エアコンプレッサの選び方について種類ごとの違いなどを解説します
目次
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エアコンプレッサは塗装や清掃作業、建設現場での釘打ち作業で活躍しています。
プロ用だけではなくDIY向けのモデルも販売しているため、近年では家庭でも使われている機械です。
ここではエアコンプレッサの仕組みや用途をお伝えします。
エアコンプレッサとは
エアコンプレッサは、圧縮した空気を作る機械です。作った空気はホースを経由してツールへ送り込みます。
そのため使う際には、エアホースとエアツールが必要です。本体は3つの機器で構成されています。
- 空気を圧縮して排出するコンプレッサ
- 電気駆動用のモーター
- 圧縮した空気を溜めるタンク
一気に圧縮したエアーをタンクから排出して、ツールを動かしています。圧縮した空気が元に戻ろうとする力を利用しているため、電動工具よりもパワフルです。
ただしホースが本体のパワーに見合っていないと、本来の能力を発揮できません。
エアコンプレッサの仕組みについて
コンプレッサの仕組みは、浮き輪に空気を入れる足踏みポンプと同様です。足踏みポンプの足で踏む作業を、エアコンプレッサは電気モーターとピストンで行います。
モーターが回転するエネルギーをピストンの上下運動に変え、空気の圧縮や排出をする仕組みです。
- 吸入弁と吐出弁が閉じた状態で、ピストンが上昇する
- 内部の空気容積が減少して、圧力が高まる(空気が圧縮される)
- ピストンが最高点まで上昇すると、内部の空気圧力で吐出弁が開く
- 圧縮された空気が吐出する
- ピストンが下降して、吐出弁が閉じる
- 内部の圧力が下がり、吸入弁が開く
- 空気を吸入する
4の項目で吐出した空気は、タンクに溜められます。
エアコンプレッサの用途について
エアコンプレッサは、エアツールを付け替えて使います。ツールは用途によって付け替えるので、非常に種類が多いです。
用途とツールの一例を、下記にまとめました。
- 仕上げ釘やステープル、ピンネイルを打つ(フィニッシュネイラやエアタッカー、ピンネイラといった釘打機)
- 素材の穴あけ(エアドリルドライバー)
- ボルトやナットの締め外し(エアインパクトレンチ)
- 素材の研磨(エアサンダーやポリッシャー、切断もするならエアディスクグラインダー)
- 作業場や機器の清掃(エアダスターやエアブロー)
- タイヤの空気を入れる(エアチャック)
- 塗料の吹き付け(エアブラシやカップガン)
エアコンプレッサの種類の違いについて
エアコンプレッサはさまざまなモデルが販売されています。大まかな種類を把握しておけば、用途や環境に合ったモデルを探しやすいです。
ここではオイルの有無や、作動音にポイントをおいてご紹介します。
通常タイプ(オイル式)
通常タイプは、一般的なモーターを搭載した機種です。オイルでモーターの潤滑や冷却をして、モーターの焼付きを防止しています。
機械の内部へ潤滑油を入れるので、定期的なオイル交換やメンテナンスが必要です。耐久性は高いですが、排出するエアーに油が混じります。
そのため塗料の吹き付け作業には向いていません。
業務用の機種が多く、大容量タンクで安価なモデルもたくさんあります。動作音はオイルレスタイプよりも静かで、静音タイプよりも大きいです。
オイルレスタイプ
オイルレスタイプは、潤滑油が不要の機種です。排出するエアーに油が混じらないため、塗料の吹き付け作業にも使えます。
潤滑油の交換や残量確認が不要なので、メンテナンスの手間が少ないです。しかし通常タイプよりも耐久性が低く、連続で使用する際には時間の制限があります。
また動作音や振動が通常タイプよりも大きいです。そのため住宅地や集合住宅での使用には向いていません。
DIY向けのモデルが多いため、独立したガレージで使う場合はおすすめです。
静音タイプ
静音タイプは、低騒音に設計された機種です。通常タイプとオイルレスタイプ、どちらの機種もあります。
静音タイプではないモデルの騒音値は、75db前後です。作業中は圧力を上下させる動作の甲高い音が響きます。そのため住宅地や集合住宅で使う場合は、静音タイプのモデルを選びましょう。
静音タイプのモデルなら、62~65dbまで騒音を抑えられます。作業中の振動も大きいため、低振動の静音タイプがおすすめです。
エアコンプレッサの選び方について
エアコンプレッサは工場に備え付ける大型モデルから、DIYに使用する小型モデルまであります。
そのため機種を選ぶ際は、用途とスペックのバランスが重要です。ここでは機種を選ぶ際に注目したいポイントを、4つにわけてお伝えします。
タンク容量を確認する
エアコンプレッサはタンクの容量によって、溜め込める空気の量が異なります。タンク内の空気が減ると空気を吸入するので、エアーの排出ができません。
そのためタンクの小さいモデルを長時間使うと、頻繁にエアツールが使えなくなります。大量のエアーを入れられるタンクが大きめなモデルなら、長い時間の作業もスムーズです。
使うツールによるタンクサイズの目安を、下記にまとめました。
- 釘打機(8L)
- エアチャック、エアブラシ(3~13L)
- カップガンやエアインパクトレンチ、エアダスターやエアブロー(30L)
タンクが大きいモデルほど本体も大型で重たいため、持ち運んで使いたい方は注意が必要です。持ち運んで使いたい方は重たくない機種、もしくはキャスターのついたモデルを選びましょう。
吐き出し空気量とは?
エアコンプレッサの吐き出し空気量は、1分間に溜められる空気の量を表しています。単位はタンク内の圧力を表すMPa(メガパスカル)、空気量と時間を表すL/min(リットル毎分)です。
説明のために、実際に販売されているエアコンプレッサの数値を記載します。
- 0.7MPa 95L/min(圧力が0.7MPaの際、1分間に95Lの空気を溜められる)
- 2.3MPa 80L/min(圧力が2.3MPaの時、80Lの空気が1分間で溜まる)
※タンク内の圧力値が大きくなると、空気量の数値は小さくなります。
上記の数値で注目するのは空気量です。空気量の数値が大きいモデルほど、空気を溜める時間が早くなります。そのため起動してすぐ使いたい方には、数値の大きいモデルがおすすめです。
馬力もチェック
エアコンプレッサの馬力は、HP(ホースパワー)やkW(キロワット)で表されます。ハイパワーのツールを使う場合は大きな馬力が必要です。
しかし馬力が大きくなると、比例して消費する空気の量も増えます。
この消費する空気量は、溜められる空気量(吐き出し空気量)とのバランスが重要です。例えば1分間に50Lの空気を溜めるモデルで、1分間に220Lの空気を消費すると供給が足りません。
そのため消費する空気量よりも、吐き出し空気量の値が大きなモデルを選ぶ必要があります。
通常タイプの馬力と、消費空気量の目安をまとめました。
- 1馬力 0.7kW 75L/min~(エアツールの使用は1馬力から)
- 2馬力 1.5kW 160L/min~(一般家庭用は2馬力まで)
- 3馬力 2.2kW 235L/min~(3馬力以上は電気系統の確認が必要)
タンク内最高圧力について
タンク内の最高圧力は、エアコンプレッサが出せる圧力の最高値を表しています。単位はMPa(メガパスカル)で、一般的なモデルの数値は0.8MPa程度です。
中圧モデルだと1.0MPa以上になり、高圧モデルは4.5MPaの製品が主流になっています。仕事現場では瞬間的に高圧のエアーを必要としますが、家庭用なら一般的な圧力で足りるでしょう。
ツールで空気を使うとタンク内の圧力が低下し、一定の数値を下回ると再び空気が取り込まれます。タンク内の最高圧力が高いほど、圧力が低下するまでの時間は長いです。
空気を吸入している間はツールが使えないので、タンク内の最高圧力が低いモデルは頻繁に使えなくなります。そのため長時間の作業を効率よく行いたい方は、数値が高いモデルを選んでください。
エアコンプレッサのおすすめメーカーの一覧と特徴について
エアコンプレッサはいろいろなメーカーが販売しています。メーカーの特徴を把握しておけば、ブランドからの厳選も可能です。
ここではおすすめの企業や、メーカーの特徴をご紹介します。ぜひ用途と合ったモデルを見つける参考にしてください。
マキタ
マキタは充電式の工具や木工機械を製造している、老舗の電動工具メーカーです。エアコンプレッサはAC電源で使うモデルを取り扱っています。
マキタ製のエアコンプレッサは、タンク内最高圧力の高いモデルが多いです。すべて低騒音に設計されているので、住宅街でも長い時間使えます。
タンク内最高圧力が4.5MPaのモデルは、以下の通りです。
- 内装用モデル(タンク容量3L)
- 低振動モデル(タンク容量7Lと11L、16L)
- 高耐久モデル(タンク容量11Lと16L)
内装用モデルは一般圧と高圧の兼用タイプしかありません。低振動と高耐久モデルは、兼用タイプと高圧専用タイプの2種類です。上記以外にも一般圧専用モデルがあります。
タンク内最高圧力が1.27MPaのモデルは容量5L、タンク内最高圧力2.16MPaのモデルは容量11Lです。
HiKOKI
HiKOKIは充電式の工具や園芸用機器を製造している、大手の電動工具メーカーです。エアコンプレッサはすべて低騒音に設計されている上、振動も少ないので場所や時間を気にせず使えます。
すべての機種にブラシレスモーターを採用しているため、モーター音も非常に静かです。HiKOKI製のエアコンプレッサは、ラインナップがタンク容量でわかれています。
全機種AC電源式の釘打機専用モデルで、タンク内の最高圧力は4.4MPaです。
- 低振動のEC1245H3シリーズ(タンク容量8L)
- 防振構造のEC1445H3シリーズ(タンク容量12L)
どちらのシリーズも一般圧専用タイプと高圧専用タイプ、一般圧と高圧の兼用タイプから選べます。また全機種フィルタへのアクセスが容易なので、メンテナンスがかんたんです。
マックス
マックスは世界で初めて、高圧を用いた釘打機(スーパーネイラ)の製品化に成功したメーカーです。そのため釘打機の人気が高く、エアコンプレッサも人気があります。
マックスのエアコンプレッサは、ほとんどが一般圧と高圧の兼用タイプです。
- AK-1110Eシリーズ(タンク容量8L)
- AK-9700Eシリーズ(タンク容量10L)
- AK-1310Eシリーズ(タンク容量11L)
- AK-1270Eシリーズ(タンク容量11Lと、16~27L)
- DIY用AK-820(タンク容量4.5L、一般圧専用)
- 塗装用AK-L1270E2P(タンク容量11L、一般圧専用)
DIY用以外は静音モードとパワーモードを切り替えて使えます。
またタンク内の最高圧力はDIY用が0.95MPa、AK-9700Eシリーズが3.00MPaでそれ以外の機種は4.41MPaです。
アネスト岩田
アネスト岩田は塗装機器や液圧機器を販売している産業機械メーカーです。エアコンプレッサはサイズが大きい、業務用の機種を多く取り扱っています。
販売しているモデル数が非常に多いので、圧縮方式から厳選するのがおすすめです。アネスト岩田で扱っているエアコンプレッサの圧縮方式や、形状の特徴をお伝えします。
- レシプロ式(シンプルな構造で、リーズナブルな価格のモデルが多い)
- 給油式スクリュー式(中形クラスではもっとも圧縮効率が高く、業務用のモデルが広く普及している)
- スクロール式(静音な上に低振動、小形クラスではもっとも圧縮効率が高い)
- クロー式(高耐久で長寿命、完全空冷なのでオイルレス専用)
- タンクマウント形(コンプレッサやモーターが見えるため、メンテナンスが容易)
- パッケージ形(周囲を覆っているので静音性に優れる)
高儀
高儀は大工道具や電動工具を販売しているメーカーです。エアコンプレッサはメンテナンスの手間が少ない、オイルレスタイプだけを取り扱っています。
現在でも廃番になっていない機種は、以下の5モデルのみです。
- ACP-22OLC(タンク容量22L)
- ACP-13B(タンク容量13L、作動音が70dbの静音タイプ)
- ACP-25SLB(タンク容量25L、静音性能60db)
- ACP-39SLB(タンク容量39L、65dbの静音タイプ)
- HCP-100(家庭向けミニホビーコンプレッサーセット、作動音は50db)
タンク内の最高圧力はホビー用が0.17MPa、ACP-13Bが0.70MPaでそれ以外の機種は0.80MPaです。ホビー用のHCP-100には、ケースに入ったエアブラシやスポイトが付属しています。
SK11
SK11は藤原産業(工具の総合メーカー)が展開しているブランドです。建築や自動車整備に関する、ハンドツールや電動工具を販売しています。
SK11のエアコンプレッサを、種類ごとにまとめました。
- 小容量タンクのSR-045とSR-035(タンク容量4Lと8L)
- 静音モデルSW-045とSW-121(タンク容量4Lと11L)
- 縦型モデル(タンク容量25L)
- SW-131とSW-231、SR-102(タンク容量25Lと30L)
- トレー付きモデルSR-201(タンク容量30L)
- 2馬力のプロ仕様モデル(タンク容量30L)
- SR-251(タンク容量30L)
- トレー付きモデルSR-351(タンク容量38L)
最初の5機種がオイルレス、後半の機種はオイル式です。タンク内の最高圧力は0.8~1.0MPaで、機種によって異なります。
まとめ
今回は、エアコンプレッサの選び方について種類ごとの違いやおすすめメーカーの特徴などを中心に解説してきました。
この他にも、電動工具についてはまだまだ知っておきたいたくさんあります。
ぜひ、関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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