【インパクトレンチ】WR36DD(HiKOKI)とTW007G(マキタ)の違いをスペックを比較しながら紹介します。
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インパクトレンチの購入を検討されている方の中には、ミドルクラス帯のスペックで探されている方もいると思います。
今回は、マキタとHiKOKIのミドルクラス帯のインパクトレンチ2機種(WR36DDとTW007G)を比較して、その違いを紹介していきます。
【HiKOKI】 WR36DDの特徴について
電動工具メーカーでお馴染みのHiKOKI(旧日立工機)が2021年に、36VのインパクトレンチWR36DDを発売しました。
現時点で発売されているHiKOKIの36Vインパクトレンチは、3つのシリーズに分かれています。
- WR36DC(300N・m)
- WR36DD(630N・m)
- WR36DA(1100N・m)
新しく発売したWR36DDは、ミドルクラスの従来モデルWR18DSHLよりもコンパクトでパワフルになりました。
- ヘッド長が169mm(従来モデルは264mm)
- 重量2.7kg(従来モデルは3.2kg)
- 最大締付トルク(回転力)が630N・m(従来モデルは420N・m)
従来モデルのWR18DSHLは18Vでしたが、WR36DDは36Vの電圧をフルに発揮できる高出力用です。
それによりパワーだけではなく、スピードも大幅にアップしています。
- 締付けスピードが従来モデルの約1.5倍
- ボルトを緩めるスピードは従来モデルの約2.8倍
WR36DDの特徴は、スマートフォンと連動させられる蓄電池に対応している所です。
専用アプリでスマートフォンと蓄電池を連携させれば、オートストップの機能をカスタマイズして使えます
【マキタ】TW007Gの特徴について
国内2大メーカーとしてHiKOKIとトップを競うマキタも、2021年に36VのインパクトレンチTW007Gを発売しました。
マキタが現時点で発売している36Vインパクトレンチも3シリーズです。
- TW004G(320N・m)
- TW007G(650N・m)
- TW001G(1350N・m)
ミドルクラスの従来モデルTW700Dがもともとコンパクトな作りだったため、サイズや重量は従来モデルからあまり変わっていません。
しかし対応バッテリーが18Vから36V(満充電時は40V)に変わったので、パワーやスピードは大幅にアップしています。
- 最大締付トルク(回転力)は650N・m(従来モデルは600N・m)
- 従来モデルよりも締付けスピードが約25%アップ
- 高負荷時の連続作業量は、従来モデルの3倍以上
TW007Gの特徴は、正転と逆転の両方に対応できるオートストップ機能です。正転だけではなく逆転も3モードの調節ができます。
またオートストップは設定した時間に自動で停止する機能です。
逆転時もモードを使い分けられるので、緩めたナットの脱落を防止できます。
【スペック比較】WR36DD(HiKOKI)とTW007G(マキタ)の違いについて
HiKOKIが販売するWR36DDとマキタ製のTW007Gは、非常にスペックが似ています。
そのためどちらを購入するか悩んでしまう方もいるでしょう。
ここでは2機種のスペックを比較した共通点や、異なる点をお伝えします。
全長の違い(ヘッドの比較)
WR36DDとTW007Gのサイズは、以下のとおりです。
- 全長(ヘッドの長さ)はWR36DDが169mm、TW007Gは170mm
- 全高はWR36DDが276mm、TW007Gは285mm
高出力のインパクトレンチは全長が長く、立てて置くにはバランスの悪い形をしていました。
しかし、小型化に成功したWR36DDとTW007Gは全長が短いため、立てた状態でも置くことができます。
また、ヘッド長の短い工具は小回りがきくので、狭い場所でも扱いやすいです。コンパクトになったWR36DDやTW007Gなら、高所での作業でも使いやすいでしょう。
ちなみにバッテリーが付いたセット品を購入すれば、付属品も収納できるケースが付いてきます。まとめて収納できる上、持ち運びに便利なのでおすすめです。
重量の違い(重量の比較)
WR36DDとTW007Gは、重量がほとんど同じです。
- HiKOKIのWR36DDが2.7kg
- マキタのTW007Gは2.6kg
基本的に工具の重量は出力と比例します。そのためミドルクラス以上のインパクトレンチは、大きくて重たい製品が主流でした。
WR36DDとTW007Gは軽量化に成功しているので、どちらも3kg以下になっています。このくらいの重さであれば、長い時間使っても疲れにくいでしょう。
しかし、軽量の工具に慣れている方や、力の弱い方は重たく感じる可能性があります。
出力が低い機種ほど軽量なので、軽い工具を使いたい方は出力が控えめなモデルの購入もご検討ください。
300N・mのWR36DCや、320N・mのTW004Gなら1.9kgと非常に軽量です。
最大締め付け能力の違い(トルクの比較)
インパクトレンチの能力は、以下の項目を見ると分かりやすいです。
- 最大締付トルク
- 先端部(角ドライブ)の太さ
- 締付能力(締付け可能なボルトの大きさ)
最大締付トルクは、回転する力の強さを表します。
- WR36DDの最大締付トルクは630N・m
- TW007Gは最大締付トルクが650N・m
インパクトレンチはトルク値が高いほど、ボルトの適応サイズが大きいです。しかし、ボルトの適応サイズは、先端部の太さでも変化します。
先端部の太さはWR36DDが19sq、TW007Gは12.7sqです。
sqはスクエアとも呼ばれており、数値が高いほど適応できるボルトは大きくなります。
- 高力ボルトの適応サイズはWR36DDがねじ径10~20mm、TW007Gはねじ径10~16mm
- 普通ボルトの適応サイズは、どちらもねじ径10~24mm
搭載機能の違い
WR36DDとTW007Gは、非常によく似た機能を搭載しています。
- 無段変速スイッチ(握り込む力加減でスピードを調整できる)
- 4段階の強弱切り替えボタン(回転数の上限を設定できる)
- 正転と逆転を切り替えるスイッチ
- 自動で停止するオートストップ機能付き
- エネルギー効率の良いブラシレスモーターを搭載
- 手元を明るく照らす高輝度のLEDライト付き
- 水や粉塵が入りにくいボディ(TW007Gはバッテリーも保護)
- ソケットを仮保持できる先端形状
WR36DDとTW007Gの搭載機能は、よく似ていても詳細が異なります。とくに強弱切り替えの上限値やオートストップ機能は勝手が違うため、注意が必要です。
機能によって向いている作業が異なるので、必ず詳細を確認してから購入しましょう。
WR36DD(HiKOKI)とTW007G(マキタ)の決定的な違いについて
WR36DDとTW007Gの決定的な違いは、以下の3点です。
- 先端部の太さ
- オートストップ機能
- バッテリーの種類
先端部の太さが違うと、向いている用途も異なります。
- WR36DDは19sq(鉄材向き)
- TW007Gは12.7sq(木材向き)
オートストップ機能は、WR36DDとTW007Gで大きく違っています。
- WR36DDは正転のみ(4モード)
- TW007Gは正転と逆転で使える(各3モード)
WR36DDのオートストップ機能は、スマートフォンと連動したカスタマイズが可能です。カスタマイズすれば、オートストップ時間を0.1~10秒の範囲で細かく調整できます。
またスマートフォンと連動させるには、Bluetoothを搭載したマルチボルトバッテリーが必要です。本体にバッテリーが付属しているセット品を購入した場合、以下のバッテリーか付いてきます。
- WR36DDには、36Vと18VのHiKOKI製品に使えるマルチボルトバッテリー
- TW007Gにはマキタの40Vmaxモデルに使えるBL4025バッテリー
WR36DD(HiKOKI)とTW007G(マキタ)、どっちを買うべきか
WR36DDとTW007Gは機能や価格が異なります。どちらを購入するか悩んでいる方は、価格よりも機能で比較した方が選ぶやすいかもしれません。
ですが基本的にはバッテリーが異なるため、お手持ちの電動工具のメーカーに合わせて選ぶことをオススメします。
そして、この章では両機種から電動工具を購入される方に向けて、オススメな選び方をお伝えしたいと思いますので、ぜひ購入する際の参考にしてください。
WR36DD(HiKOKI)の強みとオススメな人
WR36DDは太くて頑丈な、19sqの角ドライブを採用しています。19sqは1000N・m以上のハイパワータイプにも用いられている太さです。そのため、WR36DDは大きな負荷がかかる鉄材にも使えます。
高出力だと繊細な操作の難しい工具も多いですが、オートストップ機能が付いているのでナットを締めすぎる心配はありません。
通常時なら4段階、カスタマイズすれば0.1~10秒の範囲で停止する時間を調整できます。
カスタマイズに必要なBluetoothを搭載したマルチボルトバッテリーは、36Vと18VのHiKOKI製品で使用可能です。
通常のオートストップ機能しか使わないのなら、Bluetoothを搭載していないマルチボルトバッテリーでも代用できます。
WR36DDは、以下のような方におすすめです。
- 36Vや18VのHiKOKI製品がお手元に多い方
- これからHiKOKI製の工具を集めたい方
- 鉄骨や鉄材に使いたい方
- 普通乗用車やトラックの整備に使う方
- 高出力での繊細な締め付け作業が多い方
TW007G(マキタ)の強みとオススメな人
TW007Gは正転と逆転にオートストップ機能がついたインパクトレンチです。正転で締め過ぎによるボルトの破損を防ぎ、逆転では緩めたナットの脱落を防止します。
どちらも3段階の調節ができるため、締めと緩め両方の作業で繊細な操作が可能です。
また、TW007Gは全速モードも搭載しています。全速モードは少ない握り込みでも、設定した数値まで一気に回転する機能です。
オートストップ機能と全速モードを組み合わせて使えば、連続する作業も効率良く行えます。
さらにマキタの共用バッテリーは、水や粉塵が入りにくい仕様です。そのため天気が悪い日の野外作業や、粉塵が舞う現場でも安心して使えます。
TW007Gは、以下のような方におすすめです。
- 40Vmaxモデルのマキタ製品がお手元に多い方
- 今後マキタ製品を集める予定の方
- 高所での作業を行う方
- ボルト緩める作業が多い方
- 木造建築の土台加工にも使いたい方
- 連続する作業を頻繁に行う方
- 野外や粉塵が舞う現場が多い方
まとめ
今回は、マキタとHiKOKIのミドルクラス帯のインパクトレンチ2機種(WR36DDとTW007G)のスペックなどを比較し、その違いについてご紹介してきました。
電動工具を購入する前に知っておきたい知識はまだまだあります。ぜひ、その他の関連記事も確認して、工具選びの参考にして見て下さい。
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