切断砥石と研削砥石の種類や特徴の違いについて解説します
目次
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皆さんは「切断砥石と研削砥石の違い」についてご存知でしょうか。
言葉も似ていますので、あまり違いが分からない方も多いと思います。ということで今回は、切断砥石と研削砥石の違いやおすすめの販売メーカーなどについてご紹介したいと思います。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
切断砥石とは
切断砥石とはディスク状の砥石で、切断に特化した砥石を指します。おもに高速で回転する高速切断機に取り付けて使用され、金属や固いものの切断に使われることが多いです。
具体的な砥石の種類や特徴についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
切断砥石の種類
切断砥石は、おもに下記の5種類に分けられます。
- A:褐色アルミナ研削材
- WA:白色アルミナ研削材
- AZ:アルミナジルコニア研削材
- C:黒色炭化けい素研削材
- GC:緑色炭化けい素研削材
A、 WA、AZは鋼材や鋳鉄、ステンレスや炭素鋼といった金属に適しています。CとGCは石材や耐火物といった、金属ではない素材が適切です。さらに粒度と硬度があり、下記のような分類がされています。
- #20
- #24
- #30
- #36
- #46
- #54
- #60
- #80
- #100
粒度の数字が少ないほど粗目になっており、数字が大きくなるほど細目になっていきます。粗目は切断速度が早い一方で、切断面が荒くなってしまうものです。ただし砥石の消耗は少なくなります。
細目は切断速度が遅くなるものの、切断面がキレイでバリも出にくいです。
切断砥石の特徴
切断砥石は、砥粒(とりゅう)という小さな固い粒子を結合剤で固めています。
この小さな固い粒子が対象物を徐々に切り落とし、刃先が減ったと同時に結合剤の強度が限界を迎えて落ちていく仕組みです。
つまり使うたびに新しい刃先が出てくるため、常に切れ味を持続させる特徴があります。(自生作用)
また砥石内にはわずかに気孔も空いていて、切りくずを効率よく取り除けるのも見逃せないポイントです。
気孔により発生する熱を逃す効果もあります。切断砥石は硬い素材の切断を行うなら、とても理にかなった構造を持っていると言えるでしょう。
研削砥石とは
研削砥石は切断と違い、削りながら整える使い方を想定した砥石です。具体的には下記のような使い方を想定しています。
- バリ取り
- 粗加工
- 研磨
特徴や種類についてもまとめましたので、違いが分からない方は確認してみてください。
研削砥石の種類
研削砥石の種類は、一般砥粒と超砥粒に分かれています。それぞれの分類も下記にまとめました。
一般砥粒
- A:褐色アルミナ研削材
- WA:白色アルミナ研削材
- PA:淡紅色アルミナ研削材
- HA:解砕形アルミナ研削材
- AE:人造エメリー研削材
- AZ(25、40):アルミナジルコニア研削材
- C:黒色炭化けい素研削材
- GC:緑色炭化けい素研削材
超砥粒
- D:天然ダイヤモンド
- SD:合成ダイヤモンド
- SDC:金属被覆合成ダイヤモンド
- BN:立方晶窒化ほう素
- BNC:金属被覆立方晶窒化ほう素
粒度の種類は、下記のようになっています。
- #240
- #280
- #320
- #360
- #400
- #500
- #600
- #700
- #800
- #1000
- #1200
- #1500
- #2000
- #2500
- #3000
基本的には切断砥石と同じく、粒度の数値が大きくなればなるほど細目になります。
数値が低ければより削れるものの、削り面も荒くなりやすいです。よりきれいな面に仕上げるなら、細目を選ぶと良いでしょう。
研削砥石の特徴
研削砥石は硬い砥粒と呼ばれる粒子があり、結合剤で固められているものです。
対象物を研削する際に切れ味の悪くなった砥粒が剥がれ落ち、また新しい砥粒が出現する自生作用を持っています。
この特徴は切断砥石と変わりません。研削砥石の場合は粒度がさらに細かいものとなっており、削りすぎないようになっています。
ただし研削は作業の幅が広いので、下記のような作業で粒度や種類が変わるのも特徴です。
- 削りながら磨く
- 仕上げ用に優しく磨く
- きれいに磨き上げる
- 狭小部位を磨く
- 大きく削る
- 非金属を削る
より幅広い作業で活躍するのが研削砥石です。
切断砥石と研削砥石の違いについて
切断砥石と研削砥石は、大きく分けて下記のような違いがあります。
- 用途の違い
- 使用方法の違い
- 粒度の違い
それぞれ詳しく解説していきます。
用途の違い
基本的に切断砥石は、金属や非金属を「切断」する目的で使われます。切断を行う目的なので、切断以外の用途にあまり適していません。
切断を行うためには、より削る力がなくてはならないのです。面で作業を行うというより、線で作業を行うイメージと見ると良いでしょう。
研削用途にも使えると思われるかもしれませんが、誤った使用方法では砥石の破損や事故につながる恐れがあります。
対して研削砥石は金属や非金属を削り、研磨もしくは形を整えるのに使われるものです。
ある程度の削る力はあるものの、切断するほどの力はありません。切断用途で使うと逆に時間がかかるほか、破損するリスクもあります。
線での作業ではなく面で作業が行えるため、研磨や研削作業に向いている砥石です。
使用方法の違い
切断砥石と研削砥石は、実際に使用する方法が異なります。
例えば切断砥石の場合、使うのは砥石の円周部分だけです。砥石が回転する最端を使用するため、どうしても作業時は線でしか行えません。
※使用面に対し、直角に当てる必要があります。角度が変わると欠けたり破損したりするので注意。
とはいえ切断を行うのであれば、全く問題は無いでしょう。
研削砥石の場合は円周部分だけではなく、側面も使用できます。対象物に当てる際は、15~30度の角度が適切です。
ただし角度が低いと砥石の上面層が残りやすいので、塊となって飛散する可能性があります。
粒度の違い
切断砥石は粒度が粗く、削る力が非常に強くなっています。理由は切断用途のため、できるだけ早く削れるようにしなくてはならないからです。
粒度が細目だと、削るのに時間がかかってしまうでしょう。切断面はある程度バリが残っても仕方ないので、ラインナップの粒度も粗目のものが多いです。
対して研削砥石は、切断砥石に比べると細目の番号が中心となっています。また用途によって幅広い粒度があるのも特徴です。
研削用途ではある程度の削る力が必要になるため、粗目の番号が使われます。
対して表面のサビを落としたり、きれいな面を出したりする研磨用途は細目の番号が主体です。
切断砥石とチップソーの違いについて
切断砥石とチップソーは、砥石と刃物という部分で大きな違いがあります。
具体的には下記のような違いがあるので、注意が必要です。
- 切断方法の違い
- 切断時のバリや切断面の違い
- ランニングコストの違い
それぞれの項目についても解説していきます。
切断方法の違い
チップソーの場合、切断方法は刃物による切断です。鋭利な刃物が材料を少しずつ切り取り、切断していきます。
刃物なので効率よく材料を切断でき、火花や熱が発生しません。ただし新しい刃が出てくる自生作用はないので、刃こぼれをしたら切断力が弱くなります。
対して切断砥石を使った切断方法は、削る面積がチップソーよりも大きいです。さらに切断というよりも削りながら切断するため、火花や熱が発生してしまいます。
騒音や周囲への配慮も必要になるので、切断砥石を使う際はよく使用状況を考えなくてはなりません。
しかし削りながら新しい刃が出てくる自生作用があり、切断力が一定以下に落ちることは無いです。
切断時のバリや切断面の違い
チップソーは鋭い刃先を使って切断を行うので、切断面が非常にきれいです。
切断砥石の場合はどうしても火花と熱が発生し、焼付きも発生しやすいので切断面が粗くなります。
もちろんきれいな切断面を切断砥石で実現することは可能ですが、作業者のスキルや習熟度によるところが大きいです。
作業工程がほかにもあり、違う作業者が担当するのならチップソーが効率は良いでしょう。
単純作業で人目にも触れないなら、切断砥石で十分な可能性があります。
ランニングコストの違い
切断砥石とチップソーは、1枚あたりのコストが違います。チップソーは使い始めだと切断力があるものの、使用していけば徐々に切れ味は落ちるでしょう。
さらに1枚当たりの価格は切断砥石よりも高く、寿命も考慮するとランニングコストは高めです。切断砥石の場合は比較的チップソーよりも安く購入でき、寿命は長く使えます。
できるだけ作業状況に合わせ、どの作業ならコストが抑えられるか検討した上で使うと良いです。
切断砥石の選び方について
切断砥石の選び方は、作業条件に合わせて変える必要があります。
それぞれ切断砥石の特徴もありますので、詳しく下記の項目ごとにまとめました。
- 切断時の条件
- 厚みや粒度、硬度の特徴
切断時の条件
切断時の条件は、具体的に下記のようなものがあります。
- 作業を行う材料の材質
- 材料の厚みや太さ
- グラインダーの馬力
- 砥石の回転速度
作業を行う材料の材質は、大きく分けて軟らかいものか硬いもので判断できます。
材質が軟らかい一般鋼材の場合は、硬めの砥石を使ってください。逆に硬い重量鋼材を使うなら、軟らかめの砥石が最適です。
また切断する材料の厚みや太さも、砥石の硬度を選ぶ上で大切なポイントになります。細い材料は硬めの砥石を使い、太い材料は軟らかい砥石を使いましょう。
グラインダーの馬力があるものは硬めの砥石で、馬力が弱いものは軟らかい砥石が適切です。
砥石の回転速度も重要なので、回転速度が遅いものは硬めの砥石を使ってください。回転速度が速いものは軟らかい砥石が良いです。
厚みや粒度、硬度の特徴
切断砥石の厚みや粒度、硬度の特徴を押さえておくと、切断砥石を選ぶ際に適切な砥石を選べます。厚みは薄ければ薄いほど、切れ味が良いです。ただし砥石自体が割れやすく、交換頻度は高くなります。
逆に厚いと割れにくく、寿命が長いです。切れ味は悪くなるので、作業効率を考えて使用しなくてはなりません。
粒度は数字が大きくなればなるほど、細目になるので切断面がきれいになります。ただし切断時の時間と、製品寿命は短い傾向です。逆に小さい数字を使えば切断面は粗くなるものの、作業時間の短縮と製品寿命が長くなります。
硬度はアルファベットで表されており、Zに近づくほど硬い砥石と覚えておくと良いでしょう。砥石が硬いほど摩耗量は減りますが、目詰まりしやすくなって熱がこもる可能性は高まります。
切断砥石のオススメメーカーと特徴について
切断砥石はオススメのメーカーがいくつかあり、それぞれのメーカーや商品によって特徴が存在します。
この項目ではオススメメーカーとその商品についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
レヂトン(Resiton)金の卵
レヂトンは古くから砥石全般を販売している企業です。とくに金の卵シリーズは、長年愛用されている切断砥石の1つとなっています。
両面補強を行いつつ、極限の薄さを実現している砥石です。薄いのでバリや焼けが少なく、快適に切断できます。
とにかくサクッと切断していきたいけど、耐久性も重視したいという方にピッタリ。ただし比較すると減りはどうしても早く、使い方次第では割れやすいのもデメリットです。
ある程度手慣れている方が使うと良いでしょう。
ボッシュ(BOSCH)バリューシリーズ
ボッシュは世界シェアで見ると、多くの国で使われている老舗メーカーです。電動工具のほか、カー用品と幅広い事業展開を行っています。
ボッシュのバリューシリーズは、純正品でありながらその安定した能力から使用者が多いです。Amazon内でもディスクグラインダーのカテゴリで、ベストセラー1位を記録しています。
特筆するような機能はないものの、コストパフォーマンスの良さは何物にも代えがたいです。
安く高品質な切断砥石がたくさんほしいという方に、最適な切断砥石となっています。
E-Value(藤原産業) ディスクグラインダー用 切断砥石
E-Valueは、電動工具やDIYツールの専門商社である「藤原産業」のオリジナルブランドです。安く高品質な商品展開を行っています。
そしてE-Valueの切断砥石は、前項で紹介したボッシュの切断砥石よりもコストパフォーマンスが良いです。
初心者やとにかくたくさん切断砥石を使うという方に、ピッタリと言えるでしょう。
ただし厚みがあるため、やや切断力は落ちます。耐久性もありますが、効率の良い作業を目指すなら少し扱いづらい面もあるでしょう。
山真製鋸(YAMASHIN) 多種材切断砥石 拳王マルチ
山真製鋸は創業50年を迎える、DIYツールや工業分野で高い技術力と製品開発力を持つメーカーです。チップソーや切断機、空調ウェアと幅広い商品を展開しています。
山真製鋸(YAMASHIN)の多種材切断砥石「拳王マルチ」は、多種材の切断に向いている切断砥石です。
金属やステンレス、アルミだけではなくブロックや塩ビにも対応しています。仕事やDIYで幅広い作業を行う方は、この1枚があれば作業効率が高いです。
まとめ
今回は、切断砥石と研削砥石の違いやおすすめの販売メーカーなどについてご紹介してみました。
電動工具については、まだまだ知っておきたいことはたくさんあります。
ぜひ、関連記事も読んで参考にしてみて下さい。
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