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防炎シートの選び方や防火シートの違いについて解説します

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防炎シートは建築現場や塗装工事の現場などで利用され、特に建築現場では、囲いや目隠し、養生などの目的で活用されています。

そんな防炎シートは、よく防火シートや難燃シートとその違いを比較されます。

ということで今回は、防炎シートについて具体的な利用シーンや使用される目的、防火シートや難燃シートとの使い分けなどについて解説していきたいと思います。

これから防炎シートの購入を検討している方はぜひ、最後まで読んで参考にされてみてください。

防炎シートとは?用途や利用シーンについて

防炎とは、炎が当たる部分が焦げ付くだけで簡単には着火せず、たとえ着火したとしても「自己消化性」により燃え広がりにくい性質のことです。

つまり、防炎シートは「燃えづらく、(燃えはするが)燃え広がらない」特性を持ったシートといえます。

そんな防炎シートですが、他の「防火シート」「難燃シート」「スパッタシート」などとは性能・機能が大きく異なるため、場面による使い分けも必要です。

ここでは、まず防炎シートについて理解していきましょう。

防炎シートについて

防炎シートは耐火性や難燃性を持つ塩化ビニルやポリエチレンを素材に作られています。

たとえ着火しても防炎シートの自己消化性により容易には燃え広がらないため、工事現場や建設現場をはじめ危険を伴う様々なシーンで活用できるのが魅力です。

このように、自己消化性により延焼拡大を自ら防止する性能のことを「防炎性能」と呼びます。

防炎シートは消防法で定められる「防炎規制」により、一定の防炎性能基準をクリアした「防炎物品」として扱われています。そのため、火災が起こる可能性が高い場所を中心に、特定の場所での使用が義務づけられているのが特徴です。

特定の場所とは、以下のように高層建築や地下街、不特定多数の人が往来する「特定防火対象物」が該当します。(消防法施行令別表第1)

  • 飲食店
  • 映画館、劇場
  • 遊技場、ダンスホール
  • キャバレー、ナイトクラブ

火災が発生した場合に被害が大きくなりやすい場所が主な対象になっており、人々の安全な生活を守るうえで欠かせないものといえるでしょう。

防炎シートの用途や利用シーン

防炎性能にくわえ強度や耐久性もある防炎シートは、落下物の飛散を防ぐ目的で作業現場において養生や目隠し・囲い、テントの屋根として使用される場合が多いです。

他にも塗装作業やイベント会場など幅広い用途で活用されますが、特に建築・工事現場において防炎シートは重要な役割を果たします。

建築・工事現場は、火災や落下物のリスク以外にも、塗料や粉じんの飛散も多い危険な環境です。これら作業現場の問題は、作業員はもちろん通行人にも影響が及ぶ場合もあるため、防炎シートの利用は必須といえます。

他には、以下のようの場面・利用目的で使われています。

  • 橋梁工事の安全をサポート
  • 建築現場における壁面養生で視認性の向上
  • 壁面養生によって作業環境に光を取り込む目的
  • 屋外で資材カバーとして使い火災を防止

防炎シートの種類

防炎シートに使われる材質・カラーには様々な種類があります。

防炎シートは主に「種類(材質・カラー)」と「規格」によって分類されます。
ここでは、各々の分類について詳しく説明していきます。

用途に合った適切な製品を選ぶうえで、基本的な内容なので是非参考にしてみてください。

ポリエチレン(PE)

ポリエチレンは塩素が含まれていないため、燃焼してもダイオキシンなどの有害な物質が発生しないのが特徴です。プラスチックの中でも軽量で扱いやすいのにくわえ、耐久性にも優れています。
エコで使いやすい防炎シートを求めている場合におすすめです。

塩化ビニル

最もスタンダードなコーティング方法である「塩ビコーティング」を施しており、入手しやすのが特徴です。

ブルーやホワイトをはじめカラーバリエーションも豊富。
さらに気密性・防水性にも優れ、塗装や粉じんの飛散防止にも有効です。

ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレンは軽量でありながらも、強度と耐久性に優れたプラスチック素材です。原材料が安く、加工性にも優れていることから様々な用途に使われています。

吸水性が低いため、薬品に触れても変形しづらい「耐薬品性」に優れているのも特徴です。メッシュ防炎シート・透明防炎シートなどの素材として使用されています。

防火シートの規格

防炎シートの規格は「1類」と「2類」に分類されます。

両者は防炎性能については変わりませんが、「引張強度」が異なります。引張強度とはJISによって定められた基準で、材料が破断するまで引っ張った時に生じる最大圧力のことです。

引張強度は2類の方が強く、1類はシートだけで落下物を受けとめられる強度があるのに対し、2類は金網を併用するのが前提の設計で1類より強度がありません。

両者は防炎性と引張強度の他、「対貫通性」や「はとめ強さ」などによっても評価され、それぞれの基準をもとに1類と2類に分類されます。

防炎シートの選び方

防火シートの選び方としては、主に以下3通りがあります。目的や利用シーンに応じて、適切な製品を選べるようにしましょう。

材質

すでに説明した通り、防炎シートは材質によって主に以下の種類に分類されます。

  • ポリエチレン(PE)→軽量で作業負荷の軽減が期待できる
  • 塩化ビニル→最もスタンダードといえる防炎シート
  • ポリプロピレン(PP)→メッシュ防炎シート・透明防炎シートの素材

素材によって重さ・見た目も変わるので、用途に応じて慎重に製品を選びましょう。

形状

形状による分類としては主に「シートタイプ」と「クロス(ロール)タイプ」があります。
シートタイプはすぐ使用できるため便利で、ハトメや補強ロープなどの加工が施されているのが特徴です。

●ハトメについて

布や紙に空きた穴が破れないように補強するための「リンク状の金具」のことで、スニーカーの靴ひもを通す穴などが該当します。

クロスタイプはシートを加工する前の原反が巻かれた状態を指し、加工していないためシートタイプのようにハトメや補強ロープはないのが特徴です。広範囲に養生する場合などに向いています。

機能

防炎以外の機能を持ち合わせたタイプもあります。

メッシュタイプの防火シートは通気性・視認性ともに優れ、使用することで現場の風通しを確保できるメリットがあります。

また防音シートにも防炎機能が備わっているタイプがあり、使用すると約10~20dBの防音効果が期待できます。

以上、3つが防炎シートの主な選び方です。
その他、販売業者によっては防炎シートをオーダーメイドできる場合があるので、参考にしてみてください。

防炎シートと防火シートの違いと使い分けについて

防炎シートは「炎の可燃性を抑える」防炎剤が添加された素材で作られ、シートの効果を高めてくれます。

一方の防火シートはガラス繊維や耐熱ポリマーなどを素材に作られており、高い「耐火性能」があるのが特徴です。

つまり、防炎シートは炎を「抑え込む」特性があり、火災が拡大するのを防ぐため。

対して防火シートは、そもそも「燃えにくい素材できている」ため、火災が起こった際も容易に燃えないメリットがあり使われているといえるでしょう。

防炎シートと防火シートの具体例な使い分けは以下の通りです。

防火シート

・建物の出入口、避難経路など「人の身を守ることにつながる場所」

・工事現場、イベント会場など「火災に対するリスク管理が必要な場所」

防炎シート

・建物や設備の周り「火災の発生や拡大を軽減するため」

・配線やパイプ周り、防火扉など「火災が発生しやすい箇所」

防炎シートとスパッタシートの違いと使い分けについて

スパッタシートとは、主に溶接作業時に出る火花が飛び散り、火災が発生するのを防止する目的で使用されるシートを指します。

優れた防炎効果・耐熱性(700℃以上に耐えれるシート有)があるため、キャンプで焚火をする際の芝生への引火防止に使用したり、また風よけに使われたりする場合も多いです。

防災シートは優れた防災効果をいかし、スパッタシートと同じく主に建設現場などの養生目的で使われます。また、落下物が人にあたるのを防止するために使用される場合も多いです。

防音性にも優れているため、工事の音を軽減する役割もあります。

火花が飛び散る溶接現場では「スパッタシート」を、人の行き来が多く落下物や障害物もある現場では「防炎シート」といったイメージでしょう。

防炎シートと難燃シートの違いと使い分けについて

 

難燃とは、合成樹脂をはじめとした繊維の原料を燃えづらい性質にするための加工方法のことです。

具体例には、火があたっても素材が5分間は燃焼せず、有害な煙やガスや煙が発生しないこと、防火上有害な変形や溶解をしないことなどを指します。

難燃シートも防炎シートと同様に十分な引張強度がありますが、「防水性」については差があるので使い分けが必要です。

防災シートに関しては3層構造になっているのが特徴で、さらに中心部の布地がコーティングされているため基本的には水を通しません。

一方の難燃シートはコーティングされていないので、水を吸収してしまいます。

コーティングされている難燃シートもあり、ある程度は水を弾きますが、そこまで効果は期待できません。屋外など雨風の影響がある場所では、防炎シートを利用しましょう。

難燃シートは、自動車のシートとして、ケーブルの放火・火災対策、延焼防止などに利用される場合が多いです。

まとめ

今回は防炎シートについて具体的な利用シーンや使用される目的、防火シートや難燃シートとの使い分けなどについて解説していきました。

この他にも電動工具やDIYに関する知っておきたい知識は、まだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。