ダブルアクションサンダーとポリッシャーの違いや選び方について解説します
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ダブルアクションサンダーは圧縮空気を動力源とした「エアーツール」の1つです。エアー源から大きなエネルギーを得ることができることから、DIYやものづくりなど様々なシーンで活用されています。
「サンダー」とは研磨に特化した機能が多数搭載されている、日本語でいう研磨機のことですが、研磨以外にも、塗装はがしやサビ取り、バリ取りなどにも使用されます。
そこで気になるのが、ポリッシャーとの違いや使い分けです。
ということで今回は、ダブルアクションサンダーとポリッシャーとの違いや使い分け、ダブルアクションサンダーの選び方について解説していきます。
エアー式のサンダーは電動式に比べてコンパクトな作りであるため、通常の工具では届かない箇所の仕上げに使えるなど、メリットがたくさんありますので、ぜひ、最後まで読んで参考にされてみてください。
ダブルアクションサンダーとは?
ダブルアクションサンダーは、塗膜はがしやパテ補修後の表面を研磨する際などに使用するエアー式の研磨機です。研磨力が強く、粗研ぎから仕上げまで幅広く活用できます。
ダブルアクションサンダーは中心部から前後・側方に回転軸が動く「偏芯(へんしん)」により素材を研磨し、円滑な二重回転をするのが特徴です。
この偏芯量(別称 オービット・ダイヤ)の大きさに比例して、研削力も強くなります。
逆に偏芯量が小さい場合は仕上げ向きとなり、用途に合わせて使い分けされるのが一般的です。
またダブルアクションサンダーには、身体や環境に影響を及ぼす可能性がある粉塵・削りカスなどを吸収する「集塵ホース取り付け口」もあります。
安全に使える機能、地球環境に配慮した仕組みを取り入れている点もダブルアクションサンダーの強みです。
ダブルアクションサンダーはどんな用途で使う?
研磨力が強いため、粗研ぎから仕上げまで幅広く使用できます。
ただ、ダブルアクションサンダーの研磨力は、研磨方式の中で高くも低くもなく「中」くらいにあたります。そのため面だしや木工作業、荒研ぎなどよりも、塗膜はがし・パテで補修した表面の研磨など「中研ぎ」で使うのが一般的です。
ダブルアクションサンダーと比較して、高い研磨力が不要な面だしは「オービタル」荒研ぎは「シングルアクション」など、他の研磨方式の方が適しているとみなされています。
ダブルアクションサンダーとポリッシャーの違いや使い分け
ポリッシャーは塗装の艶出し・仕上げから、塗装表面の細かな研磨に至るまで幅広い作業に対応できる電動工具です。
研磨力は強くないため、主に仕上げ目的に使用されるのが一般的です。
カー用品の傷んだ塗装を削って整えることに用いられる場合も多く、あたかも新品のような仕上げになると定評があります。
ここでは、ダブルアクションサンダーとポリッシャーの特徴を比較し、どのように使い分けるのが適切かを解説していきます。
ポリッシャーとの用途の違いについて
ダブルアクションサンダーとポリッシャー両者の大きな違いは「研磨力」です。
すでに説明したように、ダブルアクションサンダーの研磨力はそこまで強くなく「中くらい」と捉えていいでしょう。
対して、ポリッシャーは「バフ(研磨)」を使い、一般的には仕上げ目的で活用されるため研磨力は弱めです。
バフ研磨とは主にステンレスの表面の仕上げで使われる研磨方法の一つです。
バフは綿やフェルトを素材にして作られており、ステンレスなどの表面に回転させながらあてがうことで研磨します。磨くとはいっても表面が直接ツルツルになるわけではなく、素材の表面に細かな傷をつけて光沢を出すといった仕組みです。
研磨力こそ違いはありますが、各々が得意としている作業領域は異なるので、使う素材や目的によって適切に使い分ける必要があります。
ポリッシャーとの使い分けについて
両者の用途をまとめると以下のようになります。
- ダブルアクションサンダー : 広範囲の研削・研磨
- ポリッシャー : 塗装の傷とり研磨、艶出しなど仕上げ
木材や金属などを広範囲で加工したい場合は、ダブルアクションサンダーが適しています。ペーパーの粗さを変えることで仕上げにも対応できるため、1つあれば現場で重宝するでしょう。
しかし、塗装後の傷とりや艶出しなど、繊細な作業をするには研磨力が強過ぎてダブルアクションサンダーは向かないといえます。塗装を整えるような作業の場合は、削り過ぎを防止するためポリッシャーがおすすめです。
さらにポリッシャーの中でも「ダブルアクション式」を使用すれば、より精度の高い作業ができます。
ダブルアクションポリッシャーは主に研磨や艶出しといった仕上げ作業に使われる、ディスクの上をパッドが回転して稼働する電動工具を指します。
回転の力で作業効率の大幅アップを実現でき、初心者でも扱いやすいのが魅力です。
ダブルアクション式は偏芯運動の仕組みを導入しているため、油膜や水シミ、小さい傷など簡単には落とせない汚れにも効果を発揮します。
さらに負荷に応じてランダムに回転が切り替わる機能もあるため、研磨面を不用意に傷つけたり削り過ぎたりすることも防止できます。
サンダーの種類について
ここまで説明してきたダブルアクションサンダーの他には、主に以下の種類があります。
それぞれの用途と特徴を確認していきましょう。
オービルサンダー
研磨ペーパーを装着して、主に塗装膜やパテの研磨、仕上げ、面だしなどに使用するエアー工具です。
研削力はダブルアクションサンダーに比べて劣るものの、削り過ぎず均一に研磨できます。
ミニタイプ・ワンハンドサイズ(ペーパーサイズ75×110)、ワイドタイプ(100×180)に分けられます。
シングルサンダー
サンディングペーパーを活用した高回転での塗膜はがし、バフを使用して塗装面のポリッシングに利用します。軽量・小型で使いやすい、バーティカルタイプのエアーポリッシャーです。
サンダーを種類ごとに比較すると、以下のようになります。
研磨方式 |
研磨力 |
動き |
用途 |
オービタル |
小 |
角型パッドが反時計回りに回転 |
「面だし」 : |
ダブルアクション |
中 |
円形パッドが偏心軸を中心に時計周りに回転 |
「中研ぎ」 : パテで補修した表面の研磨など |
シングルアクション |
大 |
円形パッドが偏心せず、 時計周りに回転 |
「荒研ぎ」 : 塗装はがし サビ取り ポリッシングなど |
ダブルアクションサンダーの選び方
ダブルアクションサンダーにも様々な形状やサイズがあるので、選び方に迷うと思います。
そこで、ここではダブルアクションサンダーの主な選び方を紹介していきます。
作業効率を発揮できるかで選ぶ
いつも同じ作業でサンダーを使用すると限らないので、状況に応じて作業効率を発揮できるかを考慮する必要があります。
■研磨面が広い場合
径が大きいダブルアクションサンダーを使用。100mmもしくは150mm程度のサイズを使い分けるのが作業効率的におすすめ
■研磨スペースが狭い場合
50mm程度のダブルアクションサンダーが作業効率やスピードアップの面でおすすめ一般的なサイズでも対応できるが、角があたり研磨し過ぎてしまう場合があるので注意
■動力源のエアーが無い場合
エアー工具よりもトルクがあり、研削量を増やせる「電動」のダブルアクションサンダーがおすすめ。ただし、バッテリーが内蔵するタイプだと、重くて操作性が低下する場合があるため注意が必要。
オービットダイヤのサイズ
サンダーを活用して効率的に研磨できるかは、回転軸の「オービットダイヤ」のサイズ(偏芯量)によって決まります。
オービットダイヤのサイズは、以下の方法で算出するのが一般的です。
■オービットダイヤのサイズの選び方
「ローターシャフトの中心軸と研磨パッドの中心軸の距離×2」
オービットダイヤのサイズが大きくなるほど研削力が強くなります。
■偏芯量による特徴の違い
偏芯量 |
研磨効率/ |
大きい |
研磨効率(向上)/研磨跡(大) |
小さい |
研磨効率(低下)/研磨跡(小) |
製品によって基準は異なりますが、目安として「3.0mm仕上げ用」「4.8~6.0mm 汎用」「10mm 荒研磨用」がオービッドダイヤのラインナップとなるケースが多いです。
集塵方式で選ぶ
ダブルアクションサンダーには、身体にも影響を及ぼす粉塵や削りカスを吸収する、以下2つの集じん方式があります。
吸塵式・他吸塵式
排気を利用した吸出し機構により、吸い取った粉塵・削りカスを集じんバックに集める特徴を持ちます。ですが、吸塵式でもマスクやゴーグルは必須ですので注意が必要です。
非吸塵式
単独の排気口を持つタイプ。集じんは行わないため、喚起するなど環境への配慮が必要。
研磨用ディスクペーパーの選び方
ダブルアクションサンダーを使う場合に、研磨用のディスクペーパーを使う必要があります。
研磨用ディスクペーパーは取り付け方法によって「マジックペーパー」「のり付き」タイプに分類されますので、それぞれの違いについて把握していきましょう。
マジックペーパー
ディスクペーパー裏面が柔らかい布地になっており、面ファスナー(マジックテープ)で取り付けできるようになっている。何回でも取り外して使える。
のり付き
剝離紙をはがしてパットに取り付ける。取り付けの手間はかかるが一定の研磨力はあり、マジックペーパータイプと比べて安価です。
ダブルアクションサンダーを購入する際に気をつけたいこと
ダブルアクションサンダーを購入する際には、サイズ・機能・パワーをはじめとしたスペックをしっかり確認しましょう。
サイズはmm表記され現物がイメージしづらい場合があるので、実際にメジャーを使用してみると想像とのギャップが少なくなります。
機能面やパワーについては、特定の販売サイトだけではなくメーカーの公式サイトもみて、正確な情報を確認するようにしてください。
特にパワーに関しては作業効率を向上させ工数削減につなげる大切な項目になります。
数値を確認するだけではなく、実際の動作をある程度はイメージできるのが理想です。数値を確認しただけではピンと来ない場合は、メーカーに直接問い合わせて詳しく聞いてみてもよいでしょう。
また、ダブルアクションサンダーの動力源はしっかり確認するようにしてください。
販売サイトによっては、動力源の記載がどこにあるか分からなかったり、分かりづらくなっていたりする場合があるので注意しましょう。
動力源はエアー・電動・バッテリーのいずれかに該当するため、必ず確認してください。
まとめ
今回は、ダブルアクションサンダーとポリッシャーとの違いや使い分け、ダブルアクションサンダーの選び方について解説していきました。
この他にも電動工具やDIYに関する知っておきたい知識は、まだまだあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
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