、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
家庭用除雪機と業務用除雪機、何が違うのか?
家庭用除雪機と業務用除雪機は、サイズや性能、価格といったさまざまな点で違いがあります。おもな違いは以下のとおりです。
- サイズと重量
- 除雪能力
- エンジン出力
- 価格帯
- 耐久性
- 操作性
- 用途
家庭用の除雪機は比較的小型・軽量で、狭い場所でも扱いやすいです。対して業務用は大型・重量級となっており、広範囲の除雪に適しています。
大きさから家庭用は一般的に除雪幅50〜70cm程度、除雪高30〜50cm程度が目安。業務用になると除雪幅80cm以上、除雪高60cm以上と高性能です。
エンジン出力も家庭用なら3〜7馬力程度の小型エンジン、業務用は10馬力以上の大型エンジンを搭載しています。
そのため価格が家庭用は20万〜50万円程度なのに対し、業務用はなんと100万円以上のものも珍しくありません。
耐久性も家庭用は一般家庭での使用頻度を想定した設計になっており、ハードに使う想定とは言えないでしょう。
業務用なら長時間・連続使用に耐える頑丈な設計で、長く使用しても問題ない耐久性を誇ります。
また家庭用は初心者でも扱いやすいかんたんな操作系です。業務用は複雑な機能を備えていて、熟練者向けの操作系となっています。
用途としては個人宅の玄関周りや駐車場、比較的小規模な除雪が家庭用。商業施設や公共施設といった、広範囲の除雪作業が業務用です。
家庭用除雪機は一般家庭のニーズに合わせて設計されており、扱いやすさと適度な性能のバランスが取れています。
一方で業務用除雪機は大規模な除雪作業を想定していて、高い性能と耐久性を実現。その分価格も高くなります。
除雪機の種類について
除雪機はおもに、ローダー式とロータリー式の2種類があります。
この種類の違いは除雪方法や適した環境が異なり、それぞれに特徴があるのを知っておく必要があるでしょう。
ローダー式
ローダー式除雪機は、フロント部分にブレードやバケットを装備しています。雪を押してどかす仕組みで、「ブレードタイプ」「ドーザータイプ」と呼ばれることも。
イメージとしてはブルドーザーのように、雪を前方に押し出しものを想像してみてください。
積雪量が少ない地域に適しており、駐車場や比較的広い場所での使用に向いています。
30cm程度までの積雪に対応可能で、湿った雪でもしっかりと押し出せるのが特徴です。
比較的小型で自走するため、操作性に優れています。小回りを優先するならローダー式が良いでしょう。
ただし積雪が深い場合や、踏み固められた雪には不向きです。30cm以上の積雪だと、除雪機自体の移動が困難になる場合があります。
まとめるとローダー式除雪機は、人力での雪かき作業をパワーアップしたバージョンと考えると良いでしょう。
一般家庭での使用や、降雪量が比較的少ない地域での除雪作業に適しています。
ロータリー式
ロータリー式除雪機は、オーガと呼ばれるらせん状の回転刃で雪を掻き取ります。インペラという回転翼(羽根車)で雪を吹き飛ばすものです。
よく雪を遠方に飛ばしている除雪機を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。シュートと呼ばれる煙突型の装置で、雪を飛ばす方向を調整します。
2ステージ方式(オーガで集雪→インペラで投雪)を採用しているのが特徴です。雪を掻き取り、空中に飛ばして除雪を行います。
ロータリー式は積雪量が多い地域に最適です。30cm以上の深い積雪にも対応可能。大量の雪を効率的に除去できます。(固まった雪や重い雪も◎)
ただし操作には熟練が必要で、7〜8本のレバーを操作しなくてはなりません。エンジン出力や運転速度の調整も必要です。
ロータリー式除雪機は、積雪量の多い地域や広い面積の除雪に適しています。高い除雪能力を持つ一方で、操作には慣れが必要です。
またオーガに雪が詰まるトラブルを防ぐため、シューター内部にシリコンや防水スプレーを定期的に塗布するメンテナンスを行わなくてはなりません。
押す除雪機(ローダー式)と飛ばす除雪機(ロータリー式)の違い
ローダー式とロータリー式の除雪機は、除雪方法や適した環境が大きく異なります。それぞれの特徴を表にまとめましたので、比較してみましょう。
|
ローダー式 |
ロータリー式 |
除雪方法 |
ブレードを使って雪を押し集めながら除雪 |
回転するオーガで雪を削り取り、インペラで吹き飛ばして除雪 |
適した積雪量 |
30cm程度までの比較的少ない積雪 |
30cm以上の深い積雪にも対応可 |
使用環境 |
降雪量が少ない地域 |
豪雪地帯や積雪量が多い地域 |
サイズと重量 |
比較的小型で軽量 |
大型で重量級 |
価格帯 |
安価 |
高価 |
メンテナンス |
構造がシンプルなため、比較的メンテナンスが容易 |
オーガやシューターの雪詰まり対策と、定期的なメンテナンスが必要 |
選択の際は自宅の積雪状況や除雪範囲、操作の難易度を考慮し、適切なタイプを選ぶことが重要です。
ローダー式は軽量で扱いやすく、少ない積雪に適していますが、深い雪には不向きです。
一方でロータリー式は深い雪にも対応できるものの、操作にはやや慣れが必要です。自分の環境と用途に合わせて、最適な除雪機を選びましょう。
家庭用除雪機の選び方
家庭用除雪機を選ぶ際は、自宅の環境や除雪ニーズに合わせて適切な機種を選択しましょう。
動力源やサイズ、除雪方式とさまざまな要素を考慮しなくてはなりません。
この項目では選び方のポイントを特徴ごとに詳しく解説していきます。自分に最適な除雪機を見つけるための指針としてください。
動力源
家庭用除雪機の動力源はおもに3種類です。
- エンジン式
- 電動式(コード式)
- バッテリー式(コードレス電動)
エンジン式はパワフルで除雪能力が高く、長時間の連続作業が可能です。ただしガソリンの補給が必要となります。
広い面積や深い積雪の除雪で、長時間の作業が必要な場合ならエンジン式がおすすめです。
電動式(コード式)は排気ガスがなく、環境に優しい動力源。コンセントに繋いで使用するため、行動範囲に制限がある点は押さえておきましょう。
小規模な除雪作業や、騒音を抑えたい場合に選ぶのがおすすめです。
バッテリー式(コードレス電動)も排気ガスがなく、環境に優しい方式となっています。コードレスなので取り回しが良い一方、稼働時間は長くありません。
小〜中規模の除雪作業で、機動性を重視する場合に選ぶと良いでしょう。
サイズ
家庭用除雪機のサイズ選びは、除雪する面積や積雪量、保管スペースを考慮して決めてください。
■除雪幅の目安
- 狭い場所(駐車場3台分まで):50cm未満
- 広い場所(駐車場4台分以上):50cm以上
一般的な家庭用としては、50〜70cm程度が目安です。
■除雪高
- 一般的な家庭用:30〜50cm程度
- 積雪量が多い地域:50cm以上の除雪高に対応した機種を選ぶ
■機体サイズ
- 小型:取り回しが良く、狭い場所での作業に適している
- 大型:除雪能力は高いが、保管スペースが必要
選び方のポイントとしては、まず除雪する場所の広さを確認しましょう。地域の平均的な積雪量を考慮し、保管場所のスペースを確認してください。
操作のしやすさを考えるなら、小型の方が扱いやすいです。
除雪方式
家庭用除雪機の除雪方式はおもに2種類あり、それぞれに特徴があります。用途や環境に応じて適切なものを選びましょう。
|
ロータリー式(オーガ式) |
ブレード式(ローダー式) |
特徴 |
雪を掻き込んで飛ばす方式 |
雪を押して寄せる方式 |
除雪能力 |
広範囲の除雪に最適 |
狭い場所での除雪作業 |
使用環境 |
豪雪地帯での使用 |
積雪量が少ない〜中程度の地域での使用 |
ロータリー式は除雪能力が高い反面、操作にやや慣れが必要です。ブレード式は使いやすいですが、深い積雪や固まった雪への対応力はロータリー式に劣ります。
家庭用としてはブレード式の方が扱いやすく、十分な性能を発揮することが多いです。
走行方式
除雪機の走行方式は、手押し式と自走式の2種類ありがあります。
手押し式は人力で押して進める方式で、比較的軽量でコンパクトです。操作がかんたんで初心者でも扱いやすくなっています。
小規模な除雪作業や平坦な場所での使用に向いており、予算を抑えたい場合にも適している方式です。
自走式はエンジンやモーターの力で自動的に進む方式となっていて、パワフルで効率的な除雪が行えます。
広範囲の除雪作業や傾斜のある場所での使用、体力的な負担を軽減したい場合なら自走式を選ぶと良いでしょう。
自走式は便利ですが、巻き込み事故のリスクがあるので周囲の安全確認が重要です。
手押し式は軽量な一方で、大量の雪や固まった雪の除雪には不向きな場合があります。
駆動部の方式
除雪機の駆動部の方式によって、対応できる雪質が異なります。おもな駆動部の方式と対応する雪質は以下のとおりです。
|
クローラー式(無限軌道式) |
ホイール式 |
ハイブリッド式 |
対応雪質 |
深い積雪 重たいしまり雪 固まった雪 |
軽い新雪 比較的浅い積雪 |
軽い新雪 少量の積雪 様々な雪質に対応可能 |
特徴 |
接地面積が大きく、雪上での安定性が高い 滑りにくく、傾斜地でも使用可能 |
平地での操作性が良い クローラー式に比べて軽量 |
ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせた方式 エンジン式のパワーと電動式の扱いやすさを兼ね備える |
クローラー式は安定性が高く、様々な雪質に対応できますが、重量が重くなりやすいです。
ホイール式は軽量で扱いやすい分、深い積雪や固まった雪への対応力はクローラー式に劣ります。
ハイブリッド式は多様な雪質に対応できるものの、価格が高くなりやすいです。
降雪量
降雪量は除雪機を選ぶ上で、非常に重要な要素です。
地域によって積雪の状況が大きく異なるため、居住地域の平均的な降雪量に合わせて適切な除雪機を選びましょう。
少雪地域(年間積雪量30cm未満)の場合、おすすめは小型の手押し式やブレード式除雪機です。軽量で扱いやすく、価格が比較的安くなっています。
中雪地域(年間積雪量30cm~100cm)のおすすめは、中型のロータリー式除雪機です。下記の2点に対応しています。
- 除雪幅50~70cm程度
- 除雪高30~50cm程度
多雪地域(年間積雪量100cm以上)は、大型のロータリー式除雪機を選びましょう。除雪幅70cm以上、除雪高50cm以上に対応しています。
また降雪量が少ない地域でも、稀に大雪が降ることもあるはずです。そのような場合に備えて、やや余裕のある性能の除雪機を選んでおくと安心できます。
多雪地域は除雪能力だけではなく、耐久性も重要な選択基準です。
除雪機の品名の英数字の意味について
国内メーカーの除雪機の品名や型式には、その機種の主要な性能を示す英数字が使われています。
この英数字はおもに「馬力」と「除雪幅」を表しており、製品の基本的な能力を一目で把握可能です。
基本的な構成は上二桁が馬力(エンジン出力)で、下二桁が除雪幅。例えば「SX2411」という型式の場合、24馬力のエンジンを搭載し、除雪幅が110cmといった感じです。
メーカーによって若干の違いがあるものの、基本的な考え方は同じになっています。
|
ヤマハ |
ホンダ |
ワドー |
機種名 |
YS860 |
HSM1380i |
SXC1070H |
馬力 |
8馬力クラス |
13馬力クラス |
10馬力 |
除雪幅 |
60cm |
80cm |
71cm |
馬力数は厳密な数値ではなく、おおよその目安となっている場合があります。
除雪幅も実際の数値と若干異なる場合があるでしょう。例として、70と表記されていても実際は71cmといった具合です。
またメーカーによっては、追加の英字や数字で特殊機能や仕様の違いを表現している場合があります。
このような命名規則を理解すれば、除雪機の基本的な性能を品名から素早く把握できるでしょう。
詳細な仕様や特殊機能については、カタログや製品説明を確認するのが確実です。
家庭用ならエンジン式と電動式、どちらがおすすめ?
家庭用除雪機を選ぶ際、初心者の方にとってはエンジン式と電動式のどちらを選ぶべきか悩むところですよね。
総合的に見て初心者の方には電動式、とくに充電式の除雪機をおすすめします。その理由を詳しく紹介しましょう。
まず使いやすさです。電動式はボタン一つで始動でき、エンジン始動時の操作に比べて難しくありません。
エンジン式は始動に慣れが必要で、初心者には扱いづらい場合があります。
また電動式は燃料補給や定期的なエンジンメンテナンスが不要で、保管も簡単です。エンジン式は混合燃料の準備や、定期的なメンテナンスを行わなくてはなりません。
電動式は静かで排気ガスもなく、住宅地での使用に適しています。エンジン式は騒音が大きく、使用場所や時間に制限がかかってしまうケースも多いでしょう。
電動式、とくに充電式は比較的軽量で、取り回しが容易です。
ただ初期投資は電動式の方が高い傾向にあります。長期的には燃料費やメンテナンス費用が不要なため、トータルコストで見ると電動式のほうが経済的な場合も。
作業時間がバッテリー容量に依存(通常30分〜1時間程度)するものの、初心者向けであれば作業範囲は広くない想定です。
結論として一般的な家庭用途であれば、使いやすさやメンテナンスの簡便さ・静音性から、充電式の除雪機をおすすめします。
ただし積雪量が多い地域や広範囲の除雪が必要な場合は、エンジン式も検討する必要があるでしょう。
購入前に自宅の環境や除雪ニーズをよく考慮し、適切な機種を選択することが何よりも重要です。
まとめ
今回は、家庭用モデルの除雪機の選び方などの情報について解説していました。
この他にも、DIYや電動工具にまつわる知っておきたい知識は、まだまだあります。
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