ヘッジトリマーとバリカンの用途の違いについて解説します
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ヘッジトリマーとは、植木の刈り込みに使われる大きなバリカンのような工具ことですが、正直、用途や使い分けなどが良くわからない方もいらっしゃるいと思います。
よく庭木のお手入れで業者の方が使っているのを見かけるので、存在自体はご存じの方も多いと思います。
ということで今回は、ヘッジトリマーとバリカンの具体的な仕組みや用途の違いなどについて解説していきたいと思います。
ヘッジトリマとは
ヘッジトリマは、ほとんど握りながら刈り込むような形状になっており、チェーンソーのような形とよく似ています。ただしチェーンソーは刃が一方向に回転し、大きな枝や木も切っていける構造です。
ヘッジトリマはバリカンのように、往復運動する刃が特徴となっています。例えば枝切りハサミで植木を刈る動作を自動化したもの、と思ってもらって良いでしょう。
実際にはバリカンのような刃が左右についており、長さもあって剪定がしやすくなっています。(刃の長さはおおよそ20~45cm程度)
動力もエンジン式のほかに電動式、充電式とさまざまです。
ヘッジトリマの動力について
ヘッジトリマの動力方式は、下記の種類があります。
- エンジン式
- AC電源式
- 充電式
エンジン式は燃料を消費し、エンジンを回転させて動かすタイプです。非常にパワフルで、燃料を追加し続ければ長時間の稼働も問題ありません。
ただし排気ガスの問題やメンテナンスの手間があり、近年ではあまりメジャーではなくなってきています。AC電源式はコンセントから電力を取り、刃を電動で動かすタイプです。
電源コードが届く範囲ならずっと使えて、ガソリン式にも劣らないパワフルさがあります。その代わり電源コードが届く範囲でしか使えず、場合によっては非常に扱いづらい面も多いです。
充電式は近年のバッテリー技術が進歩したことで、現在主流になりつつある方式となっています。バッテリーに充電しておけばどこでも使えて、作業性が非常に高いです。
以前までパワーが少なく、稼働時間も短いものが多い状態でした。近年では稼働時間の向上とパワフルさを併せ持つようになり、デメリットが改善されつつあります。
扱う上での注意点
ヘッジトリマはその特性上、刃が高速に動くので危険が大きいです。
もちろん刃先に触れないよう注意するほか、高速で切断していくので枝や木が飛び散ります。保護具の着用も必須です。
自宅の庭をお手入れする際は、女性も作業を行うことが多いでしょう。保護具のほかにアクセサリーを外したり、髪をまとめたりして作業を行ってください。
また動きやすい服装と靴を用意し、作業性を損なわないようにするのがポイントです。
バリカンとは
バリカンとは、一般的に髪の毛を刈る理容器具を指します。ただしこの項目では園芸用品である、「剪定バリカン」や「生垣バリカン」についてまとめました。
基本構造は同じで、刃が往復運動を行うことで剪定を行うものです。
園芸用のバリカンとは?
園芸で使われるバリカンは、下記の3種類があります。
- 植木バリカン
- 剪定バリカン
- 生垣バリカン
中でも植木バリカンは、まさに植木で使われるような比較的大きいものを指します。つまりヘッジトリマと呼ばれるような、大きめでプロ仕様のものが植木バリカンです。
家庭用で少し小さめのものが剪定バリカン、もしくは生垣・芝生バリカンと呼ばれます。中にはバリカンと呼んで見た目は大きいけど、仕様自体が家庭用になっているものもあるので注意が必要です。
ただし明確な区別はされていないようで、メーカーによって家庭用のヘッジトリマも商品として販売されています。
大まかな分類では、植木バリカン=ヘッジトリマ(大型のプロ仕様)。家庭用の小型、小さめのものを剪定バリカン、生垣バリカンと覚えておくと良いでしょう。
芝生バリカンは1方向のみに刃がついている
バリカンの中でも、芝生バリカンは少し形状が違います。園芸用のバリカンだと、左右刃になっているものが一般的です。
しかし芝生バリカンの場合、縦方向に刃がついています。横方向に刃がついているものだと、横に動かしながら刈っていくスタイルとなるでしょう。
芝生バリカンだと縦方向なので、横方向だけではなく縦方向にも動かして刈っていけます。まさに芝生で作業を行う際に、扱いやすい形状となっているのが特徴です。
バリカンだと動力は電動タイプが主流
ヘッジトリマの場合、エンジン式がある点について言及しました。しかし家庭用が中心のバリカンですと、最近ではほぼ電動タイプ(とくに充電式)が主流となっています。
理由はエンジン式だと高価になる一方で、充電式は技術の向上に伴い比較的安価な製品が作れるからです。
また長時間の稼働を行う必要もないため、バッテリー容量が少なくても困りません。AC電源式だと逆に取り回しがしづらく、初心者ですとコードに足を引っ掛けて事故につながる可能性もあります。
そのためあらゆる点から考えて、充電式のバリカンが主流となっている状態です。
ヘッジトリマとバリカンの違いについて
ヘッジトリマとバリカンの違いは、結論からお伝えすると同じです。バリカンが広い意味で「刃を往復させて刈り取る器具や工具」を指し、そこから派生して分類や呼び名が多くある状態となっています。
ただし一般的に言われている意味とまた違いがあるので、ぜひ押さえておくと良いでしょう。
一般的に言われるヘッジトリマとバリカンの違い
大まかな分類ですと、ヘッジトリマはチェーンソーのような大型の植木バリカンを指します。
バリカンはその他を指すときに使われやすく、人や環境によってはバリカンと呼んでヘッジトリマを指す場合も多いです。
ややこしいですが、プロ用か家庭用かと区別しておくと分かりやすいかもしれません。
- ヘッジトリマ:大型の植木バリカン、プロ用
- バリカン:小型の家庭用バリカン、芝生・生垣バリカン
基本構造としては、どちらも刃を往復運動させて対象物を刈り取るものです。違いを確認する際は具体的に形状を伝えるか、芝生・生垣バリカンといった製品名で伝えてみると良いでしょう。
実際にはメーカーで呼び名が変わることも多い
メーカーによって、ハンディタイプのヘッジトリマというものもあります。この場合だとプロ仕様ではなく、初心者でも扱いやすいヘッジトリマという立ち位置が正しいです。
さらにマキタからは、生垣バリカンという名称で見た目がヘッジトリマのものもあります。
ロングハンドルタイプですと、山善のガーデントリマやリョービのポールヘッジトリマと名称が変わる点に注意が必要です。
また商品によって、2WAYタイプもあります。刃を付け替えることが可能で、芝生バリカンと生垣バリカンの両方を兼ね備えているものです。
あまり厳密な区別はされていないため、大まかな分類だけ覚えておくと良いでしょう。
ヘッジトリマとバリカンの使い分けについて
ヘッジトリマとバリカンは、実際大まかな区別で言えば同一のものを指しています。しかしプロ用と家庭用という区別なら、使い分けを考える必要があるはずです。
ここではどちらを使い分けたらいいか、詳しくまとめました。
ヘッジトリマとバリカンの使い分け方法
具体的にヘッジトリマは、大型で作業範囲が広い場合に有効です。
例えば仕事用や、広い庭のメンテナンス、剪定で数をこなす場合に最適でしょう。ほとんどのヘッジトリマは左右に刃がついており、横にすべらせるよう選定していく動かし方が主流です。
植木を面で捉えられるため、広い範囲の作業に活躍します。
バリカンは小型で動かしやすく、あまりお手入れを必要としない場面で使うと良いです。ただし分類が細かくなるので、例えば芝生のメンテナンスには芝生バリカンを使ってください。
生垣・剪定バリカンは、ヘッジトリマほど作業をこなさない場合に最適です。
使い分ける際に覚えておくと良いこと
ヘッジトリマもバリカンも、大まかな分類が中心となっています。
そのため大切なのは、「自分の行いたい作業に合っているか」という部分です。植木が高いところにあるなら、ポールで伸ばせるヘッジトリマ、もしくは剪定バリカンがおすすめになります。
庭が狭く、作業量が多くないなら刈り込み幅の短いヘッジトリマ、剪定バリカンで十分です。使い分けをする前に、どの作業に対してどのヘッジトリマ、バリカンが最適か考えてみましょう。
後述する「ヘッジトリマの選び方」もぜひ参考にしてください。
ヘッジトリマの選び方について
ヘッジトリマは、どの動力で動くのかを中心に選ぶと良いでしょう。
- エンジン式
- AC電源式
- 充電式
それぞれ特徴が異なりますので、どんな作業に適しているか確認して選んでください。
エンジン式の特徴
エンジン式は非常にパワーがあり、どんな場所でもどんどん刈り込んでいけます。また燃料を追加すれば長時間の稼働が行えるため、広い範囲の作業に対して有効です。
プロの方はエンジン式を選択することが多く、未だ根強い需要があります。
ただしエンジンを使用するため、騒音・排気ガスとメンテナンスの手間が発生するのは避けられません。場所によっては騒音が問題になることもあるので、使用できない環境があります。
またパワーがあるのはメリットだったものの、近年の電動式はエンジン式に負けません。重さも電動式よりあることから、近年ではやや電動式に主流が移ってきています。
AC電源式の特徴
AC電源式は排気ガスがなく、エンジン式よりも軽くてメンテナンスの手間がありません。
また電力が続く限り稼働を行えるため、燃料を継ぎ足しすることがないです。充電式のバッテリー購入や、エンジン式の燃料・メンテナンスの手間がないので非常に快適と言えるでしょう。
ただし電源コードの届く範囲でしか作業が行えず、作業範囲が限られてしまいます。誤ってコードに引っ掛ける可能性もあるので、扱いづらい面もある点に注意が必要です。
狭い範囲で作業を行うのであれば、AC電源式はメリットが多くなります。
充電式の特徴
充電式はバッテリーに充電を行い、作業範囲にとらわれることなく作業できるタイプです。今まではAC電源式よりもパワーが劣り、使える場所が限られていました。
しかし近年ではよりパワフルになったことで、あらゆる場面でのメリットが増えています。稼働時間が限られているものの、追加のバッテリーを購入すれば問題ない場面も多いです。
追加費用はかかりますが、ガソリン式に比べると費用はずっと抑えられます。作動音が静かなので、住宅地での使用も問題ありません。後片付けがラクなのも特徴です。
ヘッジトリマのオススメメーカーと特徴について
ヘッジトリマは各種メーカーから販売されていて、それぞれ特徴が異なります。この項目ではヘッジトリマのおすすめメーカーを、特徴と一緒にまとめました。
ぜひ参考にしてください。
おすすめメーカー①マキタ
マキタは、国内シェアNo.1のトップメーカーです。エンジン式だけではなく、電動式も取り揃えがあります。また扱える電動工具はバッテリーが共用できるため、新たにほかの工具を揃えるときも扱いやすいです。
プロから初心者まで幅広い層に受け入れられており、多くの方がマキタの電動工具を使用しています。とくにアフターフォローが抜群で、修理3日体制というサポートの良さ。
本体自体の耐久性も高いため、安心して使える点から非常に人気があります。
おすすめメーカー②HiKOKI
HiKOKIは国内シェアNo.2のメーカーで、マキタと直接の競合となります。独自の技術力で使用している方は多く、No.2といってもラインナップはかなり近いものが多いです。
同じくバッテリーをラインナップ内の電動工具と共用できるため、後から工具を揃えたい方にも安心できます。
HiKOKIも同じくエンジン式から充電式、電動式とラインナップが広いです。デザイン性がマキタと違って独特なので、好んで使用する方が多いのもうなずけます。
おすすめメーカー③ゼノア
ゼノアは100年以上の歴史があるメーカーで、エンジン式のヘッジトリマが主流です。ハスクバーナの子会社となったため、現在では「ハスクバーナ・ゼノア株式会社」となっています。
長年培ってきた技術力により、パワフルかつ燃費のよいエンジン式が特徴的です。とくに園芸職人のようなプロは、ゼノアのヘッジトリマを使う傾向にあります。
おすすめメーカー④リョービ
リョービはおもにDIY用からプロ用まで、幅広い電動工具を展開しているメーカーです。
とくにDIY用の電動工具はコストパフォーマンスに優れているため、初心者の方が初めて購入するメーカーとして人気があります。
もちろんヘッジトリマも入手しやすい価格設定で、軽作業なら安価に購入することが可能です。リョービは刃の形状から刈り込み幅の選択肢が広く、状況に合わせたヘッジトリマ選びが魅力的となっています。
まとめ
ヘッジトリマーとバリカンの具体的な仕組みや用途の違いなどについて解説してきました。
電動工具つについては、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、関連記事も読んで参考にしてみてください。
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