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圧着器の選び方やパンチャーとの違い、オススメメーカーについて解説します

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圧着器とパンチャーは、どちらも電気設備の工事で使用工具ですが、初めて利用する方によっては、用途の違いが分かりづらい工具の一つだと思います。

とうことで今回は、圧着器とパンチャーの違いについてお伝えします。

圧着器とは

圧着器は電線の端に、接続端子を固着させる工具です。電線端の被覆を剥き、芯線に接続端子を被せて固着させます。

接続端子は電線同士を繋ぐ際や、電線と電気機器を接続させるために使う端子で、端子には圧着用と圧縮用があり、それぞれ専用の工具で電線と固着させます。

両者の違いは、固着時の圧力を掛ける方向です。

圧着端子は一方向から、圧縮端子は複数の方向から圧力を掛けて固着させます。一方向から端子に圧力をかける圧着器は、圧着専用の工具です。

パンチャーとは

パンチャーは鋼材に穴をあける工具です。電気設備の工事で使うことが多く、現場ではノックパンとも呼ばれます。

紙用の穴あけパンチと構造は同じで、ブロック状の刃物で鋼材を切り抜く仕組みです。そのため鉄工用ドリルやホールソーを使うよりも、素早く穴を開けられます。

またパンチャーなら金属を削る際に発生しやすい、バリや切り粉が発生しません。

仕上げ面のバリを取る必要がない上、細かい切り粉の掃除も不要です。大きな騒音も発生しないので、作業場所や時間帯を気にせずに使えます。

圧着器とパンチャーの具体的な違い

圧着器とパンチャーは、用途がまったく違います。両者の用途を下記にまとめましたので、比較してみましょう。

  • 圧着器は電線と圧着端子を固着させる工具
  • パンチャーは鋼材に穴をあける工具

用途が違うため、工具の形状も大きく異なります。圧着器は電線を挟む形をしており、ハンドプレスタイプはペンチ型が一般的です。

ペンチ型にはワイヤーやボルトをカットする機能に加え、電線の被覆を剥がす機能も付いています。パンチャーの形状はハンドガン型やホースタイプ、置いたまま使うモデルもあってバラエティーが豊かです。

圧着器・パンチャーの種類と用途について

圧着器やパンチャーは、種類によって用途や使い勝手が大きく異なります。太い電線や厚い鋼材に使うなら、パワフルなモデルが必要です。

ここでは圧着器とパンチャーの種類や用途について、それぞれ詳しくお伝えします。

圧着器の種類

圧着器にはたくさんの種類があります。その中でも仕事用から家庭用まで、広く使われているのは圧着ペンチです。

ここではもっとも需要が多い、圧着ペンチの種類をご紹介します。

  • 裸端子とスリーブの圧着用
  • 絶縁被覆付端子とスリーブの圧着用
  • 閉端接続子用(絶縁端子用)
  • リングスリーブ用
  • オープンバレル端子用

裸端子用1枚歯で、歯型が凹凸状です。通常サイズなら1.25~8mm²、ショートハンドルは1.25~2mm²の端子に使用できます。

絶縁被覆付端子用は歯が2枚あり、凹凸部分がR状にくぼんだ形状です。そのため被覆部分を傷付けずに、芯線と被覆部分の2か所を同時に圧着できます。

リングスリーブ用は歯の部分が波状で、閉じた状態でもスキマがでる構造です。どの種類も、用途や端子のサイズに合わせて商品を選ぶ必要があります。

圧着器の用途

圧着ペンチは種類によって用途や使う対象が異なります。それぞれの種類に合った対象端子は、以下の通りです。

  • 裸端子用(一般的な裸端子)
  • 絶縁被覆付端子用(絶縁被覆が施されている端子)
  • 閉端接続子用(先端が細長く塞がっているキャップ型の絶縁端子)
  • リングスリーブ用(リングスリーブと呼ばれる鉛製の筒状端子)
  • オープンバレル端子用(ギボシ端子やオープンバレル端子)

閉端接続子用は、絶縁端子で複数の電線を圧着する際に使います。リングスリーブは電線同士を接続させるときに使用する部材です。

ギボシ端子にはオス型とメス型があり、組み合わせると電線を接続できます。オープンバレル端子は圧着部分が開いた形状です。

ギボシ端子やオープンバレル端子は、自動車やオートバイの配線で多く使われています。上記のように用途が異なり、それぞれ使い勝手が変わるのも特徴的です。

パンチャーの種類

パンチャーには油圧式とバネ式があります。おすすめなのは、ハイパワーで効率よく作業できる油圧式です。油圧式パンチャーだけでも種類がたくさんあるので、本体の構造や駆動方式で分けてご紹介します。

  • スタンダードタイプ(電動)
  • ノッチングタイプ(電動)
  • フリータイプ(電動もしくは手動)
  • ホースタイプ(手動)
  • ケガキ専用(手動)

市場に出回っている電動の油圧式モデルは、大半がスタンダードタイプです。ヘッド部が固定されていない首折れ型やバリアフリー型も、スタンダードタイプに含まれます。

電動のモデルは高出力なので、連続した作業や頻繁な穴あけを素早く行いたいプロ向けです。充電式とAC電源式があるため、作業環境や用途に合ったモデルを選んでください。

手動は軽量でコンパクトサイズのモデルや、リーズナブルな価格の商品が多いので家庭用におすすめです。

パンチャーの用途

パンチャーは種類によって構造や替刃の形状が違うため、用途や加工できる対象が異なります。それぞれの種類に合った用途は、以下の通りです。

  • スタンダードタイプ(平鋼やH形鋼、山形鋼や溝形鋼の穴あけ)
  • 首折れ型やバリアフリー型(頭上や狭い場所での作業)
  • ノッチングタイプ(板金物の穴あけや切欠き加工、穴形状の修正)
  • フリータイプ(板金物の穴あけ専用)
  • ホースタイプ(入り組んだ場所での作業)
  • ケガキ専用(穴形状の修正)

ノッチングタイプとフリータイプは、薄板しか加工できません。しかしスタンダードタイプは厚い鋼材にも使えます。

スタンダードタイプは替刃を交換すれば、長穴やステンレス材の穴あけも可能です。ノッチングタイプも先端のアタッチメントを交換して、角穴や長穴を開けられます。

ケガキ専用は空いている穴を、長穴や角穴にも修正可能です。

圧着器とパンチャーの用途はどんな違いがある?

圧着器とパンチャーは、どちらも電気工事の現場で活躍する工具です。しかし両者は用途や使う対象が大きく異なります。

圧着器は電線と圧着端子の固着に使い、パンチャーは配管用の穴をあけるツールです。種類によって使う対象や使用方法は変わりますが、上記の用途は変わりません。

電気工事の現場で使うなら、圧着ペンチはハンドプレスタイプの通常サイズかショートハンドルが使いやすいです。

太めの電線にも使う方は、油圧式の電動タイプも導入しましょう。パンチャーは厚さが3.2mm以下の、プルボックスや配電盤といった板金物に使うケースが多いです。

使用頻度が低いなら手動で十分ですが、穴あけ作業が多い方は電動タイプの導入も検討してください。レースウェイやダクトチャンネル、パイプハンガーの穴あけは専用パンチャーがあります。

圧着器の選び方について

圧着器にはたくさんの種類があります。中でももっとも需要が多いのは、圧着ペンチです。

ここでは圧着ペンチの選び方をお伝えします。

具体的な解説も記載するので、ぜひ商品を選ぶ際の参考にしてください。

用途から選ぶ

圧着ペンチは用途や使う対象によって、選ぶモデルが異なります。始めにチェックするのは、配線が繋がっている対象です。

  • 家電製品や建物の屋内配線に使うなら、電気器具用や電工用
  • 自動車やオートバイの12Vコードには、電装品用

電気器具用や電工用は建物の配線にも使えますが、電気工事士の資格がないと作業できません。そのため資格を持っていないなら、家電製品への使用がメインになります。

電気器具用の圧着部は、家電製品に多い絶縁圧着スリーブや裸圧着スリーブとマッチする形状です。用途に合わせて圧着ペンチを選ぶなら、先端の形状で判別できます。

電気器具用は先端にワイヤーカッターが付いており、電装品用の先端はオープンバレル端子用です。ちなみに電装品用のワイヤーカッターは、ハンドル側についています。

圧着器の機能から選ぶ

圧着ペンチは多機能タイプが一般的です。付属している機能も下記にまとめましたので、見ていきましょう。

  • ダイス(電線と端子の圧着)
  • ワイヤーカッター(電線の切断)
  • ボルトカッター(ボルトやビスの切断)
  • ワイヤーストリッパー(電線の被覆をむいて、芯線を出す)

圧着ペンチがあれば単体で複数の作業を行えるため、とても便利です。しかし仕上がりの質や作業効率は、専用工具に劣ってしまいます。

そのためニッパーやペンチ、ケーブルカッターやワイヤーストリッパーを所有している方には、圧着専用タイプがおすすめです。

圧着専用タイプはダイスの性能が高いので、軽い力で確実に圧着できます。

また握力に自信のない方や使用頻度が高い方は、スプリングやラチェット機構付きのモデルを選びましょう。

スプリングや歯車の力で、開閉時の補助をしてくれます。

圧着する端子から選ぶ

圧着ペンチは使いたい端子の種類によって、選ぶモデルが異なります。

似たような機器でも、実際に使われている端子は異なるケースが多いです。オーディオ機器を例に、端子の違いをご紹介します。

  • 家電用のオーディオには、ファストン端子(平形接続端子)が使われている
  • 自動車用のオーディオはギボシ端子が多い

ファストン端子やギボシ端子は、一般的な圧着端子とは形状が異なります。どちらもオス型とメス型を組み合わせて使う端子で、オープンバレルタイプが多いです。

しかし両者は微妙に形状が異なるため、それぞれの形状に合う専用ダイスが付いたモデルを使います。また使える端子のサイズもモデルによって異なり、ハンドプレスタイプは大きな端子に対応していません。

そのため大きめの端子に使う場合は、電動タイプや油圧式が必要です。

圧着器のオススメメーカーの一覧と特徴について

圧着器は、さまざまなメーカーが製造や販売を行っています。ここではおすすめのメーカーを特徴も合わせてご紹介するので、ぜひ購入する際の参考にしてください。

ロブテックス

ロブテックスはエビ印のメーカーロゴが特徴的な、日本の金属製品メーカーです。

圧着器のラインナップには、手動の油圧式もあります。

  • 裸端子とスリーブの圧着用(ハンドプレスと手動の油圧式)
  • 絶縁被覆付端子とスリーブの圧着用
  • 閉端接続子用
  • リングスリーブ用
  • モジュラー用
  • 電装品用

裸端子用の圧着器以外は、ペンチ型のハンドプレスタイプのみです。電装品用には裸端子用と絶縁端子用、オープンバレル端子用があります。

マーベル

マーベルは配線用の工具をメインで扱う、日本の電設工具メーカーです。販売部門がマーベルで製造部門はミノル工業、ブランドもマーベルとプロメイトに分かれています。

圧着器のラインナップは、すべてペンチ型のハンドプレスタイプです。

  • 裸端子とスリーブの圧着用
  • 絶縁被覆付端子とスリーブの圧着用
  • 閉端接続子用
  • リングスリーブ用

上記以外にも、電気工事士の技能試験に必要な工具が揃ったセット品も販売しています。

ホーザン

ホーザンは幅広いアイテムを取り扱う、日本の総合工具メーカーです。圧着器はすべてペンチ型のハンドプレスタイプですが、さまざまな端子に対応したモデルを販売しています。

  • 裸端子とスリーブの圧着用
  • 絶縁被覆付端子用
  • 閉端接続子用
  • リングスリーブ用
  • オープンバレル端子用
  • F型コネクタ用
  • モジュラープラグ用
  • BNCコネクタ用

上記以外にも電気工事士の技能試験用や、電工試験の練習用セットも取り扱っています。

ツノダ

ツノダはTTCブランドのハンドツールを製造している、日本の作業工具メーカーです。圧着器はすべてペンチ型のハンドプレスタイプで、対応できる端子の種類も限定されています。

しかし並列タイプのモデルも販売しており、サイズ展開は豊富です。

  • 裸端子とスリーブの圧着用
  • リングスリーブ用

またツノダは交換用のパーツを販売しているため、摩耗した際は修理に出さなくても自分で直せます。

アイウィス

アイウィスは世界50か国以上でハンドツールを販売している、海外の工具メーカーです。圧着器のラインナップが非常に多く、空気式の卓上型モデルも販売しています。

他社ではあまり見かけない特殊なモデルを、下記にまとめました。

  • ソーラーパネルのケーブルに使われるMC4コネクタ専用
  • U字型端子用
  • 同軸F型コネクタ用
  • モジュラープラグ用
  • コンタクトピン、航空機端子用

幅広いラインナップから選びたいのなら、アイウィスから選ぶと良いでしょう。

まとめ

今回は圧着機の選び方やパンチャーの違いとの違いなどについて解説してきました。

電動工具については、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。