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ペンチとニッパーについて用途や使い分けの違いなどを解説します

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皆さんは、手工具のペンチとニッパーの違いについてご存知でしょうか。

DIYをはじめたばかりの方は、両者の違いについてきちんと理解できている方は、少ないのでしょうか。

ということで今回は、手工具の代表とも呼べる「ペンチとニッパー」について用途やの使い分けの違いなどを中心に解説していきたいと思います。

これからDIYをはじめる方やDIYに興味を持っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

ペンチとニッパーの違い

ペンチとニッパーは同じ「二対の板で挟む工具」です。しかし保持するか切断するか、どちらをメインとするかによって用途が異なります。

ここではペンチとニッパーの違いを用途や基本的な作業、その概要からまとめました。

ペンチとは?用途や基本的な作業について

ペンチはあらゆる作業場で不可欠な、手工具の一つです。

金属や電線を扱う際に、とても重宝します。多目的に利用でき、シンプルな構造なのが特徴です。

基本的な使い方は下記の5点となっています。

  • 締め付け・引っ張り
  • 切断
  • 曲げ
  • 保持
  • 引き抜き

ペンチにはまるでハサミのように、二対の鋭利ではない刃が対象物を挟む形状となっています。

例えばワイヤーやケーブルを掴んで締め付けたり、引っ張ったりするためにも使用可能。

先端を使えば対象物を保持し、刃の根本を使えば切断もできます。薄い板を曲げる際は、ペンチを使うとテコの原理も活用できて便利です。

またペンチには下記のような種類もあります。

  • ラジオペンチ
  • 斜めペンチ
  • 電工ペンチ
  • コンビネーションペンチ

それぞれ状況に合わせて選ぶ必要があるため、ただ挟む工具といっても非常に奥深いものとなっています。

その他にも小さな部品をしっかり固定するためにも使えますし、ネジやナットを締める際にペンチを利用して部品を固定すれば安定した作業が行えます。

また、釘や小さなピンを引き抜く作業にも利用されます。とくに狭い場所での引き抜き作業は、ペンチを使うと力強く正確に引き抜きできるはずです。

ニッパーとは?用途や基本的な作業について

ニッパーは切断作業に特化した手工具です。電気工事や電子工作、模型製作に使用されます。

小型で取り扱いやすく、精密な切断作業を行うならニッパーがなくてはならない存在と言えるでしょう。

ニッパーの用途や基本的な作業は下記のとおりです。

  • 切断
  • トリミング
  • バリ取り

ニッパーのもっとも基本的な用途はワイヤーやケーブル、プラスチック、金属製の細かい部品を切断することです。

電気工事では配線の端を整えたり、余分な長さをカットしたりする作業が頻繁にあります。ニッパーがあれば大活躍するでしょう。

また電子工作や模型製作をする際も、パーツの切り離しやトリミングに重宝します。

※トリミングは余分なリード線や、小さなプラスチックパーツの余剰部分をきれいにカットする作業。

 

そしてプラスチックや金属の加工後に残る「バリ」を取り除く作業にも、ニッパーは役立ちます。

基本的には切断をメインとし、部品の仕上げを整えるためにも使用される工具です。

ニッパーも種類がいくつかあり、下記のようなものがあります。

  • スタンダードニッパー
  • 斜めニッパー
  • ストレート刃ニッパー
  • エンドニッパー
  • サイドニッパー

基本的な形状はスタンダードニッパーで、用途合わせた形状が作られています。

初心者が選ぶべきペンチとニッパーの種類

実際にペンチとニッパーを選ぼうと思ったとき、どういったものを選べばいいかかなり迷ってしまうはずです。

そこでこの項目では種類を限定し、特徴と選び方について詳しくまとめました。

初心者で何をどう選んだらいいか迷っているなら、ぜひ参考にしてください。

ラジオペンチの特徴と選び方

ラジオペンチは細長い先端を持つ、狭い場所や細かい作業で役立つペンチです。初心者のうちは一つあるだけで、あらゆる作業で使えるため重宝します。

具体的には電子機器の修理や配線の取り扱い、模型製作といった精密な作業がやりやすいです。

もちろんペンチとしての機能も申し分ありません。掴む、曲げる、切るといった多様な作業に対応できて、非常に汎用性が高いです。

とくに先端部分で掴みやすい形状をしているので、さまざまな作業に利用できます。

見た目にも細く扱いやすい点も、初心者におすすめのポイントと言えるでしょう。実際に軽く、長時間の作業にも向いています。

初心者がラジオペンチを選ぶ際は、下記の点に注意しながら選ぶと良いです。

  • 用途を明確にする
  • 品質と耐久性の高いメーカーを選ぶ
  • 価格とコストパフォーマンスを考える

最初は何の作業に使うのかを明確にしましょう。電子工作や細かい修理、DIYといった使用目的に応じたラジオペンチを選ぶのが大切です。

※とはいえラジオペンチは汎用性が高いので、あらゆる用途に合いやすいのも特徴。

次に品質と耐久性の高いメーカーを選んでください。具体的にはKNIPEX、Wiha、ENGINEER製だと評価が高い傾向です。

迷ったらこの3メーカーを中心に見てみましょう。

初心者のうちは価格が安くても構わないものの、安すぎると品質に問題がある場合も多いです。

いくつか商品を見比べてみて、コストパフォーマンスの高いものを選んでみてください。

コンビネーションペンチの特徴と選び方

コンビネーションペンチは、とても多機能なペンチです。ボルトクリップがついており、掴む、曲げる、切る、保持すると言った様々な作業に対応できます。

この1本で多くの作業をこなせるため、備えておくとマルチに活躍してくれるでしょう。特徴は下記の3点です。

  • 多機能性
  • 頑丈な構造
  • 切断用の刃

開口部に特徴があり、やや丸みがかった刃先が幅広い対象物を挟み込みます。一般的なペンチよりも多くの用途に使えるのが特徴です。

また形状的に大きく、乱雑に扱っても壊れません。頑丈な構造で、多少力を入れてもペンチが破損することはないでしょう。

ペンチの中央部分に鋭い刃が付いており、ワイヤーや小さな金属部品を切断することも可能。

電気工事や配線作業、DIYでも幅広く利用できます。

初心者が選ぶ際は、やや「コンビネーションプライヤ」と混同してしまうかもしれません。プライヤですと開口部が広く、少し用途と異なる可能性があります。

「ペンチ」の名称が付くものなら開口部が狭いため、ペンチとしての用途に合致するでしょう。

こちらもKNIPEX、Wiha、ENGINEER製の評価が高く、コストパフォーマンスの高い製品を選べば間違いは少ないです。

その他のペンチの種類と用途

ほかにもペンチは、下記のようなものがあります。

  • 電工ペンチ
  • 斜めペンチ

電工ペンチは、電気工事や配線作業で使用される専用の工具です。名前に電工と付くとおり、電工作業に特化した形状を取っています。

具体的には下記のような用途に最適です。

  • ワイヤーストリッピング
  • 圧着
  • 切断
  • 曲げ・ねじり

1つの工具で上記の作業ができるように、ワイヤーストリッパーや圧着工具、カッターが一体化しています。

電気系統を扱うことが多いなら、電工ペンチを持っておくと良いでしょう。

次に斜めペンチ(ダイアゴナルカッター)の特徴もご紹介します。斜めペンチは刃が斜めになっており、切断作業に特化した形状です。

ニッパーと似ていますが、その用途は少し対象物が大きい(力を要する)ものとなっています。

  • ワイヤー切断
  • プラスチックや薄い金属の切断
  • トリミング作業

斜めペンチを使えば、ニッパーでは切断できないワイヤーの切断も可能です。プラスチックや薄い金属の切断も問題なく行えます。

配線の端を整えたり、不要な部分を切り取ったりするトリミング作業にも最適です。

ペンチはいくつか派生型があり、メーカーによっても形状が異なる場合もあります。

最適なものを選ぶなら実際に手にとって見て、自身の作業と合致するか照らし合わせてみると良いでしょう。

エンドニッパーの特徴と選び方

エンドニッパーは先端が平らな刃になっており、対象物に対して垂直な切断ができるニッパーです。

この設計によって、対象物の表面に近いところで切断できます。例えるなら爪切りのような切り方、とイメージしてもらえば分かりやすいかもしれません。

強力な刃を持っており、硬いワイヤーや釘、リベットのような金属部品を切断するのに適しています。

とくに太いワイヤーや硬い素材を切断する際は、エンドニッパーを使用すると良いでしょう。

選び方としては、下記の3点に気をつけて選んでみてください。

  • 用途に応じたサイズ
  • 刃の形状
  • バネ

エンドニッパーは作業によって、その適正サイズが異なります。例えば125mmは小さく、細かい作業に最適です。

一般的には120~160mm程度で選ぶと良いでしょう。200mm以上だとワイヤーの切断に向いています。

また刃の形状がフラット刃、ラウンド刃、強力刃と分かれているのも特徴です。フラット刃が扱いやすいので、迷ったらフラット刃を選んでみてください。

バネがあると、切断後に刃が開きます。自分で開く必要がないため、連続して切断する作業がある場合は効率的です。

エンドニッパーはなかなか使用する機会がないので、作業箱の隅に追いやられがちとなるでしょう。

しかし通常のニッパーで切れないところは、エンドニッパーが活躍します。収納場所に余裕があるなら、ぜひ導入を検討してみてください。

サイドニッパーの特徴と選び方

サイドニッパーは先端が細くなっており、通常のニッパーでは作業できない場所を切断するのに向いているニッパーです。

またサイドニッパーは、一般的に小型で軽量設計となっています。片手で操作しやすく、長時間使用しても疲れにくいです。

似たような名称で「タイルサイドニッパー」もありますが、こちらは用途・形状的に全く異なるものと見て良いでしょう。

エンドニッパーと同じく、サイドニッパーはあまり活躍するシーンが無いかもしれません。

しかし細かい作業ではあると便利な1本なので、こちらも収納場所に余裕があるなら揃えておくと良いです。

その他のニッパーの種類と用途

ニッパーにはほかにも、いくつか種類があります。それぞれ特徴と用途についてご紹介していきます。

斜めニッパー

斜めニッパーは刃の角度が40度傾いており、電線の被覆をむく作業に向いているニッパーです。

中には電線がむきやすいよう、刃の根元付近に穴が開いているものもあります。

刃が斜めになっているため、対象物に対して垂直に力を加えやすいです。精密な切断を求めるなら、斜めニッパーを選択すると良いでしょう。

ストレートニッパー

ストレートニッパーは切断作業に使用されますが、その構造により特定の用途に適しています。

とくに精密な作業や電子工作、小さな部品の切断がおもな用途の場合に最適です。

  • ワイヤー切断
  • 精密作業

刃が直線で、正確な切断が行えます。とくに正確さが求められる作業で使用されやすいです。

ストレートな刃により、切断面へ均等な力がかかります。精密な切断を求めるなら、ストレートニッパーを使用しましょう。

初心者向けにおすすめな手工具を選ぶポイント

初心者が手工具を選ぶとしたら、どういったポイントに気をつけて選ぶと良いでしょうか。

ここでは初心者向けに、手工具を選ぶポイントについてまとめました。

用途を明確にする

最初に初心者が考えるべきは、どんな作業でどう工具を使うか?という点です。

例えばプライヤでもボルトを締めたり緩めたりはできますが、最適ではありません。

しかし、プライヤ1本しか使えない状況で、幅広く利用するなら良い選択肢になる可能性はあります。

そのため、どういった用途でどんな工具が必要になるのか、事前に考えておく必要があります。ある程度どんな手工具があるのかを理解しておけば、実際の作業シーンもイメージしやすいです。

手工具にどんな種類があるか分からない、という方は、一度ホームセンターに足を運んでみるのも良いかもしれません。

ホームセンターはある程度の手工具が揃っており、実物を見て確かめられるので作業状況をイメージしやすいです。

ただし実際の作業と用途、選択する手工具が誤っている場合もあります。まずは購入してみる、という選択も良いでしょう。

実際に手にとって見てみる

手工具は実際に使ってみて、初めて分かることも多いです。とはいえ事前知識だけで購入しても、思ったように扱えなかった…と嘆くこともあるでしょう。

用途が定まって具体的にほしい手工具が浮かんできたら、実際に手工具を触ってみるのがおすすめです。

ホームセンターに行けば基本的な手工具は揃っており、実際に触って感触を確かめられます。

その感覚で、作業シーンをイメージしてみましょう。問題なく扱えそうなら、ぜひ一度購入してみてください。

初心者のうちは作業イメージと手工具の実態が合わないこともあるため、少しずつ良いものを選択していく考えでいたほうが良いです。

おすすめの工具セットから選んでみる

手工具の購入を考える際、初心者はおすすめの工具セットから選ぶと効率的です。

セット品は幅広く工具が揃っており、自分に合うものを見つけやすくなっています。

具体的には下記のようなセットを選んでみてください。

  • プライヤ&レンチセット
  • ドライバーセット
  • ハンマーセット
  • 測定工具セット

上記のセット品はあまり品質が高くない一方で、初心者向けには十分な種類が豊富に含まれています。

とくにドライバーセットは日常でも使うシーンが多く、1セットあるだけで活躍する場面が増えるかもしれません。

また初心者のうちは測定器具を軽視しがちですが、しっかり測定してから加工すると仕上がりがまるで違います。

自身で加工、組み立てを行うなら持っておきたい1セットです。

手工具は全体的にシンプルな構造で頑丈なため、意外とセット品でも壊れないものが多いでしょう。

悩んだらセット品を選び、良いものを単品購入していくのがおすすめです。

まとめ

今回は手工具の代表とも呼べる「ペンチとニッパー」について、用途やの使い分けの違いなどを中心に解説していきました。

この他にもDIYや電動工具に関する知っておきたい基礎知識は、まだまだたくさんあります。

ぜひ、その他にも関連記事を読んで参考にされてみてください。