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ジェットヒーターの種類や選び方、メリットとデメリットについて解説していきます

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ジェットヒーターは広い空間を効率的に暖めるため、専用に設計された業務用暖房機です。

おもに工場や工事現場、体育館や倉庫、イベント会場で使用されます。

そのため、暖房機器として導入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ということで今回は、ジェットヒーターについて種類や選び方などの基礎知識から、導入時のメリットやデメリットまで解説していきたいと思います。

ジェットヒーターの購入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

ジェットヒーターとは?

ジェットヒーターは、広い空間を効率的に暖めるのに最適な暖房機器です。

種類に応じた特徴があり、それぞれに長所と短所があります。

それぞれの種類に応じた用途で使用することでジェットヒーター本来の強みを発揮できるため、種類ごとの特性は知っておきたい知識のひとつです。

例えば赤外線式は体育館や倉庫のような大空間を体の芯から暖めるのに効果的ですし、熱風直火式や間接式のようなタイプだと、工事現場や自動車工場での塗料乾燥やコンクリート養生に利用されていたりします。

詳しくは後述しますが、種類によって利用用途も大きく変わりますので、どんな用途で利用したいのか事前に決めておくことは非常に大切になります。

次にジェットヒーターとよく比較されているブライトヒーターについて解説していきます。

ブライトヒーターとジェットヒーターの違い

ブライトヒーターとジェットヒーターは、いずれも大空間の暖房に使用される業務用ヒーターです。しかしその機能と用途には明確な違いがあります。

出典元:Amazon公式サイト「オリオン ジェットヒーター HPE370 商品ページ」より

ジェットヒーターはおもに「熱風」を利用して空間を暖めるもの。大きく分けて「熱風直火式」と「熱風間接式」の2種類があります。

熱風直火式は直接熱風を当てて暖めるタイプで、工事現場や自動車工場で塗料の乾燥やコンクリートの養生で使用されることが多いです。

実は熱風間接式も熱風を使いますが、仕組みとしては間接的に暖めるものとなっています。(バーナーで生み出した熱をファンで送り出し、温風を出す仕組み)

このタイプは空気がクリーンなので、農業や建築現場での乾燥作業に適しています。

総じてジェットヒーターは高出力で大型になっており、広範囲を一気に暖められるのが特徴であり魅力と言えるでしょう。

出典元:Amazon公式サイト「オリオン ブライトヒーター」より

一方でブライトヒーターは、赤外線を利用した暖房機です。とくに遠赤外線を用いて空間を暖めます。

ブライトヒーターは設置個所から離れた場所や広い空間での暖房に優れていて、体育館や倉庫、イベント会場で多く使用されるタイプです。

遠赤外線は人体の表面でよく吸収される特徴があり、体の芯から暖まる感覚が得られます。

さらにブライトヒーターは、静音性も高いです。運転音が気になる場所でも安心して使用できます。

まとめるとジェットヒーターは乾燥や養生を目的とした現場使用に適しており、ブライトヒーターは大規模なイベントや公共施設での暖房に最適です。

ただしジェットヒーターで有名なメーカー「オリオン」は、ブライトヒーターもジェットヒーターも区別していません。同じジェットヒーターの名称で販売中です。

本記事でもとくに区別は行わず、ブライト型やダクト型、といったくくりでご紹介します。

ジェットヒーターの種類

広い空間を効果的に暖めるため開発されたジェットヒーターは、さまざまな用途に応じた複数のタイプがあります。

ジェットヒーターといっても、赤外線式や熱風直火式、熱風間接式といった様々な種類があり

今回は下記3種類のジェットヒーターをご紹介しましょう。

  • 赤外線式(ブライト型)
  • 熱風直火式(ダクト型)
  • 熱風間接式(熱交換式)

それぞれ特徴がありますので、ジェットヒーター選びで迷ったらぜひ参考にしてください。

ブライト型(赤外線)

ブライト型ジェットヒーターは、赤外線を利用して空間を暖めるタイプの暖房機です。赤外線はほかの方式と異なり、熱の伝わり方に違いが見られます。

この赤外線を放射して暖める仕組みを利用すると、体の芯から暖まる感覚が得られやすいです。とくに遠赤外線は人体に吸収されやすく、効率的に暖を取れます。

用途としては体育館や倉庫、イベント会場といった広い空間で使用されるケースが多いです。広範囲を均一に暖めるなら、ブライト型が有利でしょう。

運転時の静音性にも優れているため、静かな環境が求められる場所でも使用できます。

暖房面積が狭いものでも50畳ほどがあり、イベントでは多くの人を広範囲に温めてくれる頼もしい存在です。用途が幅広いのも特徴的。

ブライト型ジェットヒーターは効果的に広い空間を暖めるだけではなく、運転音が静かな点から使用環境を選ばない優れた暖房機と言えるでしょう。

ダクト型(熱風式直火)

ダクト型ジェットヒーター(熱風式直火)は、直火で発生させた熱を風で送るタイプの暖房機です。まさに直火を使う熱風なので、熱量が段違いとなっています。

バーナーから発生する熱を直接風に乗せて送るため、迅速に空間を暖められるでしょう。ただし熱量が高すぎる点は注意が必要です。

用途としては塗料の乾燥やコンクリートの養生にとても適しており、自動車工場や建築現場で多く利用されています。

暖房目的でも非常に高出力で、広範囲を短時間で暖められるのは大きなメリット。作業効率の向上に寄与します。

実は農業分野でも利用されることがあり、作物の乾燥や農業施設の暖房におすすめです。

強力な暖房効果を利用して、屋外や半屋外の使用にも◎。建築現場やイベント会場での使用に最適です。

ダクト型ジェットヒーター(熱風式直火)は、その強力な暖房能力と多様な用途が特徴と言えるでしょう。

工業用から農業用まで幅広く活用される暖房機です。とくに熱量が大きいので、乾燥作業が求められる環境は大いに活躍します。

ダクト型(熱風式間接)

ダクト型ジェットヒーターの熱風式間接タイプは、直接的に熱風を出しません。バーナーの熱を熱交換によって、間接的に空気へ熱を伝えるタイプです。

直火式と何が違うの?と思うでしょう。実は直火式と比べ、燃焼時に発生した有害なガスが含まれない点こそ大きなメリットです。

直接火が出ないため火災リスクも低く、閉鎖された空間でも安心して使用できます。とくに人が多く集まる場所や、室内での使用に最適です。

その安全性から自動車工場や建設現場といった、広範囲の暖房が必要な場所で広く使用されています。

直火式と同じく農業用としても利用され、作物や農業施設の暖房にも。ただし熱量は直火式のほうが高いです。

有害なガスを出さないため、環境に優しい暖房機として評価されています。室内空気の質を維持しながら、効果的な暖房を求めるなら間接型が良いでしょう。

ダクト型(熱風式間接)のジェットヒーターは、安全性と多用途性を兼ね備えた暖房機です。多くの産業現場での暖房に適しています。

とくに安全で効率的な暖房を必要とするなら、熱風式間接タイプを選ぶのがおすすめです。

ジェットヒーターの選び方

ジェットヒーターを選ぶ際は、まず使用目的を明確にする必要があります。そのうえで適切な機種を選びましょう。

最初に「使用目的」を決めてください。ジェットヒーターにはさまざまな種類があり、使用目的によって選ぶべきタイプが異なります。

例えば工場や工事現場での乾燥作業には熱風式が適しており、広い空間を効率的に暖めるには赤外線式が最適です。まずは何に使用するのかを明確にしましょう。

次に「暖房したい空間の広さ」を確認します。ジェットヒーターの暖房能力は、暖める面積や体積によって適したものを選ばなくてはなりません。

適切な暖房能力を持つ機種を選ばないと、効率的に空間を暖められないでしょう。選ぶ際は製品のスペックシートに記載されている「適用面積」を参考にしてください。

そして「燃費」も重要な項目です。ジェットヒーターは灯油を燃料とするため、燃費が重要な要素となります。

各メーカーは「燃料消費量(L/h)」を表示しているので、購入前に必ず確認しましょう。燃費が良い機種を選べば、ランニングコストを抑えられます。

ジェットヒーターの「重量や大きさ」も重要な要素です。設置場所や保管場所に適したサイズを選ぶ必要があります。

重さによっては移動や設置が大変になるので、移動が必要かどうかも重要な要素です。とくに大型の機種は取り扱いが大変になります。

上記を理解したうえで、「メーカー選び」も重要になる点を押さえておきましょう。ジェットヒーターが得意なメーカーはあまり多くなく、信頼性もある程度絞られます。

※後半でおすすめメーカーについてもご紹介しますので、気になる方はぜひ「6 ジェットヒーターを買うならおすすめしたいメーカーと特徴」も参考にしてください。

実績や評判の良いメーカーの製品は、品質やアフターサービスの面で安心感があります。口コミやレビューを参考にし、自分の用途に最適なメーカーの製品を選びましょう。

まとめると使用目的や暖めたい広さ、燃費や重量、大きさ、そしてメーカーを考慮していくのが大切です。

上記ポイントを押されば、最適なジェットヒーターを選びやすくなります。

ジェットヒーターのメリットとデメリット

ジェットヒーターは大規模な空間を効率的に暖められるため、工場や倉庫、イベント会場で幅広く利用されています。

しかしどのような機器にも、メリットとデメリットが存在する点は知っておかなくてはなりません。

この項目では、ジェットヒーターの利点と欠点を詳しく解説しました。導入を検討する際の参考にしてください。

ジェットヒーターのメリット

ジェットヒーターには、ほかの暖房機器にはない多くの利点があります。まず挙げられるのは「高い暖房能力」です。

大きなバーナーを使用しているジェットヒーターは熱量が高く、広い空間を効率的に暖められます。

さらにある程度移動ができるため、空調設備がついていない場所や屋外・半屋外でもサッと利用できるのが大きなメリットです。

暖房だけではなく、乾燥用途にも優れています。塗料の乾燥、コンクリートの養生、自動車の塗装乾燥といったさまざまな場面でも使われているでしょう。

操作性が高いのもメリットの1つです。多くのジェットヒーターは操作がシンプルで、誰でもかんたんに使いこなせるよう設計されています。

点火してから短時間で暖房効果が得られるため、すぐに暖かさが必要な現場やイベント会場で利用しやすいです。

即時に大出力で暖かさを提供できるのは、ジェットヒーターくらいでしょう。

そしてジェットヒーターは、おもに灯油を燃料として使用します。灯油は比較的入手しやすく、ほかの燃料と比べてコストも抑えられます。

※現在ではよく燃料で使われるガソリンの購入に大きな制限が課されており、購入時のハードルが高いです。灯油なら24時間セルフスタンドで、すぐに購入可能。

このようなメリットにより、ジェットヒーターは多くの業務用現場で欠かせない存在となりました。

冬場のみの活躍と思われがちですが、乾燥という目的では季節を問いません。

ジェットヒーターのデメリット

ジェットヒーターには多くのメリットがある一方で、導入を検討する際にはデメリットも考慮する必要があります。

一般的にジェットヒーターは大型で重く、設置や移動が容易ではありません。とくに狭い場所や頻繁に移動させる必要がある現場だと、取り扱いが難しいです。

またジェットヒーターの燃料は灯油なので入手しやすい一方、運転時には大量の燃料が必要となります。

長時間使用する場合や広い空間を暖める場合には、ランニングコストが高くなることを覚悟しなくてはなりません。

※一般的に1時間あたり0.65リットルから3.6リットル程度の範囲。

方式による違いはあるものの、運転中に大きな音が発生する点もデメリットです。静かな環境が求められる場所では、この騒音が問題となるケースも。

定期的なメンテナンスが必要な点も、手間を考えておく必要があるでしょう。バーナーやファンの清掃、燃料タンクの管理を行わなくてはなりません。

メンテナンスを怠ると効率が低下し、故障の原因にもなります。故障すれば損失は余計に大きくなるはずです。

そして灯油は比較的安全に利用できるものの、取り扱いには注意が必要となります。

不適切な取り扱いやメンテナンス不足が続くと、火災や一酸化炭素中毒のリスクが高まりやすいです。安全対策を徹底し、使用方法を遵守しなければなりません。

基本的に上記デメリットは、大火力を扱う器具としては最低限レベルのものばかりです。基礎的な講習を行えば、十分に補えるデメリットと言えるでしょう。

ジェットヒーターを買うならおすすめしたいメーカーと特徴

ジェットヒーターはさまざまなメーカーから提供されており、それぞれに特徴と強みがあります。

この項目では業界トップクラスのシェアを誇るオリオン機械、高性能な製品で知られる静岡製機、そしてコストパフォーマンスに優れたナカトミの3社をまとめました。

それぞれの特徴と選び方について詳しく解説します。

オリオン機械

オリオン機械は、ジェットヒーター市場でトップクラスのシェアを誇るメーカーです。

多岐にわたる産業機械や酪農機械の製造も行っており、その技術力と信頼性は広く認知されています。

よく学校の体育館や倉庫、板金工場、自動車整備工場、イベント会場、葬祭場で見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

提供しているジェットヒーターは、3種類すべてを網羅しています。

  • 赤外線で暖めるタイプ
  • 熱風の直火タイプ
  • 熱風式間接タイプ

小型なタイプから造船場でも使える大型なタイプまで幅広く揃っており、使用目的や環境に応じて最適な機種を選べるでしょう。

その豊富なラインナップと高い信頼性から、業界内外で広く支持されています。

ナカトミ

ナカトミは、コストパフォーマンスに優れたジェットヒーターを提供するメーカーとして知られています。

オリオン機械や静岡製機と比べて価格帯が安いです。しかし品質は高いため、多くのユーザーに選ばれています。

ほかにも冷暖房器具や空圧工具、エンジン関連、園芸商品と幅広い製品を展開中。多様なラインナップからも信頼を得ています。

ナカトミのスポットヒーターは塗装やコンクリート養生の乾燥、屋外でのスポット暖房に適しているのが特徴です。

手軽に使用できるサイズや価格設定が魅力で、小規模な工事現場や農業用途でも高い評価を受けています。

※ナカトミのヒーターは「スポットヒーター」の名称で親しまれており、この名称といえばナカトミ!と言われるほど。

またナカトミは静音タイプやサーモスタット機能付きの製品も提供しており、用途に応じた選択肢が豊富です。

例えば作業環境に合わせて温度を自動調整できる機能付きのモデルは、効率的な暖房を実現。エネルギー消費を抑えられます。

ナカトミのジェットヒーターは、手頃な価格で高性能な機器がほしい方におすすめです。初めてジェットヒーターを導入する方にも良いでしょう。

静岡製機

静岡製機は、ジェットヒーターの分野で確固たる地位を築いているメーカーです。

主力製品であるVAL6(バルシックス)シリーズの赤外線ヒーターが有名で、幅広い業務用暖房ニーズに対応しています。

冬季の暖房機器だけではなく、夏季の冷風機も展開中。季節を問わず、快適な環境を提供する製品を揃えています。

静岡製機のジェットヒーターは、赤外線を利用した暖房技術に優れているのが特徴です。

運転時の静音性は非常に高く、各種イベント会場や体育館での使用に適しています。

また塗装やコンクリートの乾燥作業にも活用できるため、建築現場や自動車工場での需要も高いです。

ほかにもホットガンと呼ばれる熱風ヒーターも提供しており、塗装やコンクリートの乾燥に効果的。

ホットガンは強力な熱風を直接対象物に当てることで、迅速かつ均一な乾燥を実現します。寒冷地や冬季の建築現場での使用に向いているでしょう。

そして静岡製機の製品に見られる特徴として、使いやすさと安全性を重視して設計されています。

例えばサーモスタット機能や過熱防止装置といった安全機能が標準装備されており、長時間の連続使用も安心です。

安心して使いたいと思うなら、静岡製機の製品を検討してみてください。

まとめ

今回はジェットヒーターについて種類や選び方などの基礎知識から、導入時のメリットやデメリットまで解説していきました。

この他にも電動工具やDIYにまつわる知っておきたい知識は、まだまだたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。