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ニスの剥がし方や落とし方は?ワックスとの違いについても解説します

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ニスは、DIYをはじめとする様々な場面で活用されており、小学校の美術の時間や図工の時間に利用したことがある方も多いのではないでしょうか。

そんなニスですが、実は塗料の一種で、水性と油性の違いが存在し、それぞれにメリットやデメリットが存在します。

一度は使用したことがある方も、きちんとしたニスの知識や用途の違い、ワックスとの違いなどの基礎知識を学んだことがある方は少ないはずです。

ということで今回は、ニスについてきちんと基礎知識を学びたい方に向けて、ニスの種類や種類ごとの用途の違い、それぞれの剥がし方などについて解説していきたいと思います。

これからニスを使用した加工をおこなう方で、ニスについての基礎知識を学びたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

【ニスの種類】水性ニスと油性ニスの特徴について

ニスの種類は「水性」と「油性」2種類が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。

そのため、ニスの落とし方も水性ニスなのか油性ニスなのかで対処方法が異なります。

ニスの落とし方を理解するためにも、まずは水性ニスと油性ニスの特徴などについて解説し、ニスについて基礎知識を把握しましょう。

水性ニスの特徴とメリット・デメリット

水性ニスはアクリル樹脂を原材料として作られたニスで、油性ニスと比べて落としやすく、溶剤のニオイも少ないため、さまざまな場面で使用されています。

とくに木工の工芸品などの艶出しなどで利用され、小学生時代に使用したことがある方も多いのではないでしょうか。

油性ニスと比べても安全に使用でき、ニスを落とす際も自宅にある比較的安全なもので対処できる強みがあります。

一方で、耐久性は油性ニスに劣り、同じ木工用途でも、ダイニングテーブルなど傷つきやすい場所や水に濡れやすい実用的な家具などの加工には不向きです。

油性ニスとメリット・デメリット

油性ニスは硬い塗膜を形成するため、耐久性が高いのが特徴です。
一方で、一度塗ると落としづらいデメリットもあります。

シンナーやベンジンなどの薬剤を使用しなければ落ちない場合もあり、水性ニスと比較して安全性や使い勝手は少しだけ下がってしまうでしょう。

溶剤の臭いもキツイため換気が必要になり、乾燥するまでにも時間がかってしまうので、初心者が扱うのは苦労するかもしれません。

もし油性ニスを使うのは少しハードルが高いと感じたら、水性ニスと油性ニス両方の長所を合わせ持つ「水性ウレタンニス」の利用を検討してみてください。
実用的な家具の利用にも最適で、安全性も高いため小さい子供がいても気軽に利用できます。

油性の長所である耐久性も持ちながら、後片付けも簡単で扱いやすいのが魅力です。

水性ニスの落とし方

前章の内容を踏まえ、ニスの具体的な落とし方を水性と油性に分けて付着した素材ごとにみていきます。

ここでは、まず水性ニスの落とし方を確認していきましょう。

「どこに付着したとしても」「水性・油性に関係なく」ニスが乾き切ってしまうと落としづらくなるので、気付いた段階で早く対処することが大切です。

木材の場合

水性ニスは容易に落とせるので、木材に付着した場合でも紙やすりを使用すれば問題なく落とせます。

ただし、あまりにも強く削り過ぎると、素材を傷めたり木材に塗った塗料まで削り取ってしまったりする恐れがあるので慎重に行うようにしましょう。

上手く落とせない場合は、無理をせずに作業に慣れた人に頼むことをおすすめします。
広範囲に付着させてしまった場合には、業者に頼んでもよいでしょう。

付着した範囲が広い場合に自分で対処する際は「ニス薄め液」や「剝離剤」を使用した方がよいケースもあります。

ただ、剝離剤にはベンジンやシンナーなど強力な薬剤が含まれている可能性があるので、落ちやすい水性ニスの場合は研磨によって落とす方法を優先させましょう。

ニス薄め液や剝離剤を使った具体的な落とし方は、油性ニス(木材に付着した場合)で解説しているので参考にしてみてください。

手に付着した場合

手に付着した水性ニスは乾かないうちに、すぐに石鹼で洗えば落ちます。
ただし、水性ニスは乾きが比較的早く、一度固まってしまうと石鹼では落ちなくなるので注意が必要です。子供に限らず大人でも爪で強引に落とそうとすると、かゆみを生じ肌荒れの原因になります。

ニスが乾いて落としづらければ、ぬるま湯を使い時間をかけて石鹼で優しく洗うようにしましょう。

地道に洗っているうちに塗料が浮かび上がってきて、最終的には落とせるようになります。

衣類に付着した場合

衣類に付着した水性ニスは、洗濯用洗剤で手洗いすれば落とせます。
水性ニスが付着している部分に洗剤用洗剤を数滴たらし、揉み洗いした後、すすぎ洗いをする流れで行いましょう。

水性ニスが付着しているかしっかり見ないと判別できない程度まで落としたら、通常通り洗濯機に入れて完了です。

ただし、石鹼で落とす場合と同様、衣類に付着してから時間が経つと落ちづらくなります。その場合に備えて、衣類を傷めない程度に「頑固な汚れも落とせる」といったフレーズで洗浄力の高さを謳っている洗剤を購入しておくとよいでしょう。

また、水性ニスの場合は水洗い程度で落ちる場合もあるので、最初からシンナーやベンジンなど強力な薬品を使わないことをおすすめします。

作業前の準備に手間がかかりますし、短時間の使用でも身体によいとはいえないので、特に子供がいる場合は可能な限り使わないようにしましょう。

油性ニスの落とし方

すでに説明したように、油性ニスは一度付着すると簡単には落ちません。落とすには薬剤が必要になる場合もあるので、水性ニスよりも安全な作業を心掛けなくてはいけないでしょう。

ただ、水性ニスほどスムーズとはいかなくても、乾き切らないうちに対処すれば薬剤を使わなくても落とせる場合もあります。

油性ニスの落とし方に関しては、気付いた段階で可能な限り早く動けるように、都度調べなくても対処できる状態にしておいた方がよいでしょう。

木材の場合

木材に付いた油性ニスは、水性ニスと同様に研磨して落とすのが基本です。

付着した範囲が少なく部分的であればヤスリ(サウンドペーパー)、素材丸ごとなど多く付いた場合はカンナを使って磨くとよいでしょう。

広範囲に付着して落ちづらい場合は、ホームセンターやネット上で販売されている「ニス薄め液」や「剝離剤」で落とす方法もあります。

繰り返しになりますが、剝離剤にはシンナーやベンジンなど強力な薬剤が含めている場合があるので注意が必要です。

作業前には窓を開け換気するなど安全に配慮しましょう。また、ニス薄め液を使用する場合は「油性ニス専用」のものを使うように注意してください。

ニス薄め液や剝離剤を使った落とし方は、以下の通りです。

  • 該当箇所にハケを使いニス薄め液・剝離剤を塗布
  • ニスが付着した部分がふやけてくるまで時間を置く
  • 浮き上がるような感じになったらヘラなどを使って剝がし取る
  • 仕上げに紙やすりで表面を整え、水拭きをする

手に付着した場合

手に付着した場合は、徐行液を使えば落ちる場合がほとんどです。
まずは徐行液をティッシュやコットンに染み込ませて、油性ニスを拭き取ってみましょう。時間が経ってどうしても落ちない場合は、綿棒に徐行液をつけて少しずつ擦ってみてください。

ネイルリムーバーを布やティッシュに染み込ませて落とす方法もありますが、肌荒れの原因になるので肌の弱い方にはおすすめしません。

手に油性ニスが付着してしまうと落とすのに時間がかかり、その間周囲のものに触れられなくなり作業が滞ってしまいます。

結局のところ、ニスを使用する際は手袋をして直接触れないようにするのが一番の予防策といえるでしょう。

衣類に付着した場合

油性ニスが衣類についたら、シンナーやベンジンを使用して落とすのが一般的な方法です。ただし、人体に影響を与える恐れがあるので、十分な換気や周りに飛び散った場合に備えてシートを敷くなど、作業前の事前準備は抜かりなく行いましょう。

また、ゴム手袋やマスクを着用し、薬剤に直接触れたり嗅いだりしないようにしてください。

シンナーまたはベンジンを使用した落とし方は、以下の通りです。

  • 衣類の裏に当て布をする
  • 薬剤を塗布した布でニスが付着した箇所をたたく
  • 衣類を傷めない程度に繰り返す

中々、落ちない場合は無理をせずにクリーニング店に持っていきましょう。

ニスを落とす場合や剥がす際の注意点について

付着したニスを取り除く際は以下の点に注意してください。

  • 薬剤・洗剤の扱い方
  • 洗剤や薬剤を使う前には他の場所で試す
  • 自分で作業するのが難しい場合は無理をしない

洗浄力が高い洗剤や強力な薬剤を使用すると肌荒れを引き起こす場合があるので、直接触れないように手袋をするか、可能な限り使用を控えた方がよいでしょう。

シンナーやベンジンは臭いがきつく、人体に影響を及ぼす場合もあります。
使用する際は必ず換気し、注意書きの内容を守るようにしてください。

また、素材が変色する場合もあるので、ニスを落とそうとしている箇所と同素材の使わないところで一度試してから利用した方がよいでしょう。

特に油性ニスは落とすのが大変です。無理をすると素材を傷つけてしまう恐れもあるので、難易度の高い作業は業者(衣類の場合はクリーニング店)に依頼することをおすすめします。

ニスとワックスの違いや使い分け

ニスとワックスの両方とも、木材や家具の表面を保護する目的で使用する点は共通しています。

ただし、それぞれの本質的な用途は異なり、仕上がりや手入れの頻度も異なるので適切な使い分けが必要です。

ニスとワックスの違いを理解し、それぞれの良さを最大限発揮した使い方ができるようになりましょう。

ニスとワックスの違い

ニスの主成分は樹脂で、乾くと硬化して表面を保護します。ニスは透明・均一な仕上りになるため、木材の美しさを引き立てたり、木目を浮き立たせたりする目的で使用します。

ニスは手入れが簡単で、定期的なメンテナンスもほとんど必要ありません。

一方のワックスは主成分が天然の蜜蝋(みつろう)や合成の蝋(ろう)で、塗ると薄い膜を形成して傷や汚れから表面を保護します。

ニスが素材の良さを引き出す用途なら、ワックスは木材や床などの仕上げ用に使われる場合が多いです。木材に光沢と滑らかな肌触りを与える効果があるため、最後の一仕事に使うといったイメージでしょう。

また、ワックスは定期的にメンテナンスを施すことで効果が長持ちし、手入れもしやすいメリットもあります。

ニスとワックスの使い分け

前節のニスとワックスの違いをまとめると、以下のようになります。

 

ニス

ワックス

用途

木材の美しさを引き立てる

 

木目を浮かび上がらせる

木材や床などの仕上げ用

成分

樹脂

天然の蜜蝋(みつろう)

合成の蝋(ろう)

仕上がり

透明・均一

光沢感・滑らかな肌触り

手入れ

効果が長持ち

メンテナンスは基本的に不要

定期的なメンテナンスによって効果が長持ち

したがって、ニスはどちらかといえば見た目を整える用途に、一方のワックスは長く使用するための仕上げ用に使うといったイメージです。

ワックスは定期的なメンテナンスが必要になりますが、効果が長持ちするという両者共通のメリットを活かせるように、使用する場面を間違いないようにしましょう。

ニスやワックスをはじめ塗料の類は、失敗した後のリカバリーが大変です。
1人で作業するのが不安な場合は、遠慮せず周りに相談しましょう。

まとめ

今回は、ニスについてきちんと基礎知識を学びたい方に向けて、ニスの種類や種類ごとの用途の違い、それぞれの剥がし方などについて解説していきました。

この他にも塗料についての基礎知識や、DIYや電動工具にまつわる知っておきたい知識はまだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。