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電動工具の12Vと14.4Vのバッテリーの違いや互換性について解説します

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電動工具のバッテリーには18Vと36V以外に様々な種類の電圧が存在します。

その中でも12Vと14.4Vのバッテリーは、18Vと36Vのバッテリーの次に気になっている方が多いです。

ということで今回は、電動工具のバッテリー「12Vバッテリーと14.4Vバッテリー」についてそれぞれの違いや互換性の有無などを中心に解説していきたいと思います。

これから電動工具を購入する予定がある方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

【12Vと14.4Vの違い】バッテリーの種類に要注意

12Vバッテリーと14.4Vバッテリーの違いを解説する前に、ぜひ知っておきたい知識があります。

それがバッテリーの種類の違いです。

主要な電動工具のバッテリーの種類には、下記3つの種類の違いが存在します。

【主要な電動工具で採用されているバッテリーの種類】

  • ニカド電池
  • ニッケル水素電池
  • リチウムイオン電池

現在、電動工具用のバッテリーとして採用されている種類は「リチウムイオン電池」ですが、DIYモデルやホームセンターモデルと言われている電動工具の中には、ニッケル水素電池やニカド電池を採用したバッテリーも存在します。

とくにホームセンターで入手できる格安電動工具の場合はニカド電池を使用しているケースが多くです。

ニカド電池やニッケル水素電池を採用したバッテリーは、リチウムイオン電池を採用したバッテリーよりも安価であるため導入コストを抑えるメリットがありますが、さまざまな面でリチウムイオン電池よりも性能が劣ります。

それぞれのメリットとデメリットについて簡単にまとめると、以下のとおりです。

■ニカド電池のメリット

  •  高出力用途に向いた放電特性を持っており、安定した放電が連続で行える
  •  頑丈さがあるので、多少雑に扱っても壊れない

■ニカド電池のデメリット

  •  放置しておくと徐々に充電量が減る
  •  継ぎ足し充電をしても充電量が減る
  •  廃棄が大変

■ニッケル水素電池のメリット

  •  ニカド電池よりも過充電や過放電にも強い
  •  急速充放電にも対応している
  •  エネルギー密度がリチウムイオン電池よりも低く、小型化や高容量化に向かない

より詳しい解説は下記の関連記事にて解説していますので、ぜひ参考にされてみてください。

関連記事:「電動工具用バッテリーの種類と購入前に知っておきたい基礎知識

ちなみに14.4Vの電動工具で採用されているバッテリーに関しては、古い型式の電動工具でもリチウムイオン電池を採用したバッテリーである可能性が高いです。

一方で、12Vの電動工具に採用されているバッテリーだと、内容次第ではリチウムイオン電池以外が使われていることも多いです。

とくに「どの種類のバッテリーが採用されているのか」を確認しておくことは、電動工具選びでは、大切な視点のひとつです。

電圧の異なるバッテリー(12Vと14.4V)の互換性について

12Vと14.4Vのバッテリーについて気になる疑問が、「電圧が違うバッテリーに互換性はあるのか?」という点だと思います。

結論から言うと、電圧が異なるバッテリーの互換性は一部製品を除いて、使用できないケースがほとんどです。

例えば電圧が18V専用の電動工具に14.4Vバッテリーを使用した場合、電圧が足りず、仕様のスペックよりも性能が落ちてしまうデメリットが生じます。

また14.4V専用の電動工具に18Vバッテリーを使用した場合は、過剰に電圧を供給する事となり、一時的に回転数やトルクは上がりますが、場合によっては故障や発火につながってしまいます。

そのため、メーカー側としても上記のようなデメリットを避けるため、双方向で使用できないよう電圧が異なるバッテリーと本体の使用はできないよう設計されています。

ただし、HiKOKIのマルチボルトシリーズなどの一部製品は18Vと36Vで互換性がありますので、すべての製品が当てはまるわけではありません。

HiKOKIのマルチボルトシリーズなら18V⇔36Vでの互換性がある

HiKOKIには「マルチボルトシリーズ」という、18Vと36Vで互換性がある機種もあります。

具体的にはマルチボルト対応のバッテリーを使用すれば、36V機と18V機どちらにも使用できるという特性を持ったものです。

あくまでバッテリー側が切り替えを行うもので、本体で操作する項目はありません。

ですので、マルチボルトバッテリーを購入しておけば、従来製品の18V機を持っていてもそのまま使用できますし、最新シリーズの36V機にも使用が可能です。

マルチボルト蓄電池は、36V製品には36V、18V製品では18Vに自動で切り替わります。従来の18V/36V製品と、充電器が使用可能です。

 

引用元:HiKOKI公式サイト「マルチボルトシリーズ – HiKOKI」より

そしてマルチボルトバッテリーなら、従来の18V専用充電器でも使用できます。

基本的に電流・電圧の特性として、高電圧になると電流量を減らせます。電流が減ると発熱量が抑えられるため、電圧が高いと効率が高くなります。

12Vの電動工具に14.4Vのバッテリーを使用するのはNG!

基本的に、12Vの電動工具に14.4Vのバッテリーを使用するのはオススメできません。

理由としては先述したとおり、高電圧バッテリーを低電圧対応の電動工具に使用した場合、発熱量や漏電、故障や事故につながる可能性が高いからです。

逆に14.4V機へ低電圧のバッテリーを使用するなら、スペックが落ちるくらいで済むかもしれません。

しかし想定よりも大きな電流が流れる可能性のある組み合わせは、スペック向上よりも危険性のほうが高くなります。

そういった事態を想定し、多くのメーカーは電圧が異なるバッテリーを使用できないよう形状変更して販売しています。

そのため、万が一装着できる場合でも電圧が異なる場合は使用を避けたほうが良いです。

ただし上記で紹介したHiKOKIのマルチボルトシリーズや、一部異なる電圧間でも使用できるアダプターは存在します。

例えば、パナソニックの「EZ9740」は12Vの電動工具で14.4Vバッテリーを使用することができます。

長くパナソニック製品を使用していて、12V機を14.4Vバッテリーで使用したい!と思う方に最適です。

少し限定的にはなりますが、パナソニックの12V機をお持ちの方で14.4Vバッテリーを使用したい方は、「EZ9740」というアダプターを使用することで、安全に使用することができます。

Ahが異なるバッテリーの場合の互換性について

バッテリーにはボルト(電圧)やアンペア(電流)のほかに、Ah(アンペアアワー)という表記もあります。

このAh(アンペアアワー)という表記、『電流と同じでアンペアを使うけど、なんだか異なる表記だし、いったい何が違うの?』と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

ということでこの章では、Ah(アンペアアワー)についての基礎知識と、Ahが異なるバッテリーの互換性に焦点を当てて解説していきます。

そもそもAh(アンペアアワー)とは?

Ah(アンペアアワー)とは、バッテリーの容量を表す数値として使われています。具体的には1時間当たり、どのくらい電流が流せるかという数値です。

つまりこの数値が高ければ高いほど、長く電流を流せる…といったイメージで間違いありません。

もう少し詳細に見ていきましょう。18Vで6.0Ahの表記があるバッテリーの場合、1Aを使用する工具なら6時間使用できます。

出力を上げて2A出力の工具に使う場合、3時間の使用に減る…といった状態です。(6Aなら1時間)

実際には使用できる条件が異なり、上記のようにスムーズな減り方を見せる状況は少ないでしょう。

あくまで目安的に捉えておき、自身の作業でイメージをしておくのがおすすめです。

例えば自分の作業状況であれば、半日は問題なく使える。倍のAhを使えば、1日中使用しても問題ない…といったイメージです。

充電するのが手間であれば、倍の容量に変えて充電頻度を減らす。といった作戦も有効でしょう。

ただしAhが多いと、バッテリー価格も上がってしまいます。

そのため少ない容量で充電頻度を高める(手間が多い)か、充電頻度を下げて使う(手間を抑える)か、どちらかを選ぶと良いです。

異なるAh(アンペアアワー)のバッテリーは互換性がある?

異なるAh(アンペアアワー)のバッテリーでも、基本的に同じ電圧間なら互換性があります。

あくまでAh(アンペアアワー)は容量の違いで、電圧は変更がありません。

例えるならタンクの違いです。流れる量・圧が同じなら、タンクが大きいとより長く流れ続ける…といったイメージが近いでしょう。

同じアンペア(電流)が使われるのでややこしいものの、実際には「時間にしてどのくらいの電流が流せるか?」といった表記です。

このとき電圧が異なり、大きな電力が電動工具に流れると故障リスクがあります。適正な電力に合わせなければいけません。

ただその判断は、電動工具の場合だと「電圧」を見れば良いです。基本的に同じ電圧間でAh(アンペアアワー)だけ変える場合、容量アップが見込めます。

長く電動工具を使いたい、充電頻度を減らしたい方は、Ah(アンペアアワー)の大きなものを使いましょう。

充電頻度も低くなれば、バッテリー自体の寿命も延びます。

Ah(アンペアアワー)の大きいバッテリーを使用する際の注意点

Ah(アンペアアワー)を大きくすることは、大きなタンクに切り替えるようなものだとイメージしてください。

そのためAh(アンペアアワー)の大きいバッテリーを選ぶ際、いくつか注意点があります。

  • 価格が上がる
  • 重量が重くなる
  • 充電に時間がかかる

タンクが大きくなれば、当然価格も上がります。ただ倍の容量を買えば価格も倍になる…といったものではありません。

多少大きい容量を買えば、重量当たりの単価は安くなります。同じ作業量をこなすなら、Ah(アンペアアワー)の大きいものが有利です。

またバッテリーそのものが重たいため、容量を増やすと重量も重たくなるのは避けられません。

狭い場所での作業、長時間の作業で腕や手への疲労感が増します。今使っている電動工具で、軽さを重視するなら避けたほうが良い場合もあるでしょう。

当然容量も増えれば充電時間は長くなります。充電してすぐ使いたい!という場合、少ない容量ならすぐ満充電になります。

※とはいえ同じ量を充電するなら、上限の違いだけで容量はあまり関係がない。下手すれば上限に近いと充電量は制限が入るため、容量が少ないと不利。

上記を複合的に判断し、どういった容量が適切か考えてみると良いでしょう。

おすすめは最初に中容量を購入してみて、足りなければ買い足す方法です。バックアップ的にバッテリーが複数あれば、万が一のときでも安心できます。

追加容量であれば少なくても良い場合がありますし、別の電動工具を買い足す際も有利になるかもしれません。

まとめ

今回は、電動工具のバッテリー「12Vバッテリーと14.4Vバッテリー」について、それぞれの違いや互換性の有無などを中心に解説していきました。

この他にも、電動工具やバッテリーに関する知っておきたい知識は、まだまだたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。