アクリルカッターの用途や選び方、おすすめメーカーについて解説します
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アクリルカッターは、アクリル板やプラスチック板を切断するための専用工具です。
実はDIYや工芸品制作だけではなく、建築現場と幅広い分野で活用されています。
ということで今回は、アクリルカッターの用途や選び方、購入するならおすすめしたいメーカーについて解説していきたいと思います。
とくに特徴と用途についてまとめましたので、アクリルカッターを詳しく知らない方はぜひ参考にしてみてください。
アクリルカッターとは
アクリルカッターはアクリル板や硬質プラスチック板を切断するため、特別に設計された専用工具です。
プラスチックカッターという名称でも知られており、一般的なカッターナイフと似た形状をしています。しかし、より硬度の高い刃を使用しているのが特徴です。
もっとも大きな特徴は、フック状の独特な刃先を持っていること。
この特殊な刃を使用してプラスチック板に切れ込みを入れ、手で割ることで切断を行います。(切断というより折る、という印象が強いかもしれません)
アクリルカッターの基本的な構造として、以下の特徴があります。
- 刃は工具鋼や超硬チップといった硬質な材料で作られている
- 最大で約5mmまでのプラスチック板を切断できる
- 刃の固定方式には、固定式と替刃式の2種類がある
多くの製品では刃の湾曲部分を使って面取りができたり、刃の頂点部分でプラスチック板の保護紙を切ったりできる多機能な工具となっています。
アクリルカッターの用途について
アクリルカッターはおもにDIYや工芸品の制作現場で活躍する工具です。
とくにアクリル板やポリカーボネート、ABSのような硬質プラスチック板を切断する作業に向いています。
- アクリルキーホルダー
- スタンド
- コースター
- 写真立て
例えば上記のようなオリジナル製品を作る際に重宝されています。
また建築現場やインテリア施工の現場でも、広く使用されているのが特徴です。石膏ボードやデコラ、耐火ボードといった建材の加工にも対応できます。
まさにプロの施工業者にも重要な工具として認識されている、と言えるでしょう。
アクリルカッターの特徴的な用途
アクリルカッターの特徴的な用途として、面取り作業があります。刃の湾曲部分を使用して、切断面を美しく整える作業です。
さらに刃の頂点部分を使えば、プラスチック板の保護紙をかんたんに除去することも問題ありません。
ただし使用に際しては制限もあります。切断できる材料の厚さは最大で約5mmまでとされており、それ以上の厚みがある材料の切断には不向きです。
曲線の切断も非常に困難で、別の工具を検討しなければなりません。そのような場合はホットナイフやレーザーカッターを検討すると良いでしょう。
このようにアクリルカッターは、とくに直線的な切断作業が強いです。
直線の切断ならば精密で美しい仕上がりを実現できるので、幅広い分野で重要な役割を果たしています。
アクリルカッターと普通のカッターとの違い
アクリルカッターと一般的なカッターには、構造や性能において大きな違いがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
刃の形状に見られる違い
まず、もっとも顕著な違いは「刃の形状」です。アクリルカッターはフック状の特殊な刃を持っており、この形状によってプラスチック板に効率よく溝を作れます。
一方で一般的なカッターは直線的な刃を持っているため、硬いプラスチック材料に深い切れ込みを入れるのは困難です。
木材ならイメージしやすいかもしれません。例えば木を切断しようと思ったら、ナイフで切るのは難しいですよね。
しかし彫刻刀で彫って切れ込みを入れれば、ある程度の深度で折りやすくなるでしょう。
切断方法による違い
切断方法にも大きな違いがあります。アクリルカッターは、特殊な刃で材料に溝を掘るよう切れ込みを入れるものです。
板厚の1/3から1/2程度まで溝を作ったら、あとは手で折って切断を完了。アクリル素材は硬質かつ軟らかいため、一般的なカッターだとそのまま切断できません。
一般的なカッターでは2mm厚のアクリル板に20回ほど切り込みを入れても、ほとんど溝を作れないでしょう。
傷は付けられるものの、切断となれば話は違ってきます。
切断能力の違い
切断能力の面でも、違いが見られます。アクリルカッターは、最大5mmまでのプラスチック板を効率よく切断可能です。
しかしアクリルカッターに対し、一般的なカッターの場合は0.5mm以下の薄いアクリル板しか切断できません。
この厚み以上になると、作業が非常に困難となります。
安全性の違い
安全性の観点からも大きな違いがあります。アクリルカッターは安定した切断が可能で、切断面も比較的きれいです。
一般的なカッターを使用した場合は刃が挟まりやすく、作業効率が悪化。さらにうまく切れず、刃が破損したり飛んだりして危険を伴いやすいです。
アクリルカッターは硬質プラスチック材料の切断に特化した専用工具として、一般的なカッターとは異なる特徴を持っています。
アクリルカッターの種類について
アクリルカッターには、用途や作業環境に応じて選べるいくつかの種類があります。
大きく分けるとサイズによる分類・刃の固定方式による分類があり、使用環境に合わせて使いやすさが異なるもの。
それぞれの特徴を理解すれば、より効率的で安全な作業が行えます。
アクリルカッターの種類:サイズの違い
アクリルカッターはサイズによって、大きく3つのタイプに分類されます。大型・小型・円切りタイプで見ていきましょう。
大型カッタータイプ
大型カッタータイプは全長が20cm前後あり、グリップ部分も太めに設計されているカッターです。
3〜5mmの厚みがあるアクリル板やプラスチック板の切断に適しており、力強い切断が行えます。
したがってプロの施工業者や、建築現場での使用に向いているでしょう。グリップが太く、長時間の作業でも疲れにくい特徴があります。
小型カッタータイプ
小型カッタータイプは全長が15cm程度で、グリップも細めに設計されています。1〜2mm程度の薄いプラスチック板を切断するのに最適です。
小回りが利くため、細かい作業ならこちらを選ぶと良いでしょう。DIYや模型作りのような、繊細な作業に向いています。
軽量で扱いやすく、初心者でも使いやすいのが特徴です。
円切りカッタータイプ
円切りカッタータイプはコンパスのような形状をしており、中心点を固定して円形や曲線を切断できるタイプです。
おもに装飾用のアクリル板加工や、円形のディスプレイ製作に使用されます。直径の調整が可能で、正確な円形の切断をするならこのタイプを選んでください。
ご紹介した3タイプは作業内容や材料の厚み、必要な精度によって使い分けると良いでしょう。
また同じタイプでも製品によって刃の材質や形状が異なるため、用途に応じて適切なものを選択しなくてはなりません。
アクリルカッターの種類:刃の固定方式の違い
アクリルカッターの刃に見られる固定方式は、スライド式と固定方式の2種類に大別されます。
まずスライド式は一般的なカッターナイフと同様に、刃を出し入れできる構造です。
材料の厚みに応じて刃の出る長さを調整できるため、さまざまな作業に対応できるでしょう。
また使用後は刃を本体内に収納できるので、安全な保管や持ち運びができます。刃の交換もしやすく、メンテナンス性に優れているのも特徴的です。
一方で固定式は、刃が本体に固定されていて動かせません。刃がぶれにくく、安定した切断が可能で、とくに硬い素材を切断する際は力を入れやすい設計です。
シンプルな構造なので故障のリスクが低く、刃の角度が一定に保たれるので高い切断精度を実現できます。
両タイプとも超硬チップ付きの刃を採用している製品があり、耐久性の高さからより硬い素材の切断にも問題ありません。
ただし固定式の場合、刃の交換時に工具が必要となることも。メンテナンスの手間は若干増える傾向にあります。
アクリルカッターの選び方:用途に合わせた形状の選び方
アクリルカッターの形状選びは、作業内容や使用する材料によって大きく変わってきます。おもな選択肢は大型、小型、円切りの3タイプです。
大型タイプを選ぶ場合
大型カッタータイプは、3〜5mm厚のアクリル板やプラスチック板の切断に最適です。
グリップが太めに設計されているため、力強い切断が可能。長時間の作業でも疲れにくい特徴があります。
建築現場やプロの施工業者による使用、もしくはそのくらいハードに使うDIYならこのタイプを選びましょう。
小型タイプを選ぶ場合
小型カッタータイプは、1〜2mm程度の薄いプラスチック板を切断するのに向いています。グリップが細めで全長も15cm程度と扱いやすく、細かい作業が可能です。
軽量で操作性が良いため、DIYや模型作り、クラフト作品の制作に適しているでしょう。一般的にはこのタイプを選ぶ方が多いです。
円切りタイプを選ぶ場合
円切りカッタータイプは、その名のとおり円形や曲線の切断に特化しています。コンパスのような形状で、中心点を固定して切断する仕組みです。
正確な円形の加工が可能なため、ディスプレイ用の装飾品や円形のアクリル製品製作に重宝します。
実際に選ぶ際は普段よく扱う材料の厚みや、作業の種類を考慮して選びましょう。
また複数の作業を行う場合は、汎用性の高い小型タイプをメインにすると安心です。必要に応じてほかのタイプを併用すると、効率よく作業できます。
アクリルカッターの選び方:安全性と使いやすさについて
アクリルカッターを選ぶ際、安全性と使いやすさはもっとも重要と言えるでしょう。なぜなら作業効率だけではなく、怪我の防止にも直結するからです。
まず刃の固定方式は安全性に大きく関わります。スライド式は使用後に刃を収納できるため、保管や持ち運び時の安全性が高く、初心者におすすめです。
一方で固定式は切断時の安定性に優れていますが、保管時には専用のケースが必要になってしまいます。
意外とグリップの形状も重要な選択ポイントです。手にフィットする適度な太さと、滑り止め加工が施されているものを選びましょう。
力を入れる作業が多い場合は、握りやすい太めのグリップが適しています。また左右両用タイプは利き手を問わず使えるので、使い勝手が良好です。
重量バランスも使いやすさを左右する項目と言えるでしょう。全体的に軽すぎると力のコントロールが難しく、重すぎると疲労の原因となります。
とくに長時間の作業を行う場合は、ほどよい重さで手首への負担が少ないものを選ぶと安心です。
また刃の交換がしやすいかどうかも考慮しておくと良いですね。
工具不要でかんたんに交換できるタイプはメンテナンスしやすく、作業効率を高められます。
アクリルカッターの選び方:耐久性と性能
アクリルカッターの耐久性と性能は、おもに刃の材質と品質に大きく左右されます。適切な製品を選べば、長期的な作業効率と経済性を高められるはずです。
ここでいう刃の材質は大きく見ると、以下の2種類に分かれます。
- 工具鋼製
- 超硬チップ付き
一般的な工具鋼製の刃は標準的な使用で十分な性能を発揮し、価格も手頃です。
一方で超硬チップ付きの刃は耐久性が格段に高く、より硬い素材の切断にも対応できます。頻繁に使用する場合やプロ向けの作業なら、超硬チップ付きの製品を選んでおけば間違いありません。
替え刃の入手がしやすいかどうかも、重要な検討ポイントです。メジャーなメーカーの製品は替え刃が入手しやすく、長期的な使用を考える上で安心できます。
また互換性のある替え刃が使用できる製品なら、コスト面でも優れているでしょう。
切断性能については、刃の角度や形状も重要です。適切な角度で設計された刃は、より少ない力で正確な切断ができます。
面取り加工ができる刃の形状を持つ製品なら、仕上がりの美しさも効率よく行えるはずです。
なお定期的なメンテナンスも、性能維持には欠かせません。刃の交換が容易な構造になっているかどうかも、選択に見ておくと良いですね。
アクリルカッターで対応できるアクリル板の厚さ
アクリルカッターで対応できるアクリル板の厚さには一定の制限があります。
まず標準的な対応厚さを見ていきましょう。一般的なアクリルカッターは最大で約5mm厚さのアクリル板やプラスチック板を切断できます。
タイプ別の対応厚さ
カッターのタイプは、プラスチック板やアクリル板の厚みによって適切なサイズが異なります。
具体的には、下記のとおりです。
- 大型カッタータイプ:3〜5mmの厚みがある材料の切断に最適
- 小型カッタータイプ:1〜2mm程度の薄い材料の切断に最適
- 円切りカッタータイプ:製品によって異なりますが、約2mmまでの対応が一般的
ただし、使用上の注意点は押さえておきましょう。アクリル板を切断する際は、板厚の1/3程度まで溝を入れるのが基本です。(その後に折り曲げて切断)
それ以上の厚みがある材料を切断する場合、レーザーカッターやほかの工具を検討することをおすすめします。
アクリルカッターを買うならおすすめしたい主要なメーカー
アクリルカッターの選び方を理解したところで、実際の製品選びに役立つメーカー情報をご紹介します。
ここではとくにおすすめの3社、オルファ、タジマ、三木技研についてまとめました。
各社の特徴と、それぞれの製品の魅力について詳しく見ていきましょう。
オルファ(OLFA)
オルファ(OLFA)は1956年に、世界初の「折る刃式カッターナイフ」を発明・開発した日本の刃物メーカーです。
大阪に本社を置き、現在では世界110カ国以上で製品が使用される世界的ブランドへと成長しました。
アクリルカッターの製品ラインナップでは、黄色を基調としたデザインを採用。工具箱内での視認性を高め、不意の怪我を防ぐ配慮です。
とくに初心者向けの特徴として、スライド式の刃を採用しています。かんたんな操作で使用できるのは魅力的です。
使用後は刃を収納できるため、安全な保管が可能です。
製品の機能面ではネジロック式で刃がしっかりと固定され、安定した切断作業も両立しています。
また替え刃が本体に内蔵されており、作業中に刃が切れなくなった際も交換が容易です。
さらに刃の背を使って、切り口の面取りができる設計も。初心者ならオルファ製を選んでおけば間違いありません。
オルファのアクリルカッターは安全性や使いやすさ、機能性に優れたバランスの良い工具が中心です。
また、手頃な価格帯の製品が多いため、初めてアクリルカッターを購入する方にとって魅力的なポイントとなっています。
タジマ(TAJIMA)
タジマ(TAJIMA)は、建築用ハンドツールの分野でトップシェアを誇る日本の工具メーカーです。
長年にわたり、プロフェッショナル向けの工具を提供してきました。アクリルカッターの分野でも、高品質な製品を展開しています。
代表的な製品「プラスチックカッターLC701」は全長150mm、重量36gという軽量設計を実現。
特徴的な弓型のグリップは手に自然と馴染む形状で、長時間の作業でも疲れにくい設計です。
切断時の角度にも配慮されており、作業者の負担を軽減する工夫が随所に見られます。まさにプロ向けと言えるでしょう。
機能面では、本体内に2枚の替え刃を内蔵できる実用的な設計を採用しました。切れ味が悪くなった際にすぐ交換できるため、作業の中断を最小限に抑えられます。
また切断後の面取り仕上げも可能な多機能設計となっており、1本で複数の作業をこなせるのも魅力です。
初心者の方にタジマの製品をおすすめする理由は、その使いやすさにあります。軽量で扱いやすく、アクリルカッターを初めて使う方でも安心です。
また手に馴染みやすい弓型グリップにより、切断作業も安定しやすくなっています。
まとめるとタジマのアクリルカッターはプロ品質でありながら、初心者でも扱いやすい工具として評価が高いです。
DIY愛好家からの支持も厚く、アクリル加工を始める方にも自信を持っておすすめできます。
三木技研(GIKEN)
三木技研(GIKEN)は、精密機械部品や工業用刃物の製作を手がける老舗メーカーです。アクリルカッターの分野でも、とくに高品質な製品を提供しています。
代表的な製品「プラスチックカッターA-650」は、超硬チップを採用した高性能な工具です。
アクリル板やプラスチック板だけではなく、なんと石膏ボードやデコラ、耐火ボードといった幅広い素材に対応できます。
製品の性能面では固定式の刃を採用しており、大きな力をかけても刃がブレにくい安定した設計です。
また超硬チップ付きの刃は耐久性が高く、優れた切れ味を長期間維持。初心者の方におすすめの理由をまとめてみましょう。
- 安定した切断性能
- 高い耐久性
- 幅広い素材への対応力
- シンプルで使いやすい設計
三木技研のアクリルカッターは、プロ品質と使いやすさを両立した工具です。
DIYを行う方だけではなく、専門家からも幅広い支持を得ています。とくに耐久性と切断性能を重視する方は、こちらのメーカーが適しているでしょう。
まとめ
今回は、アクリルカッターの用途や選び方、購入するならおすすめしたいメーカーについて解説していきました。
このほかにもDIYや電動工具に関する知っておきたい知識は、まだまだあります。
ぜひ、このほかの関連記事も読んで参考にされてみてください。
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