レシプロソーとセーバーソーとジグソーの違いについて解説します
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皆さんは、レシプロソーとセーバーソー、ジグソーの違いについてご存知でしょうか。
はじめて工具に触れ合う方にとっては、名前を聞いただけではパッと違いについて分かりづらいと思います。
ということで今回は、この3つの工具の違いについて焦点をあてて解説していきたいと思います。
レシプロソーとは?用途について
レシプロソーとは細長いブレードを往復させ、様々な材料を切断する電動工具のことです。
パイプや鉄管、木材といった柱状の部材の切断が主な用途となります。レシプロソーはキックバックや巻き込みなどの危険性が低いため、比較的安全に作業できるのが特徴です。
正確さが重要となる作業では丸ノコやジグソーといった切断工具が適していますが、解体作業や、樹木・竹などの剪定といった場面ではレシプロソーが力を発揮します。
レシプロソーには細長くコンパクトなタイプも販売されているため、狭い場所での作業にも対応可能です。
またレシプロソーは手軽さと安全性を兼ね備えた汎用性の高い電動工具なので、一般のご家庭での利用から本格的な解体作業などの現場といった幅広いフィールドで活躍しています。
レシプロソーは替刃を交換することで様々な部材を切断することができ、替刃の取付け構造がメーカーによらずほとんどのモデルで共通となっています。
そのため替刃の互換性が高いのも特徴でランニングコストに優れているというメリットもあるのです。
セーバーソーとは?用途について
セーバーソーはレシプロソーと基本的には同じで、レシプロソーとセーバーソーの違いは、メーカーによる名前の違いだけです。
基本的には同じ電動工具を表しています。レシプロソーとセーバーソーを取り扱うメーカーは多く存在します。
マキタやパナソニックなどはレシプロソーと表記し、ハイコーキやボッシュなどはセーバーソーと表記しているのが特徴です。用途は同じなので、自分に合ったモノを選んでみるといいでしょう。
ジグソーとは?用途について
ジグソーとは電動のこぎりの一種で、ブレードの往復運動によって切断を行う電動工具です。DIYでは定番の電動工具で木材を切断する工具と言えば、ジグソーは外せません。
ベースによって安定した押さえつけができて、ブレードによって快適な木材切断ができるので、インパクトドライバーと一緒に購入すれば自由自在にDIYができるようになります。
曲線切断や窓抜きなど丸のこが苦手とする切断作業を行うことができます。ブレードを変えれば金属やプラスチックの切断にも対応する万能工具です。
安全面も優れているので、初めてDIYを行う初心者の方におすすめの工具といえるでしょう。
レシプロソーとセーバーソーの違いや用途について
レシプロソーとセーバーソー、メーカーによって呼び方が違いますが、どちらも同じ電動工具のことを表しています。
マキタとパナソニックはレシプロソー、HiKOKIやボッシュはセーバーソーとカタログ表記されています。レシプロソーは「Reciprocating(往復式の)」という英語から由来しています。
国内ではセーバーソーと表記する日立工機・ボッシュも、海外では「Reciprocating Saw(往復式ノコギリ)」とカタログ表記をしています
世界的にはレシプロソーという呼び方が主流なのです。HiKOKIやボッシュがなぜ「セーバーソー」を採用したのかその真意は分かりませんが、最近はマキタ人気の高まりにつれてレシプロソーと言う方が増えています。
ちなみにセーバーソーは「saber(サーベル)」という英語に由来しています。西洋では、馬に乗って戦うときに使われる平らな剣をサーベルと呼びます。
違いはなく、名称だけ異なると覚えておくといいかもしれません。
レシプロソー(セーバーソー)とジグソーの違いについて
ジグソーはレシプロソーと同じように細い刃の付いた電気のこぎりです。
板状の部材に底面のベースプレートをしっかり当てて切っていくので、安定してカットできて切り口がきれいなのが特徴といえます。
曲線や切り抜きも得意でDIYなどで良く使われますが、レシプロソーは、シューと呼ばれる刃の根元の部分を部材に当ててカットします。
接地面が少なく刃が動くので切り口は粗目ですが、コンパクトで持って作業するのが楽です。切る物の形状に関わらずカットができて、ジグソーでは難しいような狭いところに刃を入れることもできます。
レシプロソーは替刃を取り替えることで様々な材料を切断できます。
替刃を交換すると木材だけでなく、ステンレスやアルミなどをカットすることが可能です。
レシプロソーブレードなどと呼ばれることもある替刃は、消耗品で価格は用途によって500円から購入ができます。
ジグソーの刃を取り付けられるものも多いので、ジグソーを持っている方は同じ刃が取り付けできるレシプロソーを購入すると便利です。
レシプロソー(セーバーソー)とジグソーの使い分けについて
DIY用途であれば曲線が多いならジグソーがおすすめで、大まかなカットで精度を求めないのならレシプロソーが安全かつ扱いやすさがあります。
どの工具も守備範囲に違いがあるため、理想はすべて持っていることです。直線を正確にカットしたいときは丸ノコを使えば、ガンガン作業ができます。
曲線やくり抜きしたい作業が出てきたら、ジグソーに持ち替えて作業をすると効率的です。
大きな木材があり大まかにカットしたい場合、粗大ごみが出て細かく切り分けたい場合はレシプロソーを使用すると良いでしょう。
このように状況ごとで得意な作業がまるで違うので、できれば複数の使い分けが理想的です。どうしても一台でまかない、出費は最小限に抑えたい場合、休日DIYのみなので使用頻度が少なく保管スペースが限られている場合は、1台ですべてをまかなえるジグソーがおすすめです。
ジグソーは曲線や直線に対応でき、くり抜き作業もできます。あまり大きくなければ、粗大ゴミのカットも可能ですし、刃を付け替えれば木材・金属ともに対応できます。
用途や作業範囲、出費といった項目をバランス良く見て、自分に最適な工具を選びましょう。
レシプロソー(セーバーソー)の選び方や注意点について
次にレシプロソーの選び方や注意点について解説していきます。
本体の選び方
レシプロソーを選ぶ場合、「動力源」、「切断能力」の2点が重要になります。どこで使うのか、何を切るのかという目的に沿って適したレシプロソーを選ぶようにしましょう。
動力源
レシプロソーは、充電式とコード式の2つに分けられています。充電式レシプロソーはバッテリーを使用するので、電源の有無を問わず、取り回しがしやすいのが特徴です。
バッテリーと充電器が必要になるため導入コストが高くなる傾向がありますが、狭い場所での作業でも使われることが多いレシプロソーとは相性がよく、主流となっています。
コード式レシプロソーは機動性という面では充電式レシプロソーに劣りますが、電力供給の安定性では上回るため連続作業やパワーの必要な場面で活躍します。
またバッテリーや充電器が不要なので充電式レシプロソーよりも安価で購入することができるのです。
切断能力
切断能力とは、その機種がどれくらいのものを切断することができるかの目安となる数値で、各機種ごとに記載されています。
上記の「パイプ130mm、木材255mm」は「パイプは130mmの太さ、木材は255mmの太さ」というように対応する太さを示しています。
長い替刃を使えば切断できる太さを大きくすることは可能ですが、本体への負荷の上昇などの面から記載されている最大切断能力や最大切断径は守るようにしてください。
30mmの手軽なものから200mm以上のパワフルなものまであります。中でも、人気が高いのは130mmのレシプロソーで、各メーカーから様々なものが発売されており、ラインナップが豊富です。
動力源と切断能力はご自身の用途によってある程度決まってくるので、用途を明確にすることがレシプロソー選びで重要になります。
替え刃の選び方
レシプロソーの替刃は各メーカー(マキタ・HiKOKI・ボッシュ・リョービ他)共通の規格となっているため、レシプロソー本体のメーカーと替刃のメーカーが違う場合も取り付けが可能です。
切断する材料で選ぶ
鋼材、ステンレス、ALC、木、スパイラルダクト、鋳鉄などが対象材料となります。
山数(刃数)で選ぶ
刃数が多いほど、切断面がキレイになりますが、切断スピードは落ちます。反対に刃数が少ないほど、切断スピードは速くなりますが、切断面は粗くなります。
長さで選ぶ
各メーカー150mm〜300mm程度でラインナップをそろえています。長い方が切断面が広くなりますが、本体に伝わるブレも大きくなるためしっかりと本体を抑える必要があります。短いブレードの方が作業はしやすくなります。
厚さで選ぶ
薄い方が切削屑も少なく仕上がりも綺麗ですが、堅く厚い材料を切断する際は、ブレードも厚い刃が必要です。
ジグソーの選び方や注意点について
次にジグソーの選び方や注意点について解説していきます。
電源方式
ジグソーだけではないですが、ジグソーもその他の電動工具と同様に、電源方式の違いに注意する必要があります。
コード式
ジグソーの電源方式は、コンセントから電源を供給する「コード式」と、充電したバッテリーにより動作する「バッテリー式」の2種類があります。
コード式のメリットは電池の残量を気にせず作業ができることです。コードがある分、取り回しのしやすさはバッテリー式に劣りますが、パワーが安定し、高い切断能力が期待できます。
価格が比較的安価なのも特徴です。
バッテリー式
バッテリー式はコンセントに接続する必要がなく、充電できていれば、場所を選ばずに作業できるのがポイントです。
ジグソーは、直線や曲線といったさまざまな向きに切断するため、バッテリー式の方が操作性に優れています。
バッテリーの残量が少なくなるとパワーが落ちる場合があるので、残量に注意して扱いましょう。
バッテリー式の電圧は、主に10.8V・14.4V・18V・36Vなどのモデルをラインナップがあります。本体の重量は増えますが、電圧の高いモノほどパワーがあるのが特徴です。
用途に応じて、パワーと重量のバランスが取れたモデルを選ぶようにしましょう。
切断できる厚さ
ジグソーは、モデルにより切断能力が異なります。例えば「木材65mm、軟鋼材6mm」と仕様欄に記述されている場合、数値内での切断が可能です。
ジグソーの導入後にトラブルが起きないよう、あらかじめ切断する予定の材料の寸法を確認しておきましょう。本体に搭載されたベースの角度を変更し、傾斜をつけて切断できるモデルもあります。
斜めに切断する場合は材料の厚みが増す場合もあるため、切断能力に余裕のあるモデルを選ぶのがおすすめです。
ストローク数
ジグソーの「ストローク数」とは、ブレードが1分間にどれだけ上下するかの回数のことです。例えばストローク数が1500min-1と記述されていれば、ブレードが1分間に1500回上下します。
この数値が大きければ大きいほど、スムーズに切断することが可能です。ブレードが上下する幅を示す「ストローク幅」もチェックしておきましょう。
ストローク幅も数値が大きいほど切断できる量が多くなり、スムーズに切断できるようになります。
ブレードの交換方式をチェック
ブレード(刃)の交換は、工具を必要とするモデルと、工具なしでも交換できるモデルがあります。
ブレードは切断する材料に合わせて交換する必要があるほか、切れ味が落ちたときにも交換しなければなりません。
付け替える手間を省きたい方は、なるべく工具なしでも交換できるモデルを選ぶのがおすすめです。工具が必要なモデルは、主に六角棒スパナを用いてネジを緩め、ブレードを脱着します。
本体に六角棒スパナを搭載しているモデルもありますが、別途工具を用意しなければならない場合は手間がかかるものです。
一方で工具なしでも交換できるモデルはレバー操作だけでブレードを着脱できるので、手間がかかりません。
各種機能をチェック
ジグソーにはグレードやメーカーごとに搭載されている機能に差があります。ここでは、代表的な機能についての紹介と機能の特徴について解説していきます。
オービタル機能
「オービタル機能」とは、ブレードが従来の動きである上下運動に加えて、前後に振り子運動する機能のことです。
ブレードの動きを側面から見たとき楕円形に見える動き方をし、オービタル機能をオンにすれば切断スピードが向上します。
作業にかかる時間を大きく短縮が可能となります。オービタル機能を使うと、切断面が荒くなる点に注意が必要です。
切断面が荒くなるとバリも出やすくなるので、切断面をキレイにしたい場合はオービタル機能を控えましょう。
モデルによっては、オービタル機能の動作レベルを細かく調節できます。
スピード調節機能
「スピード調節機能」とは主に本体にあるダイヤルを操作して、ストローク数を調節できる機能のことを指します。
トリガーの押し具合でスピードを調節するモデルの場合、慣れていないと加減が難しいものです。
しかしスピード調節機能があれば、あらかじめ好みのストローク数に設定可能になります。トリガーの押し具合を気にする必要なく、本体の操作に集中できるのです。
また少ないストローク数で切断したい場合も、必要以上にパワーを出さずに済むのでおすすめといえます。
ブロワ機能
作業効率を向上させたい方は「ブロワ機能」を搭載したモデルがおすすめです。ブロワ機能とは、風を吹き出して材料から出た切粉を飛ばす機能のことをいいます。
木屑がそのまま残っていると、正確に材料を切断したいときに、作業を中断して切粉を掃除しなければなりません。
ブロワ機能があれば、切粉を掃除する手間を省けるため作業が効率的に進むのです。
レシプロソーとセーバーソー、ジグソーの主要メーカー
最後にレシプロソーやセーバーソー、ジグソーを販売している主要メーカーをご紹介して終わりにしたいと思います。
マキタ
愛知県に本社を構える電動工具メーカー「マキタ」は、電動工具は充電式でも高いパワーを備えているほか、始動がスムーズでバッテリーの互換性があるなど、使いやすいモデルが豊富です。
電動工具メーカーのなかでも人気があり、多くの職人がマキタの工具を活用しています。
マキタの製品はバッテリー式のモデルが豊富です。コード式と同等の切断スピードに加えてLED点灯などの機能を備えることで、操作性と作業性を両立しています。
リョービ
リョービは、広島に本社を構える電動工具・ガーデン機器・清掃機器ブランドです。
リョービ株式会社の事業で展開していましたが、2018年に京セラインダストリアルツールズ株式会社にブランドを承継しています。
リョービの電動工具は、DIYやガーデニングなど、趣味の分野でも扱いやすい特徴があります。
快適な使い心地がありながらも、パワーは良好。ジグソーにおいては、プロ用からエントリー用までのモデルをラインナップし、用途に応じて選べます。
ハイコーキ
旧ブランド名が日立工機のハイコーキは、東京に本社を構える工機ホールディングス株式会社の電動工具ブランドです。
徹底したユーザー調査と市場動向を基に製品開発を行っており、仕事にもレジャーにも活用できるモデルを多く展開しています。
ハイコーキのジグソーは、いずれも高機能かつ、切断能力に優れたモデルが豊富です。快適に操作できる機能を多く備えているので、頻繁にジグソーを扱う方におすすめとなります。
品質面においても良好で、多くのプロから人気があるのです。
ボッシュ
ボッシュは1886年に創業したドイツの電動工具メーカーです。ボッシュの電動工具は安全性を第一に開発されており、1952年に世界初の二重絶縁構造を採用しています。
また2008年には世界初のキックバック防止機構などを搭載した工具を開発しています。ボッシュのジグソーは、SDSシステムにより、ブレード交換に工具を必要としないモデルが豊富です。
高品質な製品の提供をテーマにしていることもあり、多くの職人から高い評価を得ています。
まとめ
今回はレシプロソーとセーバーソー、ジグソーの違いについて解説してきました。
電動工具については、まだまだ知っておきたいことがあります。
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