NEWS
新着情報

ドリルドライバー(ペン型)の選び方や特徴、購入前の注意点などについて解説します

ハンズクラフトのロゴ

ハンズクラフト西日本最大級の工具専門リユースショップです。

ハンズクラフト【工具専門】西日本最大級の総合リユースショップです。

当店は創業20年以上、工具・家電を中心に扱うリユース専門館です。お買取りした中古品を綺麗にメンテナンスして新たな価値を吹き込み、福岡・北九州地域を中心に沖縄や山口・広島まで13店舗を展開中です。各記事は工具専門のスタッフや、工具・家電の修理専門部門が監修・執筆しています。

ペン型電動ドライバー、ペンドリルドライバー、ペンインパクトドライバー。

ガングリップ型の電動工具は様々な名称や種類があるので、意外と理解出来ている方は少ないのではないでしょうか。

ちなみに上記の工具は、すべて用途や使い方が異なる電動工具です。

何となく違いを知っていても、きちんと理解していない方も多いと思いますので、今回はその中のひとつである「ペン型のドリルドライバー(ペンドリルドライバー)」について解説していこうと思います。

ペン型ドリルドライバーとは?どんな作業で必要なのか?

ペン型ドリルドライバーは作業に合わせて本体を折り曲げたり、伸ばしたりして使用できるペン型のドリルドライバーです。

構造上、通常のガングリップ型と比べてトルクが弱くなっていますが、その代わり、細かくトルクを設定できる強みがあります。(トルク=締め付けるときのパワー)

トルク調整が細かく設定できるため、小さいネジを締め付けたり、精密機器を組み立てる現場では重宝されています。

また作業スペースが狭い場所での作業に最適で、プロ・アマ問わず愛用されています。

ちなみに「ドリルドライバー」はメーカーによっては「ドライバドリル」と表記されることがあり、メーカーによっては名称が異なります。基本的には呼び方が違うだけですので、同じ電動工具のことを指しています。

※この記事では以降、「ドリルドライバー」で統一します。

ガングリップ型との違いや使い分けについて

ドリルドライバーは、ペン型とガングリップ型の二種類が存在します。

この章ではガングリップ型の特徴とペン型との違い、使い分けについて解説していきます。

ガングリップ型の特徴と違い

ガングリップ型は、ドリルドライバーのラインナップ中もっともメジャーなタイプです。

対応している電圧も豊富にあり、小型の3.6Vから大型の36Vのものまでたくさんあります。最大クラスのものでは150N・mのものが存在します。

一方でペン型ドリルドライバーの場合、電圧が3.6Vから7.2V、トルクも最大で8N・mほどしかありません。

ややペン型ドリルドライバーは用途が限られてしまうので、用途はしっかりと分けるべきでしょう。

ガングリップ型との使い分け

ガングリップ型は大きなトルクが必要な場合に最適で、高負荷作業が必要な場合に向いています。ですが、高負荷作業に適している分、本体サイズが大きく、重量もペン型と比べると重いです。

一方、ペン型ドリルドライバーの本体はスリムで軽く、折り曲げたり伸ばしたりと形を変えることができるので狭い場所や高い場所での作業に最適ですが、大きなパワー(高トルク)が必要になる場合には不向きです。

ですので、高負荷作業がメインならガングリップ型を使用し、狭い場所や高所作業などが多く、それほどトルクが必要ない作業に使うなら、ペン型タイプのドリルドライバーがオススメです。

【ペン型ドリルドライバーが得意な作業】

・周りにぶつかるようなものがある細かい場所
・狭い場所での作業
・上向きの作業

上記の場合だとガングリップ型よりもペン型タイプのドリルドライバーが使いやすいです。

インパクトドライバーとの違いについて

似ている工具として「インパクトドライバー」があります。インパクトドライバーにもガングリップ型タイプのものとペン型のものが存在し、「ペンドリルドライバーとペンインパクトドライバーのどっち良いの?」と疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ちなみに、インパクトドライバーとドリルドライバーには以下のような違いがあります。

【インパクトドライバーとドリルドライバーの違い】

  • 回転方向への打撃
  • チャックの形状
  • トルクの調整ができるかどうか
  • ネジ締めモード(クラッチ機能)

それぞれ詳しく解説していきますので、特徴の違いについてみていきましょう。

回転方向への打撃の有無

インパクトドライバーとドリルドライバーのもっとも大きな違いは、回転方向に与えられる打撃の有無があります。

実はインパクトドライバーとドリルドライバーとでは、内部構造が異なり、インパクトドライバーは衝撃を作り出すことで、より強いトルクを作り出すことが可能になっています。

ちなみに、インパクトドライバーのインパクトというのは「打撃・衝撃」を意味します。

ですので、インパクトドライバーは回転方向に打撃の力が加わり、その衝撃によって大きなパワーが発生する仕組みになっています。

デメリットとしては、衝撃を加えて力を増幅させる仕組み上、使用時の振動と音、ブレの大きさが気になります。特に大きく振動する工具は、取り扱いに慣れが必要ですので、そのあたりはデメリットとして挙げられるでしょう。

 

一方、ドリルドライバーは打撃を加える構造にはなっていないため、インパクトドライバーよりも扱いやすいと言われています。

打撃や衝撃が加わらない分、使用時の振動の少なさやブレが少なく、扱いやすいようです。

デメリットとしては、インパクトドライバーよりもトルクが弱くなってしまうため、作業内容によっては「別の電動工具を使用する」という選択肢が必要な点だと思います。

 

ちなみに、インパクトドライバーでは回転方向への打撃で衝撃が加わるため基本的に穴あけ作業は向きません。穴あけ作業を行う場合は、ドリルドライバーを使用することをオススメします。

チャックの形状

ドリルドライバーの多くはビットを差し込むチャックが3つの爪になっているため、丸形・六角どちらの軸(ビット)も使用できます。

※3つの爪が規定の範囲で広がったり狭まったりするので、あらゆる形状にフィットする仕組みです。

そのため、太い軸から細い軸まで使用でき、場面によって使用するビットを使い分けることができます。

 

一方、インパクトドライバーはロック式のチャックが採用されていることが多く、使用できるビットの形状は基本的には、六角軸タイプのものになっています。

そのため、インパクトドライバーで使用しているビットはドリルドライバーでもほとんど使用可能ですが、ドリルドライバーで使っているビットをインパクトドライバーに取り付けることは基本的にはできません。

トルクの調整ができるかどうか

ドリルドライバーにはトルクを調整するリングがあり、用途に応じてさまざまなトルクに設定して使用できます。

一方、インパクトドライバーにはトルクを調整するような機能はついていません。そのためより繊細な作業を行う際は、ドリルドライバーを使うと良いでしょう。

とくにパワーがある(高トルクな製品)とカムアウトという現象が起こり、ネジの山を潰してしまう場合もあります。

硬い材質へのビス打ちや長時間の連続使用など高負荷作業を必要としない場合は、インパクトドライバーよりもトルク(パワー)も調整しやすいドリルドライバーが良いかもしれません。

用途や利用シーンなどを踏まえて、どちらの電動工具が必要なのか選んでいくことは大切になります。

ネジ締めモード(クラッチ機能)の有無

ドリルドライバーには、適切なパワーに抑えられる「ネジ締めモード」という機能が存在します。

この「ネジ締めモード」を使用するとクラッチが働き、設定した以上のパワーは発生しないメリットがあります。ネジの締め過ぎや素材の破損を防止できる便利な機能です。

この機能はドリルドライバーにのみ搭載されていることが多く、ほとんどのインパクトドライバーには、そのような機能がありません。

そのため、スイッチの引き具合によって締め付ける力を調整する必要があり、多少の慣れが必要です。

ただし、マキタのTD171Dなどの一部機種では、インパクトドライバーでも適切な利用シーンに応じた力加減に調節してくれる機能が存在しますので、それらの機能が搭載されているインパクトドライバーを選んでみるのも一つの選択肢だと感じます。

ペン型ドリルドライバーが向いている作業と不向きな作業

ペン型ドリルドライバーにも、得意な作業と不得意な作業が存在します。この章では具体的に向いている作業と、不向きな作業についてまとめました。

ペン型ドリルドライバーが向いている作業

ペン型ドリルドライバーは、軽くてコンパクト、用途にあわせてトルクや回転速度を調整できるのが大きな特徴です。

そのため次のような作業で力を発揮します。

  • 狭い場所での作業
  • 細く短いネジの締め付け
  • もろくて壊れやすい素材の締め付け
  • 精密機器の組み立て、修理
  • 配電盤のネジ締め作業
  • 鉄や木材などの穴あけ作業

ペン型ドリルドライバーは上記のような、穴あけ作業や狭い場所での作業ちょっとしたネジの締付け作業などに向いています。

高トルクが必要なければ、ペン型インパクトドライバーと利用シーンが被ることも多いです。

ペン型ドリルドライバーが不向きな作業

ペン型ドリルドライバーの欠点として挙げられるのが、トルクの低さ(パワー不足)です。そのため、次のような作業にはあまり向きません。

  • 太く長いネジや、大きなトルクが必要となるネジ締め作業
  • 大きな穴をあける作業

上記のような作業が必要な場合は、ガングリップ型の採用やペンインパクトドライバーの採用を視野に入れる必要があります。

ペン型ドリルドライバーの選び方と注意点について

ペン型ドリルドライバーは、各メーカーが複数のラインナップをそろえています。

その中から自分に最適な工具を選ぶことは失敗しないためにも重要になってきます。ですが、初めてペン型ドリルドライバーを購入する場合、どのように選んでいけば良いか正直、迷うと思います。

ということで、この章では選び方のコツや選ぶ前に知っておきたい注意点などについてご紹介します。

ペン型ドリルドライバーで重要なのはトルク値

ペン型ドリルドライバーを購入する場合、一番に把握しておきたいポイントが、この「どの程度のトルク値が必要なのか把握する」ということだと思います。

トルク値は、「高ければ高いほど良い」というわけではなく、必要に応じたトルクに設定する必要があります。ですので、開けたい穴やネジの大きさ、材質などを調べて、最低限、どの程度のトルクが必要なのかを把握しましょう。

その上で、機種によって「最大トルクや穴を開ける能力、どれくらい締め付けられるか」などの仕様が異なるため、それらの違いを把握すると自分に合ったモデルが見つかります。

 

ちなみに、機種によっては回転速度の切り替えが出来ない場合があります。回転速度の切り替えは、穴あけ作業やネジ締め作業の効率を高めてくれる機能です。

さらにネジの締め付け本数をカウントする、便利なオプション機能をもった製品も存在します。

必要に応じて搭載機能も選ぶと失敗が少なくなるはずです。

電源方式をどちらにするか選ぶ

電力供給には充電式のものと、電源コード式のものがあります。

充電式のものは邪魔なコードもないため、取り回しもよく、どこにでも持ち運んで作業できるのが特徴です。そのかわり充電時間を気にする必要があります。

ですので、実際に使用しようと思っていても、バッテリー残量が少ない場合は、本来の性能を引き出すことが難しく、残量が空の場合は、製品を動かすことができなくなります。

その他にも、長期間の使用によってバッテリーが劣化した場合には、バッテリー交換をおこなう必要がでてきます。

バッテリータイプは主流となっていますが、バッテリーがある分重量も重く、電源コード式に比べて高価です。

一方、電源コード式のものは使用場所が制限されるかわりに、充電時間を気にすることなく使用できますし、バッテリー寿命を気にする必要もありません。

またバッテリーがない分、軽量で価格も安くなります。

ペン型ドリルドライバーを選ぶ際の注意点

ペン型ドリルドライバーは、選ぶ際に最大トルクを十分に注意して選択しましょう。

なぜなら規定以上のトルクは出せないため、パワーが足りないとそもそもネジの締め付けもできません。

そしてペン型ドリルドライバーは、最大のものでもトルク値が8N・mほどです。

トルクが必要なときにはガングリップ型のドリルドライバー、もしくはインパクトドライバーが必要になります。

実際に作業する内容や環境(場所、時間)をよく考えて、適切な工具を選定しましょう。

DIY用で購入する場合のオススメな選び方について

ご家庭でのDIY用であれば、プロの職人が使用するほどの多機能、高性能のものを選ぶ必要はありません。

簡易的な機能に絞ったもので、価格を抑えたものから選定するのがおすすめです。

大手の電動工具メーカーでは、プロ用の電動工具とDIY用の電動工具をわけたラインナップをそろえています。DIY用のラインナップの中から選定しましょう。

プロ用とDIY用の違いについて

プロ用のものは業務での長時間・長期間の使用に耐えられるよう、十分な耐久性があります。

また消耗部品も、交換しやすい構造になっているものがほとんどです。

性能面でもメーカーの最先端の技術を盛り込んだものになっています。

一方DIY用のものは、そこまで長時間・長期間酷使されることは想定されていません。

付属のバッテリーも1.5Ahなどの低容量のものがほとんどですし、耐久性も抑えられた設計になっています。

性能面でもプロ用に比べれば抑えられていますが、その分リーズナブルです。

ご家庭のDIY用であれば、ネジの締め付け本数をカウントする必要もないでしょう。回転速度を切り替えてまで、作業の効率を求めるケースも少ないはずです。

特に初心者の場合は、簡易的な機能に絞ったもののほうが取り扱いやすく、手軽に使用できます。

DIY用なら複数ビット付属の製品と店頭でのお試しがおすすめ!

DIY用モデルの中で、複数のビットがセットになって販売されているモデルが存在します。

複数のビットが付属している製品は追加でビットを購入する必要がなく、購入後すぐに使用できるため、初めて購入する場合にオススメです。

ただし、初めて電動工具を購入する場合は、できるだけ実物に触ってから相性が良い製品を選ぶ方が無難です。特に「片手で保持できるのか?」や「トリガーは引きやすいか?」など、実際に触ってチェックしないと気づけ無い良さもあります。

ホームセンターやDIY系のワークショップでお試しコーナーがある場合は、実際にビスを打ってみることをオススメします。

主要な国内メーカーの一覧と特徴について

ペン型ドリルドライバーを扱っている主なメーカーは、次のとおりです。

  • マキタ
  • HiKOKI
  • パナソニック
  • KYOCERA
  • ボッシュ

それぞれ特徴とともに解説していきます。

マキタ

電動工具といえばマキタと言えるくらい、国内では代表的なメーカーです。電動工具の国内トップシェアを誇っています。

充電工具のラインナップも豊富で、バッテリーを使い回しができるのもメリットです。

家具職人や大工さんのような木工系の職人さんから、特に高い人気があります。

またDIY用のラインナップも、プロ用と遜色ない品質で高性能なものが多いです。

電動工具にこだわりたい人は、マキタのものを選んでおけばまず間違いないでしょう。

HiKOKI

旧日立工機で、かつてはマキタと肩を並べる国内シェアを誇った電動工具メーカーです。

最近では国内シェア率No.2として、画期的な充電工具マルチボルトシリーズを展開。

マキタと同じく豊富な充電工具のラインナップを多数そろえています。木工系以外だと、鉄工や製造業者にもよく使用されているメーカーです。

パナソニック

電気設備業者から圧倒的な人気を誇るメーカーです。

ペン型ドリルドライバーでは、マキタにはない3.6Vのものからラインナップをそろえています。(マキタは7.2Vから)

精密機器のネジ締めや繊細な作業に向いているのが特徴です。電気工事用としてなら、パナソニックのものが有力な候補になるでしょう。

KYOCERA

2018年にリョービ株式会社のパワーツール事業を承継し、設立された京セラインダストリアルツールズ株式会社のブランドです。

プロ用、DIY用ともラインナップは豊富で、エントリーモデルとして初心者向けに比較的リーズナブルな製品も取り扱っています。

ボッシュ

日本国内ではそこまでシェアがないものの、世界的にはマキタをしのぐシェアをもったドイツのメーカーです。

頑強なつくりとデザインで根強い人気があります。

まとめ

今回は、ペン型のドリルドライバー(ペンドリルドライバー)について、その他の工具との違いや特徴、購入前の注意点などについて、その選び方を解説してきました。

この他にも、知っておきたい工具の知識について解説した記事がありますので、ぜひ、その他の記事も参考にされてみて下さい。