コーキング剤のはがし方や保存方法、破棄方法について解説します
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シーリング材とは建物や設備の設置の際、材料と材料の間にできてしまう隙間を埋めることを目的とした部材です。そして、その別名のことを、コーキング材とも呼び、特徴として下記の条件を備えています。
• 材料同士をつなぎ合わせることが可能(密着性)
• 常温で液状であり、時間が経つことで硬化する(凝固性)
• 水や空気を通さない(密閉性・断熱性)
• ゴムのように衝撃を吸収する(弾力性)
今回は、コーキング剤について、はがし方や保存方法、破棄方法などについて解説したいと思います。
コーキング剤の用途について
シーリング工事の目的は材料を密着させ、仕上がりの見栄えを調整するためです。シーリング材は建物のつなぎ目や設備のつなぎ目といった、一般的に目立つ箇所を埋めるために使われます。
つなぎ目のことを建築現場では目地(めじ)と呼びます。目地を見栄えよく処理することで建物全体の見た目を向上させることが可能です。
そのため、目地の処理用にシーリング材を使うことも多いです。DIY等をおこなうときは目地用に販売しているシーリング材を利用することがあります。
また、シーリング工事をおこなう理由は見た目以外にも存在し、シーリング材の特性を活かした役割が存在します。シーリング材の特徴の1つに材料と材料をつなぎ合わせる密着性があります。
材料同士をつなぎ合わせることで建物の耐水性・断熱性・耐震性を高めることにつながります。外壁に使われているタイル、レンガといった石材は見た目では分からないぐらい小さな隙間があいています。
完全に隙間が無い状態に見えているとしてもわずかな隙間があいているため、そのままにしておくと浸水することがあります。
そのため、タイルのつなぎ目やレンガの隙間といった部分は、シーリング材で埋めることが重要です。また、材料同士の隙間を埋めることで耐震性が向上する効果も期待できます。
シーリング材の多くが白い液状の見た目をしており、隙間を埋めてからしばらくすると固まる性質があります。シーリング材が固まる理由は、空気中の湿気や酸素に反応することで凝固する性質を持っているからです。
凝固したシーリング材はゴムに近い弾力性を持ち、接着剤と同等の密着性を持ちます。そのため、地震といった外部からの衝撃に対して振動を吸収する効果を持ち、耐震性の向上が期待できます。
このように、シーリング材を使って隙間を埋めることには多くの目的があるのです。
コーキングとシーリングの違い
シーリングとコーキングは同じ意味と解釈して問題はありません。
建築業界全体で「コーキング」も「シール」も「シーリング」として統一表記されています。シーリングで統一されているのに、人によってコーキングやシール工事という呼び方が違うのかとと疑問に感じますよね。
実は昔はシーリングとコーキングで明確に分類がされていたのです。日本工業規格(JIS)によるとシーリングとコーキングをそれぞれ定義付けされています。
シーリング材は構造体の目地、間げき部分に充てんして防水性、気密性などの機能を発揮させる材料とされています。
油性コーキング材は展色材(天然油脂、合成油脂、アルキド樹脂など)と鉱物質充てん剤(石綿、炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材とされています。
相対変位の小さな目地のシールに使用されることが多いです。
このようにそれぞれ定義づけられていますが、簡単に言うと”油性コーキング材”以外はすべてシーリング材に属するという意味になります。
しかし、現在では油性コーキング材はほとんど使用されなくなり、過去に油性コーキング材が普及していた名残から「コーキング」という言葉が現在でも使用されているのです。
過去に油性コーキング材を使用していた箇所のシーリング工事をコーキングと呼んでいる事があるのでしょう。
現在ではシーリングもコーキングも同じ意味として使用され、「シーリング材」も「コーキング材」も同じ材料を指します。
ちなみにシーリング工事とコーキング工事では同じ工事内容となり、同じものです。そのために施工料金も同じです。
コーキング剤をはがす前に知っておきたい作業上の注意点
古くなったコーキングの交換作業は、大きく分けて2ステップあります。既存のコーキングを剥がす作業、その後に新しいコーキング材を充填する作業です。
①コーキングの剥がし方:外壁の状態を確認する
コーキングを剥がす前に、外壁が濡れていないかどうか確認します。雨や雪が降っている場合や、気温が5度を下回る場合は日にちを改めましょう。
雨や雪のまま作業を行うと、コーキングの上から塗る塗料が雨で薄まったり、雨水が落ち、まだらな仕上がりになったりしかねず、塗料の乾燥時間も延びてしまいます。
②コーキングの剥がし方:コーキングを剥がす
バスコークカッターで、コーキングの溝に沿って上下に切り込みを入れましょう。次に剥がれたコーキング部分をつまみ、テープを剥がすように引っ張ります。
このとき手だけで引っ張って取り除くのが難しければ、ラジオペンチを使うと便利です。残った細かいコーキングは、スクレーパーできれいに削り取ってください。
コーキング剤をはがすために必要な道具について
・バスコークカッター
古くなった三角目地のシール材の除去に使用します。
浴室とタイルのコーナー部ではエッジ部を押し当てて滑らすように目地材方向へ動かし、逆側のエッジで引きながら除去を行います。
エッジ部で大まかに取り除いたら残ったシール材を、ヘラ部を使ってこするように取り除くことができます。
・ラジオペンチ
通常のペンチと比べて、先端が細くなっているのがラジオペンチです。針金の加工に使用し、先端部分は物をつかむ役割があります。
先が細いので、バスコークカッターと併用して除去に使用します。
・スクレーパー
各種の作業や掃除などに使われる道具で、金属やプラスチックなどでできた薄いヘラ状の刃にプラスチックや木製の柄がついたものです。
主に塗装などの前に、古い塗料やサビなどを剥がすケレン作業や、しつこい汚れ、ステッカーや壁紙などを剥がし取る掃除のために使用される道具です。
・ほうき
・雑巾
余ったコーキング剤は長期保存して大丈夫?再利用時の注意点について
コーキング剤を使ってDIYをされる時、材料をすべて使い切ってしまうことが理想ですが、実際はなかなか使い切ることなく残ってしまうものです。
残りを処分するように説明書がある場合もも多いですが、処分してしまうのはもったいないですよね。しっかりと密封して保管すれば、一年程であれば状態は変わらずに保管することが可能です。
以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
①シール材の使用開始
ノズルの先を施工部のサイズに合わせカットし、ノズルの先端は捨てずに保管しておく。
②使用後、先端部の利用
使用後、中身があまって一時的に保管する場合、先ほど保管しておいたノズルの先端部を逆さまにして差し込む。
③先端部の差し込み
空気が入らないようにきちんと差し込む。コーキング剤が隙間から出ないようにグッと差し込みます。
④テープで固定
差し込んだ先端をテープで固定する。隙間が出来ないよう気をつけましょう。この方法の他にも、ネジを入れてフタをしたり、テープで密閉する方法などが一般的とされています。
コーキング剤の破棄方法について
最後にコーキング剤の破棄方法について解説したいと思います。
中身が硬化していないもの
屋外など風通しのよい場所で新聞紙等に中身を出し、硬化させましょう。硬化した内容物は、プラスチックごみ扱いになります。
プラスチックごみは自治体によって処理が異なりますため、自治体の区分に従って廃棄しましょう。
チューブ・カートリッジなどで中身が硬化しているもの
この場合そのまま廃棄してください。容器がプラスチックの場合は、プラスチックごみ扱いになります。
自治体の区分に則って廃棄してください。
容器が金属や紙の場合は、複合ごみの扱いになります。この場合も自治体の区分に沿って、廃棄しましょう。
スプレーで中身が出てこないもの
自治体の規則に従って廃棄してください。ただ製品が多量の場合、産業廃棄物の扱いになります。産業廃棄物処理業者に依頼してください。
まとめ
今回はコーキング剤について、はがし方や保存方法、破棄方法などについて解説してきました。
コーキング剤については、まだまだ知っておきたいことについてたくさんあります。
ぜひ、関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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