除雪機の種類やブレード式、オーガ式の違いについて解説します
目次
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除雪機を導入しようとした際に悩んでしまうのが、除雪機の動力源の種類やブレード式、オーガ式などの違いだと思います。
除雪機自体も導入コストが高く、簡単に処分することもできないことから、きちんと種類ごとの違いを把握したうえで購入しようとされる方も多いはずです。
ということで今回は、除雪機選びに役立つ情報として「除雪機の種類」に焦点を当てて解説していきたいと思います。
とくに動力源ごとの違いやメリット・デメリットが知りたい方や、ブレード式やオーガ式の特徴の違いなどを把握したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
除雪機の種類について
家庭用除雪機の種類はいくつかの違いが存在します。
ひとつは手押しタイプと自走式タイプの走行方式の違いで、もうひとつがブレード式やロータリー式などの構造上の違いです。
それぞれの違いについて項目に分けて解説していきます。
【除雪機の種類】走行方式の違いについて
走行方式の違いには、手押しタイプ(スノーシュー)と自走式タイプ(スノーブロワー)の2種類が存在します。
使用する環境や除雪する雪の量や質によって、どのタイプの走行方式が適しているかは分かれます。
【手押しタイプ】小規模なエリアや軽い雪の除雪に適した除雪機
ロータリー式の除雪機に用いられることが多いのが、手で押すタイプの手押し式です。比較的リーズナブルな価格帯で購入でき、軽量なため非常に扱いやすいでしょう。
またコンパクトなタイプなので、保管場所にも困りません。ただ自走タイプのロータリー式には除雪能力は劣ってしまうでしょう。
特徴: 手動で押しながら進むタイプの除雪機。
メリット:
- 軽量で取り扱いやすい。
- 電源不要で、どこでも使用できる。
- 値段が比較的安価なモデルが多い。
デメリット:
- 効率が悪く、大量の雪を処理するのが難しい。
- 労力が必要で、体力に負担がかかる。
- 雪を吹き飛ばすことができないため、処理後の積もり方に注意が必要。
【自走タイプ】大きな庭や大量の雪の処理に最適な除雪機
自動で動く自走式の魅力は、簡単に操作できるという点です。ただ巻き込みなどの事故リスクが高いため、周囲の安全確認や適切な操作方法などをしっかりと確認することが大切になってきます。
ローダー式とロータリー式の両方に自走式の製品がラインナップされていますが、ローダー式の方がリーズナブルに入手できるでしょう。
特徴: エンジンで動く除雪機で、雪を吹き飛ばす方式。
メリット:
- 効率的に雪を処理できる。
- 幅広い雪の量に対応可能。
- 雪を遠くに飛ばせるため、道を広く保てる。
デメリット:
- 重量があるため、取り扱いが難しい場合がある。
- 電源が必要なモデルもあり、場所によっては不便。
- 故障時の修理が高額になることがある。
【除雪機の種類】構造上の違いについて
■ブルドーザーの様な受けが付いているタイプ
基本的には雪を押し出すタイプになり、 「ブレード式」「ドーザー式」「ローダー式」と呼ばれています。(以下ブレード式)構造が単純で手押しのブルドーザーと呼んで差し支えないです。
■その受けの内側に回転する刃がついているタイプ
「ロータリー式」と呼ばれており、ブレード式に雪を砕いたり、集めたりする回転刃(以下オーガ)を取り付けて、集めた雪を遠くに飛ばす筒(シューター)を上部に取り付けたタイプになります。ブレード式と比べて複雑になり、種類も2つあります。
単段式除雪機構
「シングルステージ」「1ステージ」と呼ばれています。アメリカのBriggs & Stratton社製 「1222EE」があります。
この1222EEはオーガを回転させることに特化しており、オーガの回転する力を利用して上部のシューターから集めた雪を投雪します。
複段式除雪機構
「2ステージ」と呼ばれています。ヤマハはこの除雪機構の正式名称は「2ステージ・オーガ・ブロア」(ブロワとも言います)としています。
除雪機のしくみ | ヤマハ発動機 (yamaha-motor.co.jp)
そのヤマハの説明によると
「2ステージとは2段階(2工程)式を意味し、オーガはらせん状の回転刃で地面に積もった雪を掻き取る集雪装置のこと。
ブロアは掻き取った雪をインペラという回転翼(羽根車)で勢いよく吹き飛ばす投雪装置。
つまり2ステージ・オーガ・ブロアとは、「オーガで雪を集めてブロアで飛ばす2段階システム」であることを示しているのです。」
Hondaの除雪機も同じで2ステージ式のスペック表に投雪部、ブロワの説明があるのでHondaも正確には2ステージ・オーガ・ブロア(ブロワ)になります。
1ステージ式と比べると投雪力が高いですが、ブロア機構が付いている為、価格が高めで、重量もあり複雑になっています。
簡単にまとめると
重量 | ブレード式 < 1ステージ式 < 2ステージ式 |
価格 | ブレード式 < 1ステージ式 < 2ステージ式 |
複雑さ | ブレード式 < 1ステージ式 < 2ステージ式 |
投雪 | ブレード式 < 1ステージ式 < 2ステージ式 |
と複雑になればなるほど価格が高く、複雑ですが、飛ばす力が大きくなり何度も往復する必要がなくなります。
雪質、積雪量から、除雪機の説明をしたいと思います。
雪質、積雪量について
下記の除雪機でも説明しますが除雪機によって向き不向きがあります。
これを理解しないまま購入すると雪が詰まってすぐ止まる。雪が多くて押せない。すぐに故障してしまった等、除雪機選びに失敗し無駄になってしまう事があります。
雪質
重要な項目の雪質です。雪質と言われてもよく分からない方も多いです。スキーをされる方ならパウダースノー等聞いた事があると思いますが、簡単に言うと、水分の量と硬さです。
大きく分けて4つ
1・新雪
2・重みや時間経過で固まったしまった雪
3・踏み固まったしまった雪
4・融雪剤等で溶けかけた雪や湿った雪(ベタ雪)
です。
積雪高
雪の量にも注意が必要です。Honda除雪機の除雪高さの目安が載っており
HSS655c(JE1)- 小型除雪機|Honda公式サイト
ハウジングの高さ等により小型、中型、大型の除雪機で対応できる積雪量が違います。
よく積もる地域、広い範囲を除雪しなければならない場合小型の除雪機は不向きです。
他にも投雪、集める、処分する場所等々ありますが、基本的には上記2点が重要な項目になり、お住まいの地域の積雪量、雪質を事前に確認する事をおすすめします。
それを踏まえた上で除雪機の種類から説明いたします。
トラックマウント除雪機
あまり一般向けではありませんが、トラックに除雪装置を取り付けたものになります。
「スノープラウ」と言われるブレード式をトラック前面に取り付けたものが有名です。道路等でよく使われる除雪機になります。除雪機の種類等を説明してきました。
では実際これらの除雪機は何がメリットで何がデメリットなのかを説明したいと思います。
ブレード式除雪機とオーガ式除雪機の違い
このブレード式とオーガ式の違いですが、飛ばす力があるのだからオーガ式でよいのではないかと言われるかもしれませんが、除雪機には向き不向きの雪があります。
雪質、積雪量を踏まえそれぞれ説明します。
ブレード式除雪機の特徴
まずブレード式ですが上記でも述べたように、雪を押し出すタイプになります。押し出すので雪が沢山積もる所よりも少ない所で使用されることが多いです。
ブレードの角度が水平だと押す力が必要になりますが、この角度を変えると雪を片方に寄せる事が出来ます。
ブレード式除雪機のメリット
■操作が簡単
基本的には前進後退、ブレーキ(無い機械もあり)、ブレードの上下等です。
■ベタ雪にも対応している
ブレード式は融雪剤を含み重量がある場合だと、作動中あまり重すぎると止まる可能性がありますがブレードを斜めにして、前面集中ではなく横に寄せる事で止まることなく動かすことが可能です。
■早く除雪できる
5㎝~10㎝程度の雪ですと、オーガ式と比べるとただ押すだけですのでスピードが速く、広い範囲を素早く集める事が出来ます。
歩道は人が歩ける分の幅であれば良いので、ブレードを斜めにして雪を寄せてあげればオーガ式よりも早く除雪できます。
■オーガ式と比べるとメンテナンスが簡単
オーガ式はオーガがついていますので、石を巻き込んだり、軸のボルトが折れたり等がありますが、押すだけですのでそこまで気を付ける必要がありません。部品点数も少なく点検箇所も少ないのでメンテナンスが容易です。
ブレード式除雪機のデメリット
■積雪量が多いと使えない
Honda製「ユキオスSB800」はブレードの高さが33㎝です。除雪の目安は33㎝ですのであまりに多すぎると意味がなかったり、逆に押し固めてしまったりして作業効率が落ちてしまいます。
トラック(クローラ、無限軌道とも呼ばれる)で走行していますので、接地面が大きく滑ったりせず押してくれますが、重すぎると空転して前に進みません。
■雪を一か所にまとめる事が出来ない
多少上下できますが、積雪量が多くある場合、高く積み上げる場合があります。押すだけですのでそれが出来ません。積雪量がそこまで多くなく、融雪槽や流雪口付近に集めるなら問題ありませんが、10㎝~20㎝を超えるならオーガ式がよいかもしれません。
オーガ式除雪機の特徴
オーガ式の特徴はなんと言ってもオーガで雪を削り、集め、その雪を遠くへ飛ばすことが出来る事です。
更に遠くへ飛ばす投雪の距離があり、重要項目ですので必ず確認する事をお勧めします。大型になればなるほど馬力が増しブロワも大型化しますので飛距離が伸びます。
オーガ式除雪機のメリット
■最大のメリットは雪を空中に飛ばす事が出来る
ブレード式のデメリットであった一か所にまとめ、高く積み上げる事が出来ます。
例えば雪捨て場所が少し遠く、オーガ式でも1度では無理な場合、寄せてから雪捨て場所まで除雪します。この場合高く積みあがりますが、崩したり、何度かに分けて除雪します。
■新雪はもちろん重い雪、硬い雪でも砕いて除雪
小型でもHondaの「HSS760n」等はベタ雪以外は対応できます。(YAMAHAのYSF860-Bは小型ながら湿った雪にも対応しています。)
ベタ雪も飛ばしたい場合はシングルステージ式のオーガを使用すると良いです。
■高く積み上げられる
雪槽や流雪口があればよいですが、雪が多く雪を捨てる場所が指定されている場合ブレード式では対応しきれません。その場合、オーガ式を使用します。
オーガ式除雪機のデメリット
■便利な分、操作が複雑になり、使用法を誤ると大けがになりやすい
経済産業省から注意喚起がなされています。
大雪の影響で除雪機による死亡・重傷事故が発生しています(再度の注意喚起) (METI/経済産業省)
ただし事故の起きやすい状況を予め確認して、正しく注意して使用すれば問題ないので落ち着いて作業すれば事故は防げます。
■思ったより時間がかかる
オーガが回転して雪を飛ばす為、ブレード式と比べると遅くなります。しかし雪が多いとブレード式は使えない為あまり比較にはなりません。購入前に実機を確認する事をおすすめします。
■投雪、騒音によりご近所トラブルに発展しやすい
購入前に必ず雪の処分方法を確認した方がよいのは、高く飛ばしすぎたり捨てる場所が分からずお隣の敷地内に雪を飛ばしてしまい、雪の重みで何かを破損させてしまうトラブルを防ぐためです。騒音が気になる場合は静音モデルを検討する事もできます。
ブレード式除雪機とオーガ式除雪機の違いについて
駐車場で10㎝も積もれば車のバンパー等に接触し破損の危険性があります。
よく雪が降っても10cm~20㎝しか積もらないのであればオーガ式の大型除雪機は必要ありませんし、更にベタ雪になるのであればオーガ式の小型除雪機は不向きなので、この場合はブレード式がよいかもしれません。
適材適所、お住まいの雪質、積雪量は必ず確認してください。
ヤマハの「2ステージ・オーガ・ブロア」について
ヤマハは1978年にササキコーポレーションと提携し初の「YT665」を発売しました。
しかし当初はシングルステージでしたがより楽に、より短時間にと2ステージ式が開発され1983年より大型機でしたが発売され、40年以上作り続けてきました。
更に2000年代には静音設計モデル、異物をかみこんでもオーガを壊さないモデル、コンピュータ盛業された最上位モデルが発売、2010年以降は湿った雪や浅い積雪に対応する為、オーガ式ですがブレードを装着したタイプも販売され常に進化しています。
最新型の2ステージ・オーガ・ブロアのお勧めは「YSF1070T-B」になります。
除雪幅70cmタイプ YSF1070T | ヤマハ発動機 (yamaha-motor.co.jp)
YSF860と比べ静音性が高く、運転音が1/3と高く、シューター内はスキーの滑走面に使われる超高分子量ポリエチレン成形板で覆われており、ベタ雪でも雪が付着する事がありません。
キズや劣化してきた場合は交換も可能です。砂利が多い雪や異物、石が入った雪などの噛み込みの衝撃でシャーボルトが折れる事がありますがガードが付いて損傷を防ぐ物があり、現在も進化しています。
まとめ
沢山説明してきましたが、どう動けばよいのか、どう調べればよいのか分からないと思います。
お住まいの近くの除雪機を売っている販売店へ出向き、雪質、降雪量を聞いたりお勧めを聞いたりする事や、近くにレンタル出来る会社があればそこに話を聞きに行き短期間お試しでレンタルすることも出来ます。
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