プラウ耕とロータリー耕の使い分けについて解説します
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農業に携わる方なら一度は聞いたことがある「プラウ耕」と「ロータリー耕」ですが、これから農業を始める方にとっては、その違いがよく分からないという方も多いはずです。
実際に使用する作業機の種類が違うだけではなく、「プラウ耕」と「ロータリー耕」には明確な強みと弱みが存在し、農地それぞれの状況に応じて、使い分ける必要があります。
ということで今回は、「プラウ耕」と「ロータリー耕」の使い分けについて解説していきたいと思います。
これから作業機の購入を控えている方は、ぜひ、購入前にこの記事を読んで参考にされてみてください。
プラウ耕とロータリー耕の使い分け
プラウ耕とロータリー耕は、プラウを使った耕うん方法をプラウ耕と呼び、ロータリーを使った耕うん方法をロータリー耕と呼びますが、具体的にどういったシーンで使い分ければ良いのでしょうか。
それぞれの使い分けについて、シーンごとにまとめました。
プラウ耕を使うべきシーン
プラウ耕は、特定の土壌条件や農作業に適しています。具体的なプラウ耕を選択すべきシーンは下記のとおりです。
- 土壌が硬く、水はけが悪い場合
- 雑草が多く、抑制が必要な場合
- 土壌の改善が必要な場合
- 大規模な農地の準備が必要な場合
- 土壌の深い層への栽培が必要な場合
- 土壌改良が必要な場合
それぞれ項目ごとに解説していきます。
土壌が硬く、水はけが悪い場合
プラウ耕は土壌を深く耕し、締め固まった層を破壊します。水はけの改善にも役立つでしょう。
とくに水はけが悪く、雨水がたまりやすい土壌に向いています。
雑草が多く、抑制が必要な場合
プラウ耕は土壌の深い層まで耕すため、雑草の根や種子を埋め込みます。
雑草の根が深く、数が多い場合はプラウ耕を選択すると効率的です。
土壌の改善が必要な場合
プラウ耕は土壌を深く混ぜ込むため、微生物の活動が促進されます。有機物や堆肥を深層に埋め込む効果も期待できるでしょう。
すると土壌の肥沃度が向上し、作物の収量が増加する可能性も上げられます。
大規模な農地の準備が必要な場合
プラウ耕は比較的、幅広い面積を効率的よく耕せる方式です。
大規模な農地の耕作や、期間を置いて固くなった土地の準備に適しています。
土壌の深い層への栽培が必要な場合
一部の作物や根菜類は、深い土壌に根を張らなくてはなりません。浅い表面のみ耕しても、作物の根が張りにくい可能性もあるでしょう。
しかしプラウ耕なら深層の土壌が耕起されるため、一部の作物生育に適した環境が整います。
土壌改良が必要な場合
プラウ耕は土壌改良の一環として行われることがあり、新しい有機物や肥料を深い層へ混ぜ込むのに適しています。
ただしプラウ耕にはデメリットもあるので、注意が必要です。
例えば土壌の耕盤層化や浸食のリスクがあること、整地作業が別途必要であることが考えられます。
具体的な土壌条件や農作業のニーズに合わせて、適切な耕うん方法を選択してください。
ロータリー耕を使うべきシーン
ロータリー耕は回転する刃を使い、効率よく耕うん作業をするのに適しています。具体的なシーンは下記のとおりです。
- 耕うん深度が浅く、表層の土を緩めたい場合
- 耕うん後にすぐ植え付ける場合
- 畑地や庭園の小規模な土壌改良が必要な場合
- 作物の畝を整える場合
- 雑草の抑制が必要な場合
- 軽量のトラクターを使用する場合
それぞれ項目ごとに解説していきます。
耕うん深度が浅く、表層の土を緩めたい場合
ロータリー耕は、土壌の表層をやわらかくするのに適しています。とくに耕作層の土を深く掘り起こす必要がない場合に便利です。
耕うん後にすぐ植え付ける場合
ロータリー耕は比較的軽い耕うんを行うため、耕うん後すぐに作物を植え付けたり、種まきしたりする場合に向いています。
畑地や庭園の小規模な土壌改良が必要な場合
小規模な畑地や庭園で土壌を改良する場合、ロータリー耕は手軽で効果的な方法です。
トラクターを使わずとも、小型耕うん機を使ってロータリー耕を作る場合もあるでしょう。
作物の畝を整える場合
ロータリー耕は畝を形成するのに役立ち、作物の植え付けをしやすくします。
雑草の抑制が必要な場合
ロータリー耕は土壌の表層を緩め、雑草の根を引き裂く効果があります。
プラウ耕よりも浅い層ですが、雑草の制御にも効果的です。
軽量のトラクターを使用する場合
ロータリー耕は軽いトラクターでも作業が可能であり、馬力に制約のある農地で使えます。
ただしロータリー耕には、深い耕うんや土壌改良の効果は限定的です。また、土壌の深い層に根を張る必要がある作物や、固く締まった土壌の改良には向かないことがあります。
土壌条件や作物の求められる条件に応じて、適切な耕うん方法を選択しましょう。
プラウ耕とロータリー耕どちらにすればいいか迷ったときは?
プラウ耕とロータリー耕、どちらを選ぶか迷った場合があるかもしれません。
その場合は、以下の要因を考慮して選択してみてください。
土壌状態
まず自身の農地、土壌状態を評価しましょう。土壌が固く、水はけが悪く、大規模な土壌改良が必要な場合にはプラウ耕が適しています。
一方で土壌が比較的柔らかく、大規模な改良が必要ない場合にはロータリー耕が適しているかもしれません。
※土壌状態により大きく変わります。
作物の種類
どの種類の作物を育てるかによっても、選択が異なります。
例えば根菜類やジャガイモのような、深い根を持つ作物を育てる場合です。その場合はプラウ耕のほうが深い耕うんなので適しています。
反対に浅い根を持つ作物なら、ロータリー耕が効率的なケースもあるでしょう。
農機具の所有状況
ロータリーとプラウ、どちらの方法に必要な農機具を所有しているかも確認してみてください。
大規模な農地でプラウを使うには、大型のトラクターやプラウが必要です。ロータリー耕の場合だと、比較的軽いトラクターで行えます。
作業効率
作業の効率性も考慮しましょう。プラウ耕は土壌を深く耕すため、一度の作業で土壌改良が可能です。しかし整地作業も必要となってしまいます。
ロータリー耕は比較的浅い耕うんですが、整地は不要な場合が多いです。迅速に次の作業へ進められるかもしれません。
予算
農機具の購入や維持にかかる費用を考慮しましょう。大型のプラウは高価で、燃料消費も多いです。
予算を先に決めれば、どちらを選択するかが自ずと決まります。
農地の規模
所有している農地が小規模であるか、大規模であるかも選択に影響を与えます。
小規模な農地だと、ロータリー耕が適しているケースも多いです。しかし大規模な農地では、プラウ耕が効率的かもしれません。
最終的には具体的な農地の条件、作物の種類、予算、農機具の所有状況を総合的に考慮しなくてはなりません。その上で適切な方法を選びましょう。
状況によっては、どちらも組み合わせて使用したほうがよいケースもあるはずです。
また農業の専門家や地域の農業拡張サービスから、直接アドバイスを受けるのも良い方法となります。
まとめ
今回は、「プラウ耕」と「ロータリー耕」の使い分けについて解説していきました。
農業用機械の導入にはしっかりとした知識が大切です。
「プラウ耕」と「ロータリー耕」の使い分け以外にも、農業用機械の選び方やロータリーの種類、トラクターの選び方など、多岐にわたります。
もし、少しでも知識が不足しているなと感じた方は、ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
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