ビス止めとネジ止めの違いは?ビスやネジの種類や用途も解説します
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皆さんは「ビス止め」や「ネジ止め」という言葉をご存知でしょうか。
工具関連の知識がなくても、この言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、意外とビスとネジの違いや「ビス止め」や「ネジ止め」の違いを理解している方は多くはないようです。
ということで今回は、「ビス止め・ネジ止めの違い」から、ネジやビスの種類、用途の違いなどを中心に解説していきます。
ぜひ、参考にされてみて下さい。
ビスとは?
皆さんは、そもそもビスについてご存知ですか。ビスは部材をくっつけるときに使われる、ネジの中でも小さいものをいいます、直径がおおよそ1mmから8mmほどのものをビスと呼んでいます。
ものによっては先端が尖っていたり、尖っていなかったりと様々な形状の種類が存在します。
一般的にはそのまま部材へ打ち込めるネジがビスと呼ばれているようです。ですので、ビスとネジは、その線引きに明確な区別がありません。
ビス止めとは?
ビス止めとは、ビスと呼ばれるネジを使って部材同士をくっつける作業のことをいいます。
種類や用途によって適したビスが違うため、作業内容が大きく変わります。
またビスも明確な決まりで定められたものではなく、状況次第ではネジを指してビス止めと呼ぶこともあるでしょう。
ただ一般的には小型のネジで、雌ネジを使わず直接打ち込んでいくスタイルを総称する場合が多いです。
ビスの種類と用途について
ビスは釘やネジなどと同じく、部材同士をくっつける際にしようします。とはいえ、一般的にはネジよりも小さな径のものをビスと呼ぶことが多いとされています。
ですので、ビスの主な用途としては、大きな部材同士の接合に利用するのではなく、比較的小さな部材同士をくっつける際に利用されます。
ここまでビスとネジの大まかな違いについて解説してきました。
ビスは小さなネジの総称だとお伝えしましたが、ビスと呼ばれるものの中にも、様々な種類が存在します。
次に、それぞれの特徴などを解説していきます。
ボードビス
ボードビスは、石膏ボード専用のビスのことを指します。
石膏ボード取り付けに最適化されたビスで、ネジ頭部が錆びにくい処理がされています。その他にも、パテが塗りやすいように、ネジ山に凹凸処理がされているものも多いです。
スリムビス
スリムビスは、コーススレッドをさらに細くしたような見た目をしています。主に、打ち込むと木割れしやすいような部材をくっつける際に利用されます。
端打ちにも適していたり、硬木用に適したスリムビスも存在しますので、何かと使い勝手が良いビスのひとつです。
硬木用ビス
ウッドデッキや硬木に適したビスは、硬木用ビスと呼ばれているものです。コーススレッドをベースにし、硬木に適した設計がされています。
また用途から屋外で使うことが多く、耐食性に強い処理や素材を使うことが多いです。
コンパネ用ビス
コンパネビスは、コンパネの取り付けに特化したビスで、別名木ビスと呼ばれることもあります。
ネジ頭にリブが掘られているため、木材を締め付ける際に頭がめり込む仕組みになっています。
頭浮き解消や毛羽立ちを防ぎます。床鳴りをする場所でも最適です。
軽天ビス
軽天ビスは軽天作業に適したビスで、ネジ山が二重に切られた「二条ネジ」を採用しています。
この軽天とは、軽量鉄骨製の天井下地です。薄い鉄板製のため、しっかりと締付けができるよう作られています。
コンクリートビス
コンクリートビスはコンクリートにビスを打ち込む際、最適化されたビスのことをいいます。
実はネジ山を見ると、高さの違うネジ山が交互に切られていて、高さのあるネジ山でしっかりと雌ネジを作り、高さの低いネジ山がコンクリートを締め付ける仕組みになっています。
主な利用シーンとしては、コンクリートに直接看板を取り付けたり、配管を取り付けたりする際に使用されます。
ただし、一般的にはいきなりコンクリートへ打ち込むと大変なので、下穴を開けることが多いです。
鉄鋼用ビス(ドリルビス)
鉄鋼用ビスは、鉄板に適した構造を持つビスです。
先端がドリルの構造となっており、下穴を開けなくても直接ドリルのように食い込んでいきます。ドリルビスとも呼ばれ、電動ドライバーがあれば金属板にそのまま加工ができる優れものです。
垂木用ビス
垂木用ビスは軒桁の垂木止めに適したビスです。ひねり金物を使わず、このビス一本で垂木止めが行えます。
施工性が高いので、高所作業時の負担を大きく削減してくれるビスです。
波板用ビス
波板用ビスは、波板を固定する際に使うビスです。見た目はネジに傘がついたようなもので、この傘が雨水からの侵食を防いでくれます。
波板の形状にフィットするため、高い作業性と耐久性を実現。パッキンも付属しています。
次にネジについて解説していきます。
ネジとは?
ネジは、ビスよりも大きなカテゴリを指して使われます。
具体的には円筒・もしくは円錐形で、螺旋状の溝が掘られているものをネジと呼ぶことが多いです。
ただしネジには雄ネジと雌ネジがあり、見分け方は注意をしなくてはなりません。
雄ネジは外側にネジ山が掘られています。雌ネジは内側にネジ山が掘られており、組み合わせて使われることが多いです。
例えばネジの中でも、ドライバーを使って締め付ける直径1~8mmのものはビス。8mm以上でナットを使うものはボルトといった区別がされます。
ネジの種類と用途
ネジは部材同士を締め付ける際に使われるものの総称で、その種類は多岐にわたります。
しかし中でも「ネジ」と名称が付くものは限られており、区別をする意味でも下記項目でまとめました。
皿小ネジ
皿小ネジは名前に皿が付く通り、お皿がついたようなネジ頭になっています。
ネジを締め切った際に頭が出ないため、引っ掛かりを出したくない場所で使用されることが多いです。
ただし事前にザグリ加工を施す必要があります。座面の円錐形に合わせた加工で、締結時にピッタリと頭が出ないようにする加工です。
この加工が行われていないと、頭が出てしまって引っかかりが出てしまいます。
丸皿小ネジ
丸皿小ネジは、皿小ネジの頭に若干膨らみを持たせた形状です。
皿小ネジよりも膨らみがあるものの、ある程度頭が出ないように均一化することはできます。
しかし表面で何かを滑らせた際、ドライバーの溝に引っかかることがある点は注意が必要です。
あまり平らにさせたくないけど、鍋小ネジほど出っ張りが欲しくない場合は最適な選択と言えるでしょう。
鍋小ネジ
鍋小ネジはもっともよく使われるネジで、皿ではなく鍋のような頭になっています。
頭の厚みが皿ネジよりもあるため、ドライバーとよく噛み合う構造です。
定められた用途がない一方で、万能性から広く使われています。ただしサイズが12mmまでとなっており、小さな部品によく使われることが多いです。
トラス小ネジ
トラス小ネジは、頭が丸く平らな形状になっています。丸みがあるものの、ほかのネジと比べて外径が大きいネジです。
外径が大きいので接地面積が大きくなり、緩みにくいネジとなっています。
あまり緩ませたくない箇所や、見た目の美しさから飾りネジとして使われることが多いです。
バインド小ネジ
バインド小ネジは台形と上面の丸みがあるネジで、トラス小ネジと同じく外径が少し大きめに作られています。
とはいえトラス小ネジよりも径が小さく、鍋小ネジよりも大きいといった特徴です。
トラス小ネジでは外径が大きすぎる際に使われたり、緩みを防止したいときに使われたりします。
ザグリ加工が必要ないので、どんな場所でも使えるのが強みです。素材に合わせて装飾を施すこともあります。
タッピングネジ
タッピングネジは先端が尖っており、ネジのみでネジ立てできるものを指します。
一般的にネジを差し込む場所は、タップ加工を行いネジ切りしなくてはなりません。
しかしタッピングネジなら、そのままネジ切りが出来るので効率的です。
木材のほか、鉄工や電気部品にも使われることもあります。頭の種類は鍋や皿、トラスから丸皿と種類が多いです。
六角タッピングネジ
六角タッピングネジは、ネジの頭が六角になっています。ドライバーよりも大きな力で締付けることが可能です。
またタッピングなので先端が尖っており、受けがなくてもそのままネジ立てが行えます。
比較的大きな力を必要とする場面で使われることが多いです。
木ネジ
木ネジは木材によく使われるネジで、木工から建築と幅広く使われています。
先端が尖っているため、タッピングネジのようにネジ立てをしながら木材へ食い込んでいくネジです。
頭の形状が丸や皿、丸皿と種類が多くあります。
止めネジ
止めネジは頭の先端がなく、ネジ山だけがあるような形状です。
用途としてはネジ先端を部材に押し付け、固定を行うためのネジとして使われています。
ネジ先によって下記のような種類があることも特徴です。
くぼみ先
トガリ先
丸先
棒先
ダブルポイント
ギザ先
ほかにも頭が六角穴だったり、マイナスだったりと種類があります。
座金組込ネジ
座金組込ネジは、ネジ本体に座金が組み込まれているものです。座金はワッシャーのようなもので、予めネジに組み込まれているので作業がしやすくなっています。
ワッシャーの場合はネジ山から落ちるものの、座金組込ネジはネジ山を転造する前に組み込む作り方です。
座金の組み込み忘れもなく、落ちる心配もありません。頭は鍋、皿、トラスや丸皿と種類が多くあります。
ネジ止めとは?
ネジ止めとは、ネジを使って部材同士を締め付ける作業のことを指します。
ネジは様々なビスやネジの総称であり、ネジ止めは上記のように「ネジ」が付くものを使用して締付けを行う作業のことをネジ止めと呼ぶことが多いです。
ネジ止めには雌ネジの存在が必要不可欠で、ネジ締め時はビスよりも強い力で締付け作業を行うことができます。
ただし、タッピングネジを使えば、雌ネジを立てる必要がありません。
ネジのみで直接ビスのように使えます。
ビス止めとネジ止めの違い
ビス止めとネジ止めの大きな違いは、下記のような点です。
- ビス止めは直接打ち込めて小径
- ネジ止めは雌ネジが必要でやや大径
多くの場合、ビス止めは細くそのまま打ち込んで締結するタイプが多いです。
また作業によって大きく形状や素材も変わり、用途に合わせた特化型が多い印象となっています。
対してネジ止めの場合は先端が尖っておらず、直接打ち込んでいく作業には向いていません。(ただしタッピングネジを使用すれば、ネジのみで直接打ち込みが可能)
ビスよりも太いものが多く、あまり用途によって形状が大きく変わることはありません。
例えば広く使われる箇所に鍋小ネジを使い、ザグリ加工を施せば頭が出ないように皿小ネジを使える。といったイメージです。
幅広い箇所に使えるのがネジ止めで、限られた用途に特化したのがビス。
より動きやすく、作業性が高いのはビスで、割と定まった作業に使えるのがネジといった印象で捉えると良いかもしれません。
ただしあくまで本記事の内容はすべての状況に当てはまるわけではなく、状況次第で全く別のことも起こりえます。
参考程度に捉え、詳しい使い分けは現場に合わせた最適なネジ・ビスを選択するのが良いでしょう。
まとめ
今回は、「ビス止め・ネジ止めの違い」から、ネジやビスの種類、用途の違いなどを中心に解説してきました。
ネジやビスをはじめとする工具知識は、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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