ベニア板とコンパネと合板の違いについて解説します
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DIYをはじめると、様々な専門用語が出てきます。
たとえば木材の種類なら、ベニア板とコンパネ、合板といった感じです。
今回は、DIYをはじめるなら知っておきたい「ベニア板とコンパネ、合板」の違いについて解説していきます。
木材選びは、DIYをはじめるなら絶対に抑えておきたいポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。
ベニア板とは
ベニアとは、一枚の薄い板材を指します。切り出した原木を「大根の桂剥き」と同じように切削し、一枚の板にしたものです。
語源としては突板を意味する「Veneer(ベニア)」とされており、0.6mmから3mmの単層からなる板を指します。
ホームセンターで購入する場合、ラワン材のベニアを多く見かけるでしょう。
ただしベニア板といえば、合板を指す場合が多いようです。理由は1912年にロシアから合板を輸入する際、「ベニア板」と呼んでいたとのこと。
明確な区別はなされていない上に、法的な表示も定められていません。一般的には複層になっている合板を指して、ベニア板と呼ぶことが多くなっています。
とくにDIYを行う方なら、ベニア板といえば薄いベニアを貼り合わせた合板を指すことが多いでしょう。
少しややこしいのですが、厳密にはベニア板は単層(0.6mmから3mm)の薄い板。
しかし一般的には、何枚か貼り合わせた「ベニア合板」を指すとおぼえておけば良いです。
基準としては910mm×1820mmの大きさを指し、横が3尺・縦が6尺でサブロクと言われています。(ベニア2枚で厚さは3mmほど)
コンパネとは
コンパネとは、「コンクリートパネル」の略です。とはいえコンクリートでできたパネル、というわけではありません。
実はコンクリートを流し込んで、型枠を取るのに使われる合板です。
一般的には5枚のベニア板を貼り合わせており、厚みが12mmとなっています。(サイズは900mm×1800mm)
コンパネは安価で頑丈なため、DIYを行う多くの方に愛用されているほど。基準のサイズであれば、おおよそ2,000円ほどで購入できるでしょう。
またなんといっても、「耐水性がある」のはほかの板材にない特徴です。基本はコンクリートの型枠として使われるので、耐水性を高めています。
ベニア板を貼り合わせる接着剤に関しても、耐水性があるので湿気に強く、屋外利用にも最適です。
強度も申し分なく、本来の型枠以外でも利用できる範囲が広くなっています。ただし建築現場で使用される前提なので、表面処理は荒いです。
家具や人が常に扱う場所では、ザラザラ・ガサガサなので処理を施す必要があるでしょう。
合板とは
合板とは、薄いベニア板を積層させて作る板材です。複数枚の板材を貼り合わせているため、強度とともに扱いやすさも兼ね備えています。
合板は用途により、下記のような種類に分かれるので注意しましょう。
- 普通合板:用途が定まっていない合板
- 構造用合板:建築物や建材に使う目的で作られた合板
- コンクリート型枠用合板:コンクリートパネル(通称コンパネ)
- 天然木化粧合板:住宅内装、家具といった仕上がりの向上目的
合板は単板の木目を別方向から重なるように積層するため、同じ繊維の方向に接着しません。カットすると断面が縞模様に見えます。
この貼り合わせ方法により強度が出るだけではなく、湿度による変形にも強いです。下記のような特徴も合わせ持っています。
- 調湿作用
- 電気の伝導性が低く安全
- 防音、防振
- 軽さと強度の両立
- コストパフォーマンスが高い
合板は基本的にベニア板を使うため、1本の原木から多くの板を作り出せます。その板を余すことなく使えるので、コストパフォーマンスが高いです。
ベニア板とコンパネと構造用合板の違いについて
ベニア板とコンパネ、構造用合板の違いについて見ていきましょう。
まずベニア板は、原木から切り出した薄い板(0.6mmから3mm)です。よく合板をカットすると、繊維方向が違う縞模様になっているでしょう。
この1枚1枚がベニア板で、厳密には合板と異なります。しかし一般的には、ベニアを複数重ね合わせた合板を「ベニア板」と呼ぶことが多いです。
コンパネに関してはベニアを複数重ね、コンクリートの型枠用に使えるよう調整した合板を指します。
コンクリートを流し込む目的なので、防水性に富んでいるのが特徴です。ベニアを貼り合わせる際も、耐水性の高いものを使用しています。
とはいえコストパフォーマンスの高さと屋外でも使用できる特徴から、DIYでも違う目的で重宝されることが多いです。
DIYではコンクリート型枠を取ることに使わなくて良いため、板材として幅広く使えるでしょう。
最後に構造用合板です。構造用合板の「構造用」とは、おもに建築物、建材に使われることを目的として名付けられています。
例えば建築物の床、壁や屋根の下地といった、あらゆるところで使われるのも特徴的。
ただし使う場所によって厚みや強度が定められているため、総称して「構造用合板」と呼称されます。
普通合板と構造用合板について
普通合板と構造用合板は、「用途が定まっているか否か」の違いに分けられます。
基本的に普通合板は「用途が定まっていないもの」です。とくに用途が決められていないので、素のままの板材が広く流通しています。
目的が定まっているものの場合、目的に合った仕上げを施しているでしょう。
しかし普通合板は用途が定まっていない反面、「なんにでも使える」汎用性の高さがあります。
表面に塗装をしていないので、自分で塗装をすることも容易です。そして安価に、どこのホームセンターでも手に入るようになっています。
構造用合板は、合板の中でも「建材用途」に特化しているものです。壁下地材・床下地材・屋根下地材に使われ、その強度や厚みを明確に区別しています。
具体的には日本農林規格 (JAS) で定められており、強度が規格として明確に定められているのが特徴です。
そのため普通合板と比べて機能面でも有利な一方、価格としては普通合板よりも高価なものになるでしょう。
その他の合板の種類や特徴について
ほかにも合板はいくつか種類があり、厚みや樹種、特徴が異なります。
大まかな合板の種類は下記のとおりです。
- 普通合板
- 構造用合板
- コンクリート型枠用合板
- 天然木化粧合板
- 特殊加工化粧合板(美観を目的として天然木以外の加工を施す合板)
さらにJASが定めた品質基準により、下記のような分類があります。
- ○類(接着剤の種類及び強度を表すマーク。特類から1~3類に分かれる)
- F☆(ホルムアルデヒドの放散量を表すマーク。☆の数が多いほど放散量は少ない)
- 等級(合板の強度及び品質を表示。構造用では1級、2級が分類)
そしてそれぞれ使われる樹種により、特徴が異なります。
- ラワン材:フタバガキ科の広葉樹。非常に幅広く使われる樹種。
- シナ材:シナノキ(広葉樹)。ラワン材よりも表面が整っている。
- ポプラ材:ポプラ属(広葉樹)の総称。軽くて柔らかく、色が薄いので塗装に◎。
- 針葉樹:ヒノキやスギといった、針葉樹を使用。表面は荒いものが多い。
- OSB:Oriented Strand Bord(オリエンテッド ストランド ボード)。砕いた木片を板材にしたような見た目。強度に優れている。
- ランバーコア材:木片を芯材として使いつつ、表面はベニアを貼った合板。
合板と言ってもたくさん種類と分類があるものの、DIYで使うなら普通合板を覚えておくと分かりやすいです。
コンパネも扱いやすいので、いずれも覚えておくと良いでしょう。
ベニア板とコンパネと構造用合板の使い分けについて
実際にベニア板とコンパネ、構造用合板をDIYで使いたいと思うはずです。
しかし、どこにどういう使い分けをすればいいのか、分からない場合も多いですよね。
この項目では具体的にどういった作業や場所で、それぞれの合板を使うのかまとめました。
ベニア板が利用される作業や場所
ベニア板は一般的に、ベニア合板を指しています。そのため用途があまり定まっておらず、あらゆる場面で使えるのが魅力的です。
住宅では軒天・天井・壁面と、あらゆる場所で使われています。
例えばDIYなら、板壁を作る際にもよく使われるでしょう。両面テープで貼り付けることもできるので、扱いやすさは抜群です。
カラーボックスの扉を作る際にも使われたり、家具の天板をリメイクしたりする際にも使われます。
ベニア板自体を重ねてボックスを作ることもあれば、細く切り出して別の用途に使うこともあるでしょう。
基本的にベニア板はどこでも使えるため、アイディア次第でどうにでもなります。ただしそのままだと耐水性がないので、屋外使用は控えましょう。
塗装をするかコンパネを使うのがおすすめです。
コンパネが利用される作業や場所
コンパネは「コンクリートパネル」の略称で、本来はコンクリートの型枠を流し込む際に使われる合板です。
しかし安価で頑丈なため、工事現場だけではなくDIYでも幅広く使われています。
ものによって表面処理をしているもの、していないものがあるので注意しましょう。
表面処理をしているものなら、そのままDIYでも天板に使えます。
- テーブル
- デスク
- 棚
- コンテナボックス
- 床
- 額
- 滑り台といった遊具
上記のように、幅広い場所で使えます。コンパネは安価に入手できるほか、どこのホームセンターでも手に入るのが魅力的。
表面処理をしているものなら、塗装や処理の手間が省けて丁度よいでしょう。
構造用合板が利用される作業や場所
構造用合板は、おもに建材で利用されます。建材なのでプロの方が使い、DIYでは活躍する場所がないと思いがちです。
しかし実際のところ、構造用合板の規格はコスパが高め。例えば合板でデスクを作ろうと思った際、載せるものによっては強度が必要となるでしょう。
強度を高めるには硬い樹種を選び、厚みも増やさなくてはなりません。一般的な合板から選ぶと、場合によってはコストパフォーマンスが悪化します。
そんなときに構造用合板を選ぶと、高い強度とコストパフォーマンスの高さが両立可能です。
テレビボードなんかも、常に荷重がかかるので構造用合板を使えば効率的。棚や机、家具全般も相性が良いでしょう。
ホームセンターに行けば必ずといっていいほどありますし、価格も安いのが目に入ります。
高い強度を安く入手したいなら、やはり構造用合板を使うのがおすすめです。
ベニア板とコンパネの強みと弱みについて
実際にDIYでベニア板やコンパネを使う際、どういった強み・弱みがあるのか気になりますよね。
そこでこの項目では、ベニア板やコンパネ、構造用合板の強みと弱みについてまとめました。
ベニア板の強みと弱みについて
ベニア板の強みは、下記のとおりです。
- あらゆる用途で使える
- コストパフォーマンスが高い
- 加工しやすい
- どこでも手に入る
基本的にベニア板は用途が定まっておらず、あらゆる場所で使える汎用性を持っています。
さらに一定の規格で生産されるため、安価です。そこそこの強度もあるので、コストパフォーマンスの高さが特徴的。
強度があるのに加工もしやすく、どこでも手に入ります。非常に扱いやすいのがベニア板と言えるでしょう。
反対にベニア板の弱みは、下記のとおりです。
- 耐水性があまりない
- 人が触れるなら仕上げは必須
- 目的を考えるとコスパが悪い場合もある
ベニア板は屋外使用を想定していないため、もともとの素材性質である「耐水性のなさ」が問題となることもあるでしょう。
屋外で使用するとすぐに腐ってしまうので、場合によっては仕上げ加工を行わなくてはなりません。
また表面もザラザラしているものが多く、人が触れるなら研磨・塗装は必須です。
そう考えたときに、手間を考えると「仕上げ加工をしている合板が良い場合もある」でしょう。
最初から仕上げ加工されている合板を使えば、より完成度が高く、かけられる時間も短い場合があります。
コンパネの強みと弱みについて
コンパネはコンクリート型枠用合板なので、耐水性がある合板です。具体的な強みは下記のとおりとなっています。
- 耐水性がある
- 使用場所、汎用性がベニア板よりも高い
- コストパフォーマンスが高い
- 強度があるのでDIYの幅が広がる
コンパネは耐水性があり、屋外での使用にも耐えます。ベニア板単体では屋外での使用が限定されるため、使える場所が限られてしまうでしょう。
しかしコンパネであれば汎用性が高く、ベニア板以上に使える場所が広いです。
強度もあるので、DIYでも利用できるシーンが多くなります。
反対にコンパネを利用する際の弱みは、下記のとおりです。
- 見た目はあまり考えられていない
- 表面仕上げは期待できない
コンパネは建築現場で使う前提となっているほか、屋外で使うことを元に作られています。
そのため見た目は二の次になっており、そのままでは使用できない場合が多いです。だからこそ安価に仕入れられる、というのもあるでしょう。
そして表面仕上げはザラザラかつ引っ掛かりが多く、多少の歪みも踏まえると仕上げを自分の手で行わなくてはなりません。
構造用合板の強みと弱みについて
構造用合板は、おもに建材として使われる合板です。基準があるため、強度に関しては期待できます。
そんな構造用合板の強みは、下記のとおりです。
- 規格に沿った剛性が魅力
- デザインとして使用できる場合がある
- 耐荷重を考えるならコストパフォーマンスが高い
構造用合板はJASの規格に則って作られるため、すべて一定の基準以上となっています。とくに重視されるのは剛性(強さ)です。
ふだん重いものが乗るような、耐荷重が必要な家具で実力を発揮します。構造用合板を使うだけで、一定の厚みや剛性を確保できるでしょう。
また一般的には地材として使われることが多いものの、その無骨な印象をあえてデザインとして取り入れる場合も増えています。
耐荷重を考える場合でも、一般的な普通合板を使うと出費が増える場合もあるでしょう。
同じ耐荷重を考えるなら、構造用合板を使ったほうが安く済む場合も多いです。
まとめ
今回はベニア板とコンパネと合板の違いについて解説してきました。
木材選びについては、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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