丸ノコとスライド丸ノコの違いを解説します。
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木材を効率よくカットできる工具の中に、「丸ノコ」と「スライド丸ノコ」があります。
両者は非常に似ている工具ですが、得意分野が異なる工具です。DIYで丸ノコ導入を考えている人にとって、どちらを選んだら良いか悩ましいところですよね。
そこで丸ノコとスライド丸ノコの違いをそれぞれまとめていますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
丸ノコとは?特徴、用途について
丸ノコは主に丸いノコ刃をモーターで回転させて、木材や石膏ボード・鉄筋や鉄板をカットする工具です。
出典元:Amazon | マキタ(Makita) 電気マルノコ 165mm M565 | DIY・工具・ガーデン
一般的に丸ノコと言えば、木工用を指します。
高速で回転するチップソーを使うので、手ノコやジグソーよりも素早く切断が可能です。
※手ノコは手動で誤差が出やすく、ジグソーは常にカット位置がブレてしまう。
丸ノコの場合は固定がしやすくまっすぐ切れるため、木工DIYで板材を切る際は非常に重宝します。
また手持ちでどこにでも持ち運んで切れるのもメリットです。充電式であれば場所も問わず、自由に使いこなしてカットできます。
基本的に大きさがあるもの、長いものは丸ノコを手持ちで作業するのがベストです。自由に扱えるからこそ、丸ノコ1台があればどんなものでもカットできてしまいます。
逆に扱うスキルがなければ、丸ノコは少々扱いづらい一面もあるでしょう。
また丸ノコは誤った使い方をしていると、キックバックという事故につながりやすくなります。
キックバックによる死亡事故も時折ニュースとなるため、十分に注意しなくてはなりません。
スライド丸ノコとは?特徴、用途について
スライド丸ノコは、丸ノコを固定させてより精密なカットができるようにしたものです。
出典元:Amazon | HiKOKI(ハイコーキ) 旧日立工機 卓上スライド丸のこ 刃径190mm FC7FSB | DIY・工具・ガーデン
固定されているため、自身の手で操作する丸ノコよりも精度が高いです。
例えばDIYでも木材同士の組み合わせがしっかり必要なとき、精度の高いカットを必要とするでしょう。
そんなときはスライド丸ノコを利用すれば、満足度の高いカットが行えます。
チップソーを傾けたり、ターンテーブルを活用したりすれば複雑なカットもしやすいです。
- 直線切断
- 傾斜切断(ノコ刃を傾けてカット)
- 角度切断(ターンテーブルを回してカット)
- 複合切断(角度と傾斜をつけてカット)
出典元:Amazon | 新興製作所 卓上スライド丸ノコ SSC-190A | マルノコ
見た目からして大きなものをカットできるように見えますが、実際は動きが限られているので長い幅や大きなもののカットには向きません。
そのため30cm以上の幅があるものを扱わないのであれば、効率面や安全面から考えてスライド丸ノコはおすすめできます。
さらに特筆すべき点として、構造上スライド丸ノコはキックバック時の事故が起こりにくいです。
本体が重く可動領域が決まっているため、キックバックが発生しても本体が飛んでくることはありません。
キックバックは十分に注意しなくてはならない
キックバックという現象は丸ノコに限らず、回転する刃を扱う工具全般に起こりやすいです。
扱い方を正しく学ばなければ、大きな事故へつながることもあります。実際のキックバックに関しては、参考動画もぜひご確認下さい。
見ているとかなり危なっかしい感じが見えますよね。回転するノコ刃は木材に引っかかると別方向の動きを見せるため、非常に危険です。
ちなみにキックバックは、木材にノコ刃が挟まってしまい、丸ノコが意図しない方向へ暴れてしまう現象です。
そのときの反動で指を巻き込んでしまったり、飛散した木材が顔や目にあたってしまったりすることもあります。
弾き飛ばされた木材は非常に勢いが強いため、場合によっては失明のリスクにつながることも。
だからこそ丸ノコの扱い方を知らなければ、事故につながりやすいとも言えます。少し上級者向けの工具となってしまうでしょう。
丸ノコとスライド丸ノコの決定的な違いについて
丸ノコとスライド丸ノコの決定的な違いは、固定されているか否かという部分です。
持ち運んで自由自在にカットできる丸ノコに対し、スライド丸ノコは可動領域が決められていて持ち運びに向きません。
しかし逆に、使う上での違いは明確です。
<丸ノコ>
- 持ち運んでどこでもカットできる
- 本体が軽量で大きさも場所を取らない
- 長いものも大きいものも作業しやすい
- キックバック時の危険度はスライド丸ノコより高い
- 連続作業なら効率がやや悪い
<スライド丸ノコ>
- 固定して精度の高いカットができる
- 本体は安定感があり初心者でも扱いやすい
- キックバック時の安全性が高い
- 連続作業時の効率が高い
- 長い寸法のものは不向き
- 重たいので移動してカットするのに向かない
実際のところ丸ノコを使用する人は、慣れていないと注意力を余計に取られてしまいます。とくに初心者の場合、安全面で気を取られると精神的な疲労が全く違ってくるでしょう。
丸ノコとスライド丸ノコ、電源の違いはあるのか?
丸ノコとスライド丸ノコは現在、充電式もコード式もどちらも選べるようになっています。
少し前の世代ではバッテリーの出力が弱く、あまり充電式のスライド丸ノコは販売されていませんでした。しかし近年ではバッテリーの技術が上がり、どちらも見かけるようになっています。
丸ノコの電源について
丸ノコは主に、その自由度を活かした充電式が多く出回っています。
バッテリーも小型で軽量なものが多くなり、取り回しに不便さを感じません。長時間の作業もできるような容量も販売されています。
もちろんコード式も販売されていますが、コードの取り回しが面倒なので初心者向けではありません。
(場合によってはコードを巻き込んだり、足を絡ませたりして事故へつながる恐れもあります)
AC電源式も充電式もあるものの、丸ノコにおいては充電式が主流です。
最近では各社にて高電圧シリーズがラインナップされており、AC電源式とパワーも遜色ないものとなってきました。
長時間の作業をする場合や電源が安定して取れる場所であれば、AC電源式を選択しましょう。
スライド丸ノコの電源について
スライド丸ノコの場合、基本的にはAC電源式が多く出回っています。理由としては据え置きで使う用途から、わざわざ充電式にする必要がない点です。
しかしながら場所によってAC電源が取れなかったり、バッテリーの使い回しだったりと充電式の需要もあります。
バッテリーで稼働ができれば場所を容易に動かせますし、自由度は高いです。
ただし稼働時間が限られているので、据え置き型として扱うにはあまり充電式と相性がよくありません。
例えばマキタの18V充電式スライド丸ノコであれば、フル充電で約40分の作業が可能です。
長時間の作業じゃなければ十分ですが、充電忘れをしてしまうと作業ができなくなるリスクもあります。
丸ノコとスライド丸ノコ、どっちを買うべきか
丸ノコとスライド丸ノコのどちらかを買おうか悩んだ際、どういった基準で選べばいいかわからないですよね。
結論としては、初心者で予算があるなら「スライド丸ノコ」がおすすめです。安全性が高く、とにかく精度の高いものを作れます。
とはいえ丸ノコにも利点は数多くあるため、ぜひ下記の詳細も参考にしてください。
丸ノコがオススメな人
丸ノコがおすすめの人は、下記のとおりです。
- 大きいものや長いものを扱うことが多い
- 予算はできるだけ最小限にしたい
- 安全面に配慮しながらカットできる
- 技術を磨いていきたい
- 精度よりも扱いやすさを重視する
丸ノコは扱いやすい反面、あまり初心者向けではありません。しかし安全面に配慮し、技術を磨いていける方には最適です。
とくに大きいものや長いものをカットしたい場合、スライド丸ノコではカットが難しい場面もあります。
その点丸ノコであれば、どこにでも持ち出してカットが可能です。(充電式の場合)
おおよその場合、丸ノコの重さは3kg程度。1Lの牛乳パック3本分で、持ち運びが不便とまではいかないでしょう。
またキックバックの恐れがあるといっても、しっかりと使用方法がわかる方は事故を未然に防げます。
技術を磨いていけば精度もある程度は出せますし、1台あれば何でもこなせる万能工具です。
スライド丸ノコがオススメな人
スライド丸ノコは、下記のような方におすすめです。
- 丸ノコを扱ったことがない初心者の方
- 精度を突き詰めて作業していきたい
- あまり長ものや大きなものを扱わない
- 作業効率を求めたい
- 作業場所は移動せず据え置きで問題ない
- 予算を出してもいいから精度と安全を取りたい
基本的には初心者の方におすすめです。
まだ回転するノコ刃を使ってDIYをしたことが無いなら、まず扱い方を慣れてから丸ノコを購入するのもアリでしょう。
万が一キックバックが起こっても、スライド丸ノコであれば丸ノコほど怪我をするリスクが高くありません。
スライド丸ノコはおおよその場合、11kg以上あります。お米10kgの重さを想像してみれば、ずっしりくる重さをイメージできますよね。
またどんなに慣れているといっても、危険度の高い工具を使うと緊張します。精神的な安全性が高いと感じれば、安心して作業ができるでしょう。
DIYをしよう!と思う人ほど、精神的なハードルがやりにくさにつながっていることも多いです。
さらに初心者だとバラつきが出やすい精度も、スライド丸ノコならきっちり毎回同じカットが素早くできます。
丸ノコにはできない角度切りも同じ精度でカットできるため、DIYの幅を広げる意味でもスライド丸ノコはおすすめです。
どちらも必要な人
どちらも必要な人は、DIYで幅広い材料を切ることが多い方です。丸ノコは幅広く切断できる自由度があるものの、精度においては当人の技術力で明確に差が出ます。
日々丸ノコを使って正確な技術を磨き続ける職人さんじゃなければ、そこまでの精度はなかなか出せないでしょう。
しかしスライド丸ノコがあれば、適当に作業しても正確なカットができます。
カット時も安心できるため、小さな材料で精度や効率よくカットを求めるなら適任です。
基本は丸ノコ1つでカバーできますが、スライド丸ノコがあると下記のような利点があります。
- 安全性が高いので精神的にラク(ハードルが下がる)
- 毎回同じカットができるので作業効率が上がる
- 精度を高く出せるためDIYの幅が広がる
おそらく初めて丸ノコの導入を考えている方は、スライド丸ノコの検討をしないはずです。
しかし一度スライド丸ノコを使ってみると、その利便性から「早く使っておけば良かった」と思うことでしょう。
ぜひDIYの幅を広げるためにも、スライド丸ノコの導入を検討してみてください。
まとめ
今回は丸ノコとスライド丸ノコの違いについてご紹介してきました。
電動工具を購入する前に知っておきたい知識はまだまだあります。ぜひ、その他の関連記事も確認して、工具選びの参考にして見て下さい。
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