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糸鋸盤とバンドソーの用途や使い分けの違いについて解説します

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糸鋸を活用した電動工具の中に、「糸鋸盤」というものがあります。

この糸鋸盤は非常に便利な一方で、特徴や用途を知らないと思ったような加工が行えません。

ということで今回は、糸鋸盤について解説していきたいと思います。その他にもよく似ている工具として挙げられるバンドソーとの違いについて解説していきます。

これからバンドソーや糸鋸盤の購入を控えている方はぜひ、最後まで読んで参考にされてみてください。

糸鋸盤とは

糸鋸盤とは、卓上で糸鋸を使用できるようにした工具です。加工したいものを置き、固定した状態で動かしながら加工ができます。

このときカットする仕組みが糸鋸と同じなので、自動で糸鋸を動かしてくれるところに当てるイメージが分かりやすいかもしれません。

実は構造がいくつかあり、特徴がそれぞれ異なります。

  • バネ式
  • パラレルアームシステム
  • パラレルリンクシステム

バネ式は一般的な糸鋸盤に見られる構造で、糸鋸をバネで釣っているような仕組みです。

そして下部にあるモーターにより糸鋸を引っ張り、強力なバネで引き戻します。この動きを高速で繰り返し、切断を行う仕組みです。

バネ式はその構造上から振動が発生しやすく、重量と頑丈さが必須。刃が折れやすい問題点もあり、海外ではパラレルアームシステムが一般的になりました。

パラレルアームシステムはバネで糸鋸を釣らず、2本のつながったアームを動かす構造です。(おもに下部のアームを動かし、連動させることが多い)

バネ式よりも振動が少なく、テンションが一定にかかるので刃も折れにくくなります。

さらにパラレルアームシステムを改良した構造として、パラレルリンクシステムもご紹介しましょう。

2本のつながったアームを動かす構造と異なり、パラレルリンクシステムはより複雑です。

具体的には回転軸が4個所あり、後部アームを動かすと2本のアームを「押す、引く」ような動作で可動。

刃を支える回転軸が動き、刃そのものを上下に効率よく動かせる仕組みです。ただしパラレルリンクシステムはあまり搭載されている機種がありません。

糸鋸盤の用途

糸鋸盤はその仕組みから、非常に細かなカットが行えるツールです。通常のノコギリと異なり、円形や曲線の加工を自在に行えます。

さらに刃を替えれば、金属の加工も問題ありません。具体的な用途も見ていきましょう。

  • 小さなものを切る
  • 曲線に加工する
  • 円形に切り抜く

ノコギリが直線的にしか切れない一方で、糸鋸盤は自在に切る加工が得意です。木材だけではなく金属もカットできます。

もちろん糸鋸盤ではなく、糸鋸を使って手作業で加工することもできるでしょう。しかし糸鋸盤を使えばより早く作業できて、正確性も高く保てます。

カットする際は、糸鋸盤の刃に定められている「番手」に気をつけると良いです。

番手が荒いと早く切れますが、バリも出やすく引っかかりやすくなります。細かいと進みは遅くなるものの、より細かく曲線を描けるでしょう。

ノコギリでは切れないような細かな切断を求めているとき、糸鋸盤は非常に有力な選択肢となります。

また効率よく作業したいなら、間違いなく手鋸よりも糸鋸盤です。

バンドソーとは

バンドソーとは、名称にあるとおり「バンド型のソー(のこぎり)」を利用した工具です。

一般的にはノコ刃を使用して、押したり引いたりする動作を主軸とするのはイメージできるでしょうか。この切り返しの際、どうしても無駄が発生します。

しかしバンドソーの場合は帯状ですので、常に一方向へ刃が通り続ける仕組みです。非常に効率よく切断作業が行えて、無駄がありません。

そしてこのバンドソーは、大きく分けて下記4つのタイプがあります。

  • 卓上横型
  • 卓上縦型
  • ポータブル型
  • 据え置き型

卓上横型は一般的なバンドソーで、おもに金属製品の切断で使用されているものです。切断したい材料を置き、そのまま上から押し付けるように切断します。

油圧や自重を利用してカットできるものが多く、手を離して切断できる点も効率的。金属だけではなく角材や板材も得意です。

卓上縦型は糸鋸盤のように、切断方向が縦になっています。ただし刃を小刻みに動かすのではなく、一方向に動かし続ける構造です。

糸鋸盤よりも切断力が高い点は魅力的と言えるでしょう。横型と異なり、切り抜きや曲線も自在です。

ポータブル型は充電式となっていて、あらゆる作業でカットできるよう作られているものがほとんど。

機種によっては卓上タイプとして利用できる場合もあります。(別途スタンドの購入必須)

据え置き型は卓上タイプをさらに大型化したもので、こまめな移動を想定していません。

その代わり大型な材料もカットでき、大出力で効率的。製造所や工場で広く使われています。

バンドソーの用途

バンドソーはその切断力から、下記のような用途に使われています。

  • 金属製のパイプ加工
  • 角材や板材の切断
  • 厚い材料の切断

バンドソーは一方向に刃が流れ続けるため、キレイな切断面とスムーズな作業性が魅力です。

やや細かな切断には向いていないものの、卓上縦型タイプを利用すれば細かな切断も行えます。

金属製のパイプ加工をするなら、チップソーのほうがいいのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。

チップソーとの比較は刃が高速ではないため、バンドソーのほうが火花は出ません。音も静かで、騒音を気にする方ならメリットです。

ただやはりチップソーと比較すれば、切断速度は遅くなってしまうでしょう。静かで火花が出ない、という点に優位性があります。

糸鋸盤とバンドソーの違いについて

同じように卓上で切断を行いたい際、糸鋸盤とバンドソーについて検討されることがあるかもしれません。

ではそれぞれどんな作業が得意で、どういった点が魅力になるでしょうか。

糸鋸盤とバンドソーを比較し、どちらを選ぶのか参考にしてみてください。

糸鋸盤が得意な作業

糸鋸盤が得意な作業は、「細かな加工、切り出し」です。糸鋸という細い鋸を使用しているため、小回りが利く点は何よりも大きなメリットと言えるでしょう。

細かな加工をする際に、刃が大きいと非常に不便です。大きいだけで小回りが利かず、大胆なカットを細かく連続で行って調整するしかありません。

例えば四角い板があり、円形に切り抜きたいとしましょう。大きなノコギリだと、角を切り落として少しずつ丸く加工していくしか方法が無いです。

円形に切ろうとすれば刃が大きいため、ガタガタになってしまうリスクが大きくなります。

しかし糸鋸盤を使用すれば、刃をポイントで加工していけるのでそのまま円形切り出しが可能。非常に効率的です。

もちろん大きなカットは行えないものの、細かなカットに関しては糸鋸盤こそ適している作業。繊細な加工に向いているといえます。

切断力は高くないため、厚みのある素材のカットには向いていません。曲線加工、精密加工が得意です。

バンドソーが得意な作業

バンドソーは切断力が高いため、「厚みのある素材、金属の切断」が得意です。

糸鋸盤と異なり、バンドソーはバンドが常に回転し続けます。そしてバンドに付けられたソー(刃)が常に流れ続け、高い切断力とスムーズな加工を実現。

厚みのある木材だけではなく、丸棒と言った硬い素材も用意に切断できます。

ただしバンドソーの種類によって、やや切断時の特性が異なる点は注意が必要です。例えば卓上横型と縦型では、繊細作業の向き不向きが異なります。

ポータブルタイプならどこでも切断できるため、ケーブル類の切断にも向いていると言えるでしょう。(高所や屋外、ポイントでの切断に適性あり)

特性で押さえておきたいのは「切断能力の高さ」です。金属や厚みのある素材を切断、加工したいと思ったら、バンドソーを選択すれば間違いありません。

ただしより高速な切断を求めるなら、チップソーを選択したほうが良い場合もあります。

糸鋸盤とバンドソーの大きな違い

糸鋸盤とバンドソーの大きな違いは、「刃」と「切断時の構造」です。

まず糸鋸盤の場合、切断に使われる「刃」は糸状のノコギリとなっています。細い刃を動かして切断するため、切断能力は高くありません。

その代わり細かな作業がしやすく、円形や波線の切り出しも容易です。

対してバンドソーは帯状の刃を一定方向に流し続け、切り返しを必要としない動かし方となります。

常に刃が切断を行い続けるため、切断能力は非常に高いです。厚みのある素材や棒状の金属でも、用意に切断が可能。

刃そのものと動かす構造が全く異なるので、似たような切断を行う工具でも特性はまるで違います。

糸鋸盤とバンドソーの使い分けについて

実際に糸鋸盤とバンドソー、どう使い分けたらいいの?と混乱することもあるでしょう。ここでは糸鋸盤を使うシーンと、バンドソーを使うシーンについてまとめました。

それぞれの利用シーンを理解し、適切な使い分けについて参考としてください。

糸鋸盤を使うシーン

糸鋸盤を使うシーンは、「材料を細かく切り出すシーン」です。比較的、DIYや趣味での利用が多いかもしれません。

または装飾用途として、より細かく加工したいなら糸鋸盤一択です。バンドソーでは細かいカットが難しくなります。

中には木材だけではなく、金属やプラスチックの切断も行えるタイプがあるでしょう。自身の加工シーンに合わせ、刃を変える必要があります。

ただし糸鋸盤は切断能力が高くないため、厚みのある素材には向きません。あまり厚みがあると刃に対する負荷が高くなり、折れる要因にもなります。

板材の切り出し、手芸や工作用途に最適です。

バンドソーを使うシーン

バンドソーを使うシーンは、「切断が難しい金属や丸棒のカット」です。

一方向に刃が動き続けるバンドソーは切断力が高く、切断が難しい金属製品の加工に向いています。(具体的には金属の丸棒や厚みのある素材)

その切断力を活かし、何度も同じ工程で切断作業が必要な場合にも最適です。厚みのある素材だけではなく、長い材料を直線的に切るのも効果的。

やや曲線作業が得意ではないため、小回りは利きにくいです。小回りを求めるなら卓上縦型タイプを利用するか、糸鋸盤を利用したほうが良いでしょう。

またバンドソーは利用するタイプによって、その切断特性がやや異なる点も押さえておかなくてはなりません。

詳細は「バンドソーの用途」にてまとめましたので、詳細はそちらもご確認ください。

結局どっちをどう使ったらいいの?

工芸品や装飾品、曲線や円形と言った自由に切り出したいときは「糸鋸盤」。

硬い木材や長い板材、切断しにくい金属を加工したいときは、「バンドソー」を利用してください。

ただ場合によっては糸鋸盤を使わず、ハンドタイプの糸鋸を利用したほうが良いケースもあります。

バンドソーも状況により、チップソーを使ったほうが効率的なときもあるでしょう。

それぞれの特性を理解し、自身の作業に照らし合わせて最適な工具を選んでみてください。

迷ったらレンタルしたり、中古品を購入して試したりするのもおすすめです。

まとめ

今回は、糸鋸盤についての基礎知識やバンドソーとの用途や使い分けの違いなどを中心に解説していきました。

この他にもDIYや電動工具にまつわる知っておきたい知識は、まだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。